JEITA、2006年のPC出荷は前年比3%減の1,233万台に
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JEITAパーソナルコンピュータ事業委員会・山本正己委員長 |
1月25日 発表
社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は25日、2006年(1~12月)の国内PC出荷実績を発表した。
これによると、国内の出荷台数は、前年同期比3%減の1,233万4,000台、出荷金額は8%減の1兆5,095億円と、暦年では4年ぶりのマイナス成長となった。
JEITAパーソナルコンピュータ事業委員会・山本正己委員長(=富士通経営執行役)は、「個人需要については、年初の進入学需要は順調だったが、4月以降、海外旅行が過去最高となったほか、地上デジタル放送の視聴地域の広がりとともに、薄型TVの販売が好調など、個人消費支出の分散が見られたこと、さらに、10月以降は、Windows Vista発売前の買い控えの影響や、新製品投入が第4四半期にずれ込んだがことが影響し、前年を下回った。一方、企業向けの需要は景気回復や、企業の好業績、雇用の安定化といった動きに支えられ、リプレース需要が堅調に推移。中小企業やSOHOにも需要が拡大したことで、1年を通じて堅調だった」とした。企業向けはほぼ前年並み、個人向けは前年比10%減前後で推移したと見ている。
形状別では、ノートPCが1%増の695万3,000台、デスクトップPCが8%減の538万1,000台となり、ノートPCの構成比が56%となった。
PC出荷台数推移 | PC出荷金額推移 |
2006年/暦年出荷実績 | 形状別出荷台数推移 |
2006年度第3四半期(10~12月)は、国内出荷台数が前年同期比10%減の259万1,000台、国内出荷金額は14%減の3,068億円となり、「とくに個人向け需要は、台数ベースて前年同期比80%程度だった」と、Vista発売前の個人需要の低迷が深刻であったことを示した。
平均出荷単価は、ノートPCが第2四半期に比べて2,000円下落の12万5,000円、テスクトップPCは横ばいの11万円。全体では1,000円下落の11万8,000円となった。
一方、2006年度(2006年4月~2007年3月)の国内PC出荷見通しを下方修正した。年度初めの予想では、5%増の1,350万台としていたが、これを、前年並みの1,290万台とした。
とはいえ、第4四半期での高い成長を見込んでいるのは間違いない。
1,290万台に到達するには、第4四半期には、前年同期比14%増の成長率が必要であり、企業向けが前年並みに推移するとすれば、市場構成比の約4割を占める個人需要が高い成長を牽引しなくてはならない。しかも、1月が前年実績をやや下回ると推定されていることから、個人向けVistaの出荷効果が見込まれる2月、3月での個人需要の大幅な伸びが必要となる。
まさに、1月30日以降のWindows Vista搭載PCの売れ行き次第で、前年実績を維持できるかどうかが左右されることになりそうだ。
また、平均単価については、第4四半期は、Vista搭載PCの出荷が開始され、とくにHome Premium以上の製品が多いと見られることから、単価が上昇傾向に転じるとの見方が支配的。だが、1月には、Windows XP搭載PCが低価格で販売されていたことで、これがどう影響するかが注目されよう。
「メーカー各社から、デジタル家電との融合や、使い勝手の向上、セキュリティを強化するといった、Vistaを搭載したすばらしい製品が発表されており、第4四半期は国内PC市場全体で10%強の成長を予定している。その先も、この勢いが持続することを願っている」(山本委員長)と、2007年度のプラス転換に期待を寄せている。
出荷単価推移 | 2006年度出荷予測修正 |
□JEITAのホームページ
http://www.jeita.or.jp/japanese/
□ニュースリリース
http://it.jeita.or.jp/statistics/pc/h18_3q/
□関連記事
【1月18日】年末のPC販売、Vista待ちで大幅前年割れ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0118/bcn.htm
(2007年1月25日)
[Reported by 大河原克行]