1月18日　発表

　株式会社BCNは1月18日、同社が集計している全国22社2,300店舗のPOSデータをもとに、2006年年末商戦の販売動向をまとめた。

　これによると、PC本体の販売台数は、12月には前年同月比18.6%減となり、2006年2月以降の前年割れからは脱皮できないままだ。Windows Vista発売前の買い控えの影響が大きく、年末商戦のPC売り場は、前年割れを余儀なくされたことが浮き彫りになった。

　とくに、デストクップPCの落ち込みが大きく、前年同月比34.0%減。一方、ノートPCは9.4%減と、マイナスではあるものの、1桁台の減少にやや回復してきたという。

　BCNの田中繁廣取締役は、「若干回復の兆しが見られているものの、1月30日にVistaが発売されたとしても、2月実績で前年並みに戻るのは難しいと予想している。Vista搭載PCではメモリ容量が大きいなど、若干割高になり、価格がこなれるまでに時間がかかることが想定される。PC市場の回復は、少なくとも3月の進入学商戦まで待たなくてはならないだろう」と予測した。

田中繁廣取締役	デストクップPCの落ち込みが大きいが、ノートPCの出荷台数減は1桁にとどまった

　だが、一部のPC用周辺機器では、回復の兆しを見せているものもあるという。

　12月の販売実績を見ると、HDDは前年同月比10%増と2桁増を達成。メモリに関しても、前年同月比1.7%減とマイナス成長ではあるものの、回復の兆しが見られている。

　「Vistaへの対応を想定した需要のほか、映像関連での需要が増大していることが影響しており、これらの周辺機器は、ひと足早く需要が回復したと判断できる」(同)と語った。

　また、映像関連周辺機器が、前年同月比90%増という大幅な伸びを示しており、「PC用のワンセグチューナが9月に登場したことが影響している。PCの新たな活用領域を広げるものともいえ、今後も引き続き成長するだろう」と分析した。

　一方、同社では、2006年1～12月のノートPCの販売シェアにおいて、東芝がトップとなったことに触れ、「ノートPCの全モデルに、DVDタイトルの視聴に適したワイド液晶を搭載し、新たな活用シーンの提案と、コストパフォーマンスの高さが販売増に貢献した。軽量、低価格のダイナブックシリーズから、デジタルTVも視聴できるAVノートQosmioシリーズまでの幅広いラインアップ展開も、ユーザー層の拡大につながった」としている。

　また、デスクトップPCでは、NECが4年連続でトップシェアとなった。

　だが、東芝のPC事業は2006年度上期実績でマイナス74億円の赤字を計上し、PC事業の構造改革に取り組んでいるところ。また、NECのPC事業も上期実績は“ブレイクイーブン”と発表し、若干の赤字を計上した模様。ノートPCおよびデスクトップPC分野におけるトップメーカーが相次ぎ赤字といういびつな構造は、是正しなくてはならない問題ともいえる。

一足先に回復の兆しを見せた周辺機器	ノートPCの販売シェアで東芝がトップに

●薄型TVでは大画面化が進展

　BCNでは、薄型TVやDVDレコーダ、デジタルカメラなどの販売状況に関しても発表した。

　薄型TV全体では、12月の販売台数が前年同月比40.6%増となり、引き続き大幅な成長を遂げていることが明らかになった。そのうち、プラズマTVは75.3%増、液晶TVは37.1%増となった。だが、低価格化の進展の影響もあり、金額ベースでの伸び率は20%台に留まっている。

　大画面化という観点では、液晶TVで40型以上の構成比が24.6%(金額ベース)を占めたほか、プラズマTVでは50型以上の構成比が26.2%に達した。また、フルハイビジョンの構成比は、12月には18.5%にまで増加したという。

　DVDレコーダでは、薄型TVとのセット販売が増加しており、その結果、VIERAリンクを打ち出した松下電器、ファミリンクのシャープが、前年の3位、4位のポジションから、それぞれ1位、2位となった。

　デジタルカメラでは、一眼レフカメラの販売台数が前年同月比89.1%増と大幅な伸びを見せたほか、コンパクトデジカメも3.5%増と前年実績を上回る売れ行き。全体でも7.3%増となり、2006年9月以降、7%増を前後した成長を維持しているという。

□BCNのホームページ
http://www.computernews.com/
□ニュースリリース(PDF)
http://ranking.computernews.com/marketview/newsimages/2007_01_11.pdf
□関連記事
【1月11日】BCN AWARD 2007発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0111/bcn.htm

(2007年1月18日)

[Reported by 大河原克行]