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IDT、パフォーマンスを向上させたPCIeスイッチ
~業界初の48レーン/12ポートモデルを含む8モデル

新たに発表されたPCIeスイッチ8製品

12月4日(現地時間) 発表



 米Integrated Device Technology(IDT)は4日(現地時間)、32のFCC(Flow Control Credits)を搭載し、2,048Byteまでのペイロードに対応することで性能を向上させたPCI Expressスイッチ8製品を発表した。

スペック、量産開始時期、価格の一覧

 レーン数とポート数の組み合わせで8モデル用意される。量産開始時期は、業界初となる48レーン/12ポートを備えた「89PES48T12」が2007年第2四半期で、そのほかのモデルは2007年第1四半期。ボリュームプライスは、89PES48T12が80ドルで、そのほかは15~45ドルとなる。

 PCI Expressスイッチとは、Root Complex(マザーボード上ではCPU/ノースブリッジ)とEnd Point(PCI Express接続のデバイス)の間に位置し、コネクションとデータの管理を行なうチップ。主に、サーバーやブレードサーバーのほか、SAN(Storage Area Network)スイッチやNAS、RAIDシステムなどのストレージに搭載され、PCI Expressバスの通信の効率を向上させる。今後は、ノートPCやプリンタ、家電にも採用される見込み。

 今回発表されたPCI Expressスイッチでは、FCCとペイロードサイズを強化したことでパフォーマンスを向上させた。また、対応規格がPCI Express 1.0aから1.1へとアップデートされている。

 FCCとは、PCI ExpressスイッチやEnd Pointが保持できるバッファの量。例えばスイッチ無しの場合、RootがEnd PointのFCCを超えてデータを転送すると、まずEnd Pointが処理可能な量を転送し、残りはRootが保持してEnd Pointが次の処理を可能な状態になるまで待つことになる。つまり、ストールの状態になるためパフォーマンスが下がってしまう。しかし、スイッチを間に挟めば、Rootが送信するデータをスイッチが持つ大容量のFCCが受け取るため、Rootはストールせず、パフォーマンスが低下しない。今回発表された製品は、他社製品の2倍のFCCを備えているという。

 また、PCI Expressにおける転送は、ペイロードサイズ(転送されるデータ本体)0~4KBに加えて、ヘッダとフッタ合わせて28Byteのデータを付加して行なわれる。これまでの製品では最大ペイロードサイズが256Byteだったが、今回発表された製品では2,048Byteまでのペイロードサイズに対応した。これによって、256Byteを超えるデータ転送では、フッタとヘッダが重複するオーバーヘッドとなっていた問題が改善され、パフォーマンスが向上する。

 このほか、レーン当たりで最大50%の消費電力が低減され、熱管理や設計が簡素化されるため、デザインコストを引き下げるという。

FCCの強化 ペイロードサイズの向上 消費電力を削減

●ラインナップの広さに自信

 12月8日に都内で開催された発表会では、シリアルスイッチ事業部マーケティング・マネージャ マット・ジョーンズ氏が新製品とロードマップを説明した。

 同氏は、「今回の製品追加により、業界でもっとも広範なポートフォリオを実現した。レーンとポートの組み合わせで、幅広い顧客の要求に応えることができる」とラインナップの広さをアピールした。

 今後は、PCI Express Revision 2.0への対応に加え、ブレードシステムにおけるCPU間内部接続を目指す「マルチピア・スイッチング」の実現や、PCI-SIGで規格を検討中のI/Oの仮想化(2007年中に発表される予定)を目指して活動していくという。

シリアルスイッチ事業部マーケティング・マネージャ マット・ジョーンズ氏 ロードマップ

□IDTのホームページ(英語)
http://www.idt.com/
□ニュースリリース(英語)
http://www.idt.com/?id=3693

(2006年12月8日)

[Reported by matuyama@impress.co.jp]

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