GITEX 2006レポート【PC編】 SamsungのMobile WiMAX端末やSonyのMac Book似ノートが展示
会期:11月18日~22日(現地時間) 会場:UAE Dubai International Convention and Exhibition Centre ●GITEX 2006/GULFCOMMS 2006/GITEX SHOPPER 2006が開幕 IT関連の展示会として、ドイツで行われるCeBIT、台湾のCOMPUTEX TAIPEIに次いで、世界トップ3に入るGITEX 2006が開幕した。会場はアラブ首長国連邦ドバイのDubai International Convention and Exhibition Centre、会期は11月18日~22日。 夏から秋にかけてのシーズンの国際的大型IT展示会が存在しないためが、GITEX 2006は、これから発売される製品を売り込むというよりは、今ある製品を買ってもらうためのイベントという趣になっているのが印象的だ。そのため展示内容も、各社が今年発表してきた製品の総決算的な意味合いが色濃く感じられ、既知の製品が多いのが特徴といえる。 現時点で今年の正確な出展社数は告知されていないが、60カ国以上から1,200社以上が参加しているという。また、今年は通信機器系イベント「GULFCOMMS 2006」が同一会場で並行開催されており、こちらも130社程度が出展している。 会場内はハードウェア系が8ホール、ソフトウェア系が2ホール、ネットワーク系や1ホール、GULFCOMMSが1ホールといったレイアウトで、うちハードウェア系の1ホールはSonyが独占で利用している。 ちなみに、GITEX&GULFCOMMSには一般ユーザーは入場することができない。しかし、一般ユーザー向けには「GITEX SHOPPER 2006」というイベントが行なわれている。こちらの会場はGITEX&GULFCOMMSから離れたAirport Expoで、11月18~24日のスケジュールで開催。ショップも数多く出展しており、展示会というよりは即売会といった雰囲気のイベントになっている。 ●Sonyの日本未発売モデルはMac Bookに酷似 Sonyブースではゲーム機器からデジカメ、放送用機器、BRAVIAまで1ホールを使った幅広い展示が行なわれていた。ノートPCは中近東やヨーロッパで発売される今年の秋冬モデルが一挙に展示。 その中に、AppleのMac Bookに非常によく似た外観の「VGN-N17G」という日本で未発売のモデルが展示されていた。15.4型のWXGA液晶を持つ製品で、CPUはCore Duo T2050。512MBのメモリ、80GBのHDD、+R DL対応のDVD±RWドライブを内蔵と、スペック面ではシンプル。このほか、IEEE 802.11a/b/g無線LAN、ExpressCard/34スロット、SDカード/メモリースティックスロットなどを備えている。重量は3.1kg。
もう1つの日本未発売製品が「VGN-C13G」だ。ホワイトモデルの「VGN-C13G/W」とブラックモデルの「VGN-C13G/B」が用意されている。こちらはVAIO type Sを分厚くしたようなデザインで、パームレスト部がディンプル加工されているのも特徴。 液晶ディスプレイは13.3型のWXGAパネルを採用し、CPUはCore 2 Duo T5500。80GBのHDD、512MBのメモリ、+R DL対応のDVD±RWドライブを内蔵するなど、スペックはN17Gと同様。ただし、ExpressCardスロットは搭載せず、メモリカードリーダーもメモリースティックのみ。無線機能はIEEE 802.11a/b/gとBluetoothを搭載する。重量は2.3kgで、バッテリ駆動時間は最大4.5時間。 なお、VAIO Type L/S/T/U/A/Fといった日本で発売されているモデルも、日本と型番の違いがあって面白い。
●SamsungがWindows XP Home搭載のMobile WiMAX&携帯電話端末を展示 SamsungブースはGITEX会場でもSonyに次ぐ規模の大きなもので、“世界で最初の”102型プラズマディスプレイやBlu-Ray Discプレーヤーの「BD-P1000」など、おなじみの製品が人々の注目を集めている。 その中で興味深いのが、Mobile WiMAXコーナーに展示された「SPH-P9000」だ。CDMA EV-DOに対応した携帯電話端末だが、QWERTY配列のキーボードを備え、パームトップPCのような形状をしている。同社のWiMAXモジュール「Wibro」を内蔵することで、WiMAXを利用したインターネット接続もできる。WiMAX使用時は時速120kmの速度で移動しても高速なインターネット接続が利用できることをアピールしている。 キーボードと液晶ディスプレイは折りたたむことができ、携帯時にはコンパクトにできる。液晶ディスプレイのサイズは5型で、解像度は800×480ドット。キーボードはモバイルノートPC程度のキーピッチは確保されており、ポインティングデバイスとしてキーボード右上に小型のタッチパッドを装備する。 このデバイスのユニークな点は、有線LANや802.11b/gは非対応でMobile WiMAX&携帯電話端末としての割り切りが感じられる一方で、Windows XP MobileやEmbeddedではなく、Windows XP Home Editionを搭載している。 CPUはTrasmetaのEfficeon TM8820、メモリは256MB、HDDは30GB(展示機では東芝のMK3008GALが使用されていた)、グラフィック機能はMobility Radeonといったスペック。合わせて、Bluetooth接続で利用できるハンディフォンもオプションとして展示されていた。韓国などでは2007年1月から発売される予定とのことで、1,600米ドル程度の価格帯が見込まれている。
●Acerからはスライド式液晶のタブレットPC Acerのブースに展示された「TravelMate C210」は、液晶部をスライドさせ、形状を替えられるコンバーチブル型のタブレットPC。この方式に見覚えがある人もいると思うが、IntelがIDFなどでコンセプトPCとして展示していた「Montevallo」によく似た製品だ。 ただし、Montevalloの12型液晶タイプは、飛行機で前の座席がリクライニングされても、キーボード入力ができるようスライドできたが、こちらは完全にキーボードが隠れるタブレットPCである点で性格が異なる。そもそも、AcerのC210は実は後継モデルで、すでに昨年秋の段階でこの前世代モデルを発売しており、Montevalloよりも先に世に出ている。 主なスペックは販売元のオーダーメイドとなるが、チップセットはIntel 945PMでCPUはCore 2 Duoをサポートする。グラフィック機能はGeForce Go 7300が採用され、液晶は12.1型のXGAパネル。 このほか、指紋認証機能、スティックタイプのポインティングデバイス、IEEE 802.11a/b/gまたはb/gの無線LAN機能、Bluetooth、Gigabit Ethernet、光学ドライブスロット、4in1カードリーダーなどを備える。また、同社のドッキングステーションであるezDockなどを接続できるインターフェイスも背面にある。 バッテリ駆動時間は3セルバッテリ時で1時間、6セルバッテリ時で2.65時間、9セルバッテリ時で4時間。9セルバッテリと光学ドライブを搭載した場合の重量は2.6kgとなっている。
●Fujitsu Siemensは165×165mmのMiniPCを展示 Fujitsu Siemensのブースでは、先月発表されたというビジネス向け製品の「ESPRIMO Q5000」を展示。165×165×50mm(幅×奥行き×高さ)のMiniPCで、25Wと低い平均消費電力や、オフィスワーク中の騒音が25dBである静音性をアピールしている。 スペック面では、Intel 945GMにCore Duo T2300E/T2050またはCeleron M 410が組み合わせられる。DIMMスロットは1基で最大2GBモジュールに対応。HDDは40GBまたは80GB。MiniPCIスロットも1基装備し、ここには、IEEE 802.11a/b/gモジュールやBluetoothモジュールをオプションとして装備可能。背面にはアンテナ用のコネクタも用意されている。日本での発売については不明。 Fijitsu Siemensのブースでは、このほかに12.1型液晶を採用したコンバーチブル型タブレットPCのCore 2 Duoモデル「LIFEBOOK T4215」なども展示されている。
□GITEXのホームページ(英文) (2006年11月21日) [Reported by 多和田新也]
【PC Watchホームページ】
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