「the Microsoft Conference 2006」が開幕
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Microsoft Conference 2006 |
会期:11月15日~16日
会場:東京国際フォーラム
マイクロソフトが主催する企業向けセミナー「the Microsoft Conference 2006」が東京国際フォーラムで開かれた。
今後、名古屋、大阪、札幌、広島、仙台、福岡、沖縄、金沢、高松、高崎でも順次開催される。なお、参加費は無料だが、事前登録が必要(東京はすでに終了)。
初日となる15日は、スペシャルキーノートセッションが開かれ、米国本社 Windows & Windows Liveエンジニアリング担当 シニアバイスプレジデントのスティーブン・シノフスキー氏がスピーチを行なった。
●Vistaは日本での厳しい試験をクリアした製品
ダレン・ヒューストン社長 |
冒頭では、マイクロソフト株式会社 代表執行役 ダレン・ヒューストン社長が挨拶。同氏はまずWindows Vistaの進行状況について触れ、「VistaのRTMは11月8日にすでに出ており、各パートナーに出荷するための準備を整えている。リテール版も国内での発売は1月を予定しており、ローンチに向けての最終段階に入った」と説明した。
また、VistaおよびOffice 2007については「過去20年間の中でもっとも多くのイノベーションを投入した製品」とし、同社初となるハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)向けのクラスタ用製品、およびForeFrontなどのセキュリティ製品を投入すると話した。
さらに、Plan-Jについても触れ、「開始してから1年半経つが、当社がVistaの開発に対してフィードバックを反映するだけでなく、開発途中で国内のさまざまな厳しい試験をクリアした。パートナー各社もVistaに最適化したデバイスの投入を行なうことができた。今後もよりいっそう日本国内への投資を増やし、パートナーシップの強化を図りたい」とした。
製品のロードマップと拠点の拡大 | Plan-Jの成功 |
●境界を越えたビジネス
米国本社 Windows & Windows Liveエンジニアリング担当 シニアバイスプレジデントのスティーブン・シノフスキー氏 |
続いて、シノフスキー氏がヒューストン社長に紹介され登壇し、VistaおよびOffice 2007に投入されているイノベーションについて紹介した。
シノフスキー氏によれば、VistaおよびOffice 2007はユーザーの生産性を向上させ、競争に打ち勝つためのさまざまな機能を搭載しているとし、「3G携帯電話やノートPCが普及しているが、VistaとOffice 2007と組み合わせることで、時間や場所などの境界を越えたビジネスを実現できる」とアピールした。
また、情報量の増大による透明性の高いシステムの構築、コスト削減の必要性、J-SOX法の実施によるセキュリティに対するニーズの高まりなどを指摘し、「新製品群ではこれらのニーズに応え、社員力の向上に伴う経営力の向上が見込める」と説明した。
さまざまな機能のうち、同社がもっとも力を注いだイノベーションは、Vistaに搭載された“Aero”およびOffice 2007に搭載された“Ribbon UI”などのユーザーインターフェイス(UI)の部分であると紹介。「新しいUIは結果志向で開発されており、多くのユーザーに使用してもらい、得られたフィードバックに基づき作成した。新しいUIへの変化への適応には時間かかるものの、ユーザーはいずれも“移行の価値があった”という反応で、新しいUIへの移行は価値があるものだと確信している」と語った。
仕事環境の変化とソフトウェアに対するニーズ | VistaとOffice 2007はいずれも結果志向のUIを採用 |
デモも行なわれ、ハイブリッドスリープによる高速性/信頼性の両立、フリップ3Dによるウィンドウ切り替え、Ribbon UIによるワークフローに沿った操作、条件付書式による直感的なデータの作成などがアピールされた。
また、強化された検索機能の中でもOutlook 2007の検索機能を中心に紹介し、本文や送信者だけでなく、添付ファイルの内容に対する検索も可能になった。加えて、Outlook 2007では添付の文書をプレビューする機能も追加され、アプリケーションを立ち上げずにファイル内容を確認できるようになった。
Vistaではスタートメニューにサスペンドボタンが用意される | もっとも有名な機能の1つとなったフリップ3D |
Excel 2007ではセル内の数値を視覚的表示する条件付書式を備える | エクスプローラ画面でアイコンを大きくしていくとファイルの最初の1ページ目がサムネイルに | Outlook 2007では添付ファイルに対しても検索を行なえる |
「境界を越えたビジネス」のデモとしては、社内でミーティングスペースによる共同作業およびプレゼンテーションのほか、社外メンバーとのコラボレーションをするための「Groove 2007」を紹介。GrooveではP2Pによりクライアント同士でファイル共有ができ、オフライン時でも共有されたファイルにアクセスできることが示された。さらに、Groove 2007ではサーバーを通して管理者がアカウント制御を行なうことができ、セキュアなファイルのやりとりができるという。
共同作業を行なうニーズの向上 | 統合的なサーチによる情報管理の向上 |
ミーティングスペースによりPowerPointを共有し、共同作業を行なえる | Grooveの共有フォルダでメンバーを追加するとこのようなメッセージが追加されたメンバーのPC画面でポップアップし、参加するか否かを選択できる | P2Pでファイルの同期を行ない、オフラインでも利用できるようになる |
グループウェアの「SharePoint」では、承認が必要な文書のワークフローの管理が搭載されるほか、Office 2007がクライアントに入っていない環境も配慮されており、サーバー側でWordやExcelファイルなどのレンダリングを行ない、クライアントにHTMLとして表示する機能を搭載。また、SharePoinではOutlookと同様の操作がWebブラウザで行なえ、共有ファイルに対して外部からアクセスできることを紹介した。
同社が推進している「ユニファイドコミュニケーション」についてもデモがなされ、電話でExchange Serverに接続し、スケジュールの確認や変更などが行なえることをアピールした。
近年、情報流出やノートPCの盗難などで話題になっているセキュリティに対しても、施策が施されているとし、HDD暗号化技術「BitLocker」およびSharePointによる文書に対するポリシー適用などをデモ。「厳重なセキュリティを施すとユーザーの利便性が下がってしまうのが一般的であるが、VistaとOffice 2007を利用すればユーザーの利便性を損なわず強固なセキュリティを確保できる」とアピールした。
セキュリティに対するリスクの向上 | コスト削減もIT Proの課題 |
BitLockerをかけたHDD(写真左)とかけていないHDD(写真右)を無理やり解析したときの違い。BitLockerがかけられたHDDは解析すらできない |
文書に対するセキュリティポリシーを適用した文書。この場合閲覧しか許可されていない | メールにファイルを添付すると管理者宛にもCCされ監視できる | VistaとOffice 2007によって実現されるメリット |
最後に同氏は、VistaおよびOffice 2007を前向きに導入しているパートナーを紹介し、「パートナーだけでなく、各々のエンドユーザーにもVistaとOffice 2007のメリットを理解していただき、評価していただき、使用していただきたい」と語った。
●会場展示
会場にはパートナー展示スペースも用意され、多くのVista対応製品が並べられた。メインは企業向けソリューションであるが、コンシューマ向けではアイ・オー・データ機器がストレージ製品を、インテルはvPro/Centrino準拠PC、クアッドコアのCore 2 Extreme QX6700を搭載したPCを展示した。
PCメーカー各社は既存ノートPCにVistaを搭載して展示 | アイ・オー・データ機器のVista対応予定ストレージ製品 |
インテルのブースに展示されたvPro対応PC | Centrino準拠ノートPCにもVistaをインストール | Core 2 Extreme QX6700を搭載したデスクトップ |
□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/
□the Microsoft Conference 2006のホームページ
http://www.event-registration.jp/events/msc06/
(2006年11月15日)
[Reported by ryu@impress.co.jp]