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視覚障害者のためのPC/デジタル機器を紹介するイベント開催10月29日 開催 視覚障害者のPC活用をバックアップする、有志によるPCサポートボランティアグループ、BLPC(ブラインドパソコンサポート、柳田友和会長)は29日、最新のソフトウェアや機器の展示、BLPCインストラクターによるPC活用テクニック紹介などを行なうイベント「BLPCフェア2006」を、東京・板橋区のハイライフプラザいたばしで開催した。 BLPCが開催するイベントは、2004年に続き2回目となる。視覚障害者にとって、PCは生活をサポートする欠かせないツールとなっている。このイベントでは、PC用のソフト、視覚障害者向けのデジタル機器などを開発しているメーカーの製品を展示。さらに、BLPCメンバーによる、Windows Media Playerの活用方法の紹介、視覚障害者・弱視の方や盲ろう者が利用しやすいように設計され、無償提供されている統合ソフトウェア「ALTAIR(アルティア)」の活用法、筑波技術大学 障害者高等教育研究支援センター・長岡栄治教授による講演「視覚障害者向けパーソナルコンピュータの歴史とそれが生まれるまでの苦悩」が行なわれた。
柳田会長は、「障害者向けのソフトなどを展示するイベントは他にも開催されているが、BLPCは視覚障害者のための団体であり、今回のフェアも視覚障害者のための内容とした。視覚障害者は自分で動き回ることができないので、懇切、丁寧な展示とすることを心がけた。プレゼンテーションは、あえてPCのプレゼンテーションを使わず、声による説明を行なっている。また、会場の最寄り駅、会場の入り口、展示会場などにはボランティアのガイドさんに立ってもらって、移動の不便さをカバーする工夫を行なっている。 視覚障害者向け機器を開発する複数の企業に集まってもらうことで、1つの場所で色々な機器の説明を受けられるようにした。また、Windows Media Playerを用いた音楽管理方法、オリジナルCDの作成方法を説明する講演を行なったが、こうした無料で利用できるオーディオソフトは、我々視覚障害者にとって欠かせないものだが、メーカー側は時間をかけて説明しにくいもの。その使い方の説明をすることで、視覚障害者の活動にとってプラスになってもらうことができれば」と話している。 展示会場では、高知システム開発、アメディア、アイネット、NEC、アスク、松下電器産業の6社が展示を行なった。 Windows用の画面拡大ソフト「ZoomText」を展示したNECのパーソナルソリューション企画本部・鈴木信幸エキスパートは、「今回紹介したのは、弱視の人向けの画面拡大ソフト。簡単に画面を拡大できるソフトはWindowsの標準機能として用意されているが、本格的な画面拡大ソフトは世界でも3製品しかない。今回紹介しているのはそのうちの1つで、マーケットサイズは小さいものの、メーカーとしてこうした商品を提供することも責務の1つと考え、日本語版の提供を行なっている。当社では視覚障害者以外にも、眉毛しか動かせない人のためのソリューションといったものも提供しており、今後も障害者向けソリューションの提供を続けていく」と話している。
□ブラインドパソコンサポートのホームページ (2006年10月30日) [Reported by 三浦優子]
【PC Watchホームページ】
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