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マイクロソフト、Web開発者向けイベント
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REMIX Tokyo |
10月26日 実施
マイクロソフト株式会社は26日、東京国際フォーラムでWeb開発者向けイベント「REMIX Tokyo」を開催した。
本イベントは、Windows Vistaに搭載される各種機能によって実現できるWebアプリケーション/サービスを紹介し、VistaによるWebのユーザーエクスペリエンス向上をテーマとして開催された。
●VistaとLiveによる新しいWeb時代の到来
Microsoft米国本社 プラットフォーム戦略担当・ゼネラルマネージャ Charles Fitzgerald氏 |
午前中のセッションでは、基調講演が行なわれ、Microsoft米国本社 プラットフォーム戦略担当・ゼネラルマネージャ Charles Fitzgerald氏が「The Next Web Now」と題したスピーチを行なった。
冒頭で同氏は、Web 2.0の登場は「まったく新しいWeb時代が到来することを意味する」と表現。この新しいWeb時代は、ソフトウェアとサービスの統合により実現できるものであると強調した。
続いて、Webの過去を振り返り、「5年ごとに革新が訪れている」と説明。'90年にはWindows搭載PCの登場、'95年にはWebの普及、2000年にはWebサービスの開始により、技術と生活スタイルが変化したとし、「2005年にはソフトウェアとサービスを統合させるプラットフォームとして、Liveが登場した」とLiveの重要性を強調した。
加えて、PCだけでなくモバイルクライアントへの融合、ピアーツーピアによる接続の増加、グローバルなファイル共有、およびメディアとITの融合などが今後のトレンドとなるだろうと話した。
5年ごとに“革新”が到来 | Liveプラットフォームによるシムーレスな連携 | ソフトウェアとサービスの融合 |
これらのトレンドを支える技術として、「Windows Vistaに搭載されるWindows Presentation Foundation(WPF)およびガジェットを中心に、AJAX/XAML/CSS/HTML/RSSなどによって、サーバーのパワーとローカルPCのパワーを使い分けられる。特にローカルPCのGPUは、これまでゲームの性能向上のためにのみ使われてきたが、今後はリッチなコンテンツを表示するためのものに変化する」と語った。
そして、これらの技術の実現を支援する同社の取り組みについても紹介し、「エンドユーザー向けにVistaの提供をするだけでなく、開発者向けツールとして“Expression”シリーズを提供する。Expressionを利用すれば、XAML/CSS/HTMLなどの共通言語により、デザイナーがデザインしたものを損なわずにプログラマーが製品を開発できる」とアピールした。
WPFによりローカルPCパワーの利用率が向上し、リッチなコンテンツを実現できる | Liveプラットフォームによるシムーレスな連携 |
Internet Explorer 7とMedia Centerについても触れ、「IE7では使い勝手の向上および安全性の向上、RSS機能の強化、Media Centerでは10フィートUIの標準化およびサードパーティによる拡張性の提供により、Windows XP登場時以上にユーザーエクスペリエンスを向上させられる」と語った。
また、W-ZERO3やhTc Zのようなモバイルプラットフォームへの展開により、マルチプラットフォームでの情報共有化も重要だと指摘し、「Liveを利用すればさまざまなプラットフォーム上で情報を共有でき、アドレス帳の再入力のような手間が省け、ユーザーの利便性を向上できるようになる」と説明した。
IE7の操作性向上 | サーチ機能もOSに統合 | モバイルプラットフォームの普及によるLiveの重要性 |
●リッチなWebアプリケーション
WPFとXAMLによって実現できるリッチなGUIを持つWebアプリケーションとサービスの事例として、NHKが2008年に開始する予定の映像配信サービス「NHKアーカイブズオンデマンド」、およびセカンドファクトリーが開発中のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が取り上げられた。
NHKアーカイブズオンデマンドは、NHKが過去に放送した番組をすべてサーバー上に収録しており、ユーザーが見たい番組をより直感的に選べるだけでなく、メタデータの検索機能やユーザーレビューなどを搭載しているのが特徴となっている。
デモでは、ユーザープロファイルにより、ユーザーが関心度の高い番組をサムネイルで一覧表示する機能や、同サービスに登録したユーザーの番組に対するレビューを閲覧/編集する機能、過去に見逃した番組などをライブラリから参照できる機能、ジャンルごとに推薦番組を表示する機能などが示され、WPFの効果の高さに対するアピールがなされた。
セカンドファクトリーが開発しているSNSでは、個人を中心とする人脈の広がりが3Dで描かれ、ブログでは動画が多用されていることをアピール。動画にはタイムラインに沿ったコメントの挿入も可能としており、「映像の中で出てきた製品のURLなどをコメントとして入れておけば、動画を中心とした新しいビジネスモデルの展開も期待できる」と期待が寄せられた。
ガジェットを利用したWebアプリケーションとしては、CNETが開発中のニュース表示ガジェットが紹介された。同ガジェットでは、新しい記事はより薄い色で、注目度の高い記事はより大きいボタンで表示され、ユーザーの傾向にあった記事を表示するほか、多言語もサポートしており、「世界中の情報をデスクトップに表示できる」ことがアピールされた。
セカンドファクトリーが開発中のSNS。自分と関係が深い人は近くに、関係が浅い人は遠くに、3次元で表示される | ブログに動画を埋め込み、タイムラインに沿ったコメントの挿入が可能 | CNETのニュースガジェットは、新しい記事をより薄い色で、注目度の高い記事をより大きいボタンで直感的に表示 |
□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/
□REMIX Tokyoのホームページ
http://www.event-registration.jp/events/remix06/
(2006年10月26日)
[Reported by ryu@impress.co.jp]