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WPC TOKYO 2006 基調講演レポートモバイル分野が牽引する革新会期:10月18日~21日 会場:東京ビッグサイト 東4・5ホール PCを中心としたIT関連の総合展示会「WPC TOKYO 2006」が、東京ビッグサイトにて10月18日から21日の会期で開幕した。
会場ではWPCフォーラム2006として、IT関連企業のトップによる基調講演やパネルディスカッションなどが行なわれる。ここでは、米Intel 副社長 ムーリー・エデン氏による、「デュアル、マルチコアが作り出す新生代コンピューティングと新しいライフスタイル」と題した基調講演の模様をレポートする。 基調講演では、25年前から始まったパーソナルコンピューティングの歴史と、現在のPCトレンドを絡め、PCの新たな利用形態やマルチコアの恩恵について説明した。 ムーリー氏はまず、25年前のポータブルPC「オズボール」に触れ、モビリティの歴史はここから始まり、'80年代にはごくわずかだったモバイルPCは、'90年代にも引き続きわずかだったが、2003年にCentrino Mobile Technologyが紹介されたことで急速に普及したと述べた。
PC市場は、日本では既に50%がモバイルPCになり、アメリカやヨーロッパでも急速な成長を示している。しかし、同氏はそれらはデスクトップPCを置き換えるものであり、真のモビリティではないとする。携帯電話の普及をまとめたチャートを示し、真のモビリティにはパーソナライズ(個人化)とモビリティ(可搬性)が重要であるとした。
そして、PCの新たな利用形態としては、ホーム・エンターテインメント、ストリーミング・ビデオ、VoIP、モバイルの伸長を挙げ、マルチコアによりそれらがもっと楽しめるようになるとする。アメリカではTVよりもPCの前で過ごす時間が長くなってきており、カナダにおける調査でも、16~25歳の若者が同様の傾向を示しているという。 ●モバイル分野で進む革新 同氏は「日本がモバイルを牽引している」とした上で、dynabookなどのサブノートやOrigami、VAIO type Uなどのデバイスを紹介。Intelは、バッテリの長寿命化への需要に応え、Robson、DPST 3.0、IMSM、DP20 PANEL、AMPSといったテクノロジで問題解決に取り組んでいる。また、ノートPCでは現在50%がワイド画面だが、2008年には90%がワイドになるという予測を示したほか、Flybookを取り上げ、Intelがエコシステムと共同で新たなコンセプトPCの開発に取り組んでいるとアピールした。 モバイルPCはこれまで、デスクトップPCと比べて性能で妥協してきたが、デュアルコアを搭載したことで「性能差はなくなった」とする。2006年末には出荷されるプロセッサの90%がデュアルコアになるほか、2007年上半期に登場する次の世代のプラットフォーム「Santa Rosa」は、Robsonテクノロジ、WiFi、WiMAXなどを搭載し非常にリッチなものになるという。
●日本はパイオニア デスクトップPCの傾向としては、市場の1/3がオールインワン(一体型)PCになったことや、TVチューナの1/3が地デジ対応となったことを挙げる。同氏は、「日本はこの分野ではパイオニアで、この2年間でさらに普及し、現在のDVDドライブのようにノートブックにも普及していくだろう」と予測。 そして、Quad Coreソリューションを紹介。当初はゲームなどのハイエンドPCやワークステーション向けに投入されることになる。デモでは、Quad CoreとDual Coreのエンコードスピードを比較。Quad Coreが27秒で終了し、40秒のDual Coreと比較して40%高速であるとした。
同氏は、この25年の“偉大な進化”を振り返り、「性能の向上と共に、デスクトップでは一体化が、ノートPCでは小型化が進行。それにともなって利用形態が変化してきた。次世代では、PCは現在のものと完全に異なり、TV以上の存在になる。日本に普及するノートPCをみると、多くのノートPCはデスクトップの置き換えでしかない。パーソナリゼーションの進化とは、デジタルチューナやWiFiコネクティビティなど、新たな機能や革新を通じて新しいライフスタイルを提案するものになるだろう」と語った。 Q&Aでは、モバイル向けのQuad Coreの登場時期について言及。質問を大変興味深いものであると評した上で、「それは競合会社にとってもそうだろう」とコメント。消費電力を削減する必要があることや、アプリケーションのQuad Core対応などプラットフォームの成熟を待ちたいとし、明確な時期については発言を避けた。 また、Quad CoreとDual Coreのセグメントについては、Dual Coreがメインストリームを担当し、Quad Coreがゲームやワークステーションなどハイエンドを担当するとコメントした。 □WPCのホームページ (2006年10月18日) [Reported by matuyama@impress.co.jp]
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