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ギアドライブ式キーボード
「エレコム TK-U09FG」レビュー

「TK-U09FGSV」

発売中

実売価格:4,000円前後

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 エレコム株式会社から、業界初のギアドライブ式キーボード「TK-U09FG」シリーズが発売された。定価は5,040円だが、今回は3,980円で購入できたので、使用感などをレポートする。

 独自開発の「ギアドライブ式」とは、スイッチの四方をギアで囲い、キートップとギアのかみ合いにより上下運動をする新機構のこと。キートップのどの部分を押下してもキー全体が沈むため、ミスタイプを防げるという。

 「TK-U09FG」シリーズは、業界で初めてこのギアドライブ式を採用したUSBキーボード。パンタグラフ式キーボードと同様、薄型なのが特徴だ。

●標準的な配列と独特の打鍵感

 パッケージは標準的で、付属品はマニュアルのみ。本体はプラスチック製だが、安価なキーボードにありがちな安っぽさはなく、価格相応といったところだ。

 配列は、一般的な日本語109キーボードと同様で、キーピッチは19mmと余裕がある。キーストロークは公開されていないが、想像していた以上に浅く、一般的なA4サイズノートに搭載されるパンタグラフ式キーボードとほぼ同等と感じた。

配列はごく一般的な日本語109キーボード(手前)とほぼ同じ 本体底面は滑り止めゴムを装備 スタンドを立てると少しチルトが付き、入力しやすくなる
キー押下時に隣接するキーのギアが見える キートップをはずしたところ キートップ下部に噛み合うための歯が付いている

 ESC/ファンクション部分のキーは高さが抑えられており、少し窮屈な感じを受けるが、実用上ほぼ問題はない。キートップの印字は立体的で凹凸感があるが、使っていくうちに削れてしまいそうだ。

 キータッチは、メンブレン式や静電容量式とは違い、パンタグラフに近い感覚だ。ギア駆動ということもあり、少し反応の遅いストロークを予想していたが、意外とくっきりとしたクリック感がある。また、一番下まで押したときの止め感覚は高級キーボードの東プレRealForceほど強くない。打鍵音は「コリコリ」に近いが、音が小さく、深夜での利用もあまり気にならないだろう。

 さて、肝心な「キートップのどこを押しても均一に押下される」という謳い文句だが、確かにその通りで、通常のキャラクターキーから、エンターキーやスペースキーなどの大きいキーまで、四隅を押下してもきちんとキー全体が押下され、文字入力が正しく行なえた。

 一方、キーロールオーバーについては特に謳っていないが、キーが入力に追いついていかないというようなレスポンスの悪さは感じられなく、快適だった。

■■ 注意 ■■

・分解/改造を行なった場合、メーカーの保証は受けられなくなります。
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●ゴミに弱いのが弱点

 構造を見るために、分解をしてみた。

 分解方法は簡単で、裏面にある14個のネジをはずすだけでバックパネルが取り外せる。キーの下の板はスチール製で、厚さは1mm前後。片手で持つと、しなるほど薄く、タイピング時の感触に影響しているようだ。

 ギアの部分は露出しており、パッケージの図解どおりにスイッチを囲んで4つ配置される。長いキーや大きいキーには相応の長さのギアを装備しているが、軸の太さは均一ではなく、精度はそれほど高くない。

本体底面を取り外したところ キー部をすべて取り出した。キーの大きさによってギアの長さも異なる 【動画】キー押下によるギア回転の様子(MOV形式/約6.5MB)

 ギアが露出しているため気になるのは、キーの隙間にゴミなどが落ちた場合の駆動部の耐性だ。そこで、実際にポテトチップスをキートップにまぶし、テストを行なってみた。

 その結果、やはりポテトチップスがギアに挟まったキーは、押下しにくくなったか、キー位置がズレるか、戻らなくなった。ほかの駆動方式のキーボードならほぼ問題ないのだが、ギアドライブ式キーボードではゴミがギアに挟まると回らなくなるため、タイピングできなくなる。

すり潰したポテトチップスをキーに撒き散らし、少し揺らして、隙間に入らない物は捨てた 何回かキーを押下したあと、キートップを外したところ。ギアの軸受け部分にポテトチップスがくっついている 反応の悪くなったキーを取り外せば、ポテトチップスのカスが歯に入っていることがわかる

 本テストではやや厳しいテスト条件となっているが、それでもゴミには弱そうだ。本キーボードを使用したいユーザーは、キーボードカバーをするか、こまめに掃除することをお勧めする。

●機構に一工夫した次機に期待か

 TK-U09FGは、ギアドライブという新機構を備えつつも、実売4,000円程度と安価で、同価格帯としては並みの性能/機能を備えている。

 新しいギアドライブ方式は、パンタグラフ方式に近い打鍵感を得ることができ、かつ静音性にも優れた機構だ。しかしゴミやチリなどの環境には弱いという一面も持っている。ギアをキートップ下部の外側ではなく、内側に設置していたら、ゴミに強い構造になっていたであろう。同様の機構を採用しつつ、ストロークをもっと深くし、ゴミに強い機構を備えた次機の登場に期待したい。

□エレコムのホームページ
http://www.elecom.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.elecom.co.jp/news/200609/tk_u09fg/
□関連記事
【9月19日】エレコム、新機構「ギアドライブ式」採用キーボード
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0919/elecom.htm

(2006年10月12日)

[Reported by ryu@impress.co.jp]

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