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IDF Fall 2006 前日レポート

クワッドコアCPUが話題の中心か

会場:米San Francisco Moscone Center West
会期:9月26日~28日(現地時間)



●IDFが明日から開催

 Intel Developer Forumが9月26日から28日(現地時間)まで開催される。今日25日は、会場の設営が行なわれ、参加登録(レジストレーション)が始まったが、まだ、人影はまばらだった。例年なら、明朝には多数の参加者がつめかける。

25日の午前中は、レジストレーションが開始されたが、まだ人影もまばら

 なお、本日は、プレス向けのブリーフィングが行なわれたが、その内容などについては明日以降レポートをお届けする予定である。ただし、話題のクワッドコアに関した話はなかった。ニュースは明日の基調講演を待てということなのだろう。

 明日26日には、CEO兼会長のポール・オッテリーニ氏と、研究開発を担当するCTOのジャスティン・ラトナー氏が基調講演を行なう。

 2日目には、エンタープライズ分野担当のパット・ゲルシンガー上級副社長、デジタルヘルス担当のルイス・バーンズ副社長、さらにモバイル担当のデイビット・パールムッター上級副社長が基調講演を行なう予定。

 通信関連事業やXScaleプロセッサ部門の売却などを行なった後、最初のIDFとなる今回だが、基調講演の顔ぶれをみると、デジタルヘルス以外は、本業回帰がはっきりとした感じだ。

●メインの話題はクワッドコアだけなのか?

 今回のIDFの話題は、クワッドコアCPUだといわれている。これまでのIDFなどで明らかになっている情報では、クワッドコアCPUである「Kentsfield」(コードネーム)などは、「Smithfield」ことPentium Dと同じく、FSBを共有する方式。簡単にいえば、2つのデュアルコアCPUを1つのパッケージに入れたものだ。

 このSmithfield方式は、FSBを共有するためバス効率は良くないものの、設計が簡単で、素早く市場投入ができるというメリットがある。世間には「切り離されていない2つのダイ」と呼ぶ向きもあるようだが、対AMDとの競争の中で、クワッドコアCPUを早期に投入できるメリットは小さくない。

 キャッシュを共有せず、FSB側を共有する方式では、コア間のキャッシュの同一性を保つための通信(スヌーピング)が処理性能に応じて増えてしまうという問題がある。他のコアのキャッシュが変更になると、他方がそれを取り込み、キャッシュを更新して、双方のキャッシュ内容を同一に保つわけだ。

 この通信が増えてしまうと、FSBを使うためにメモリアクセスに影響が出てしまう。これについては、何らかの対策が盛り込まれるらしい。このあたりは、初日の基調講演などで明らかになると思われる。

 そのほかの話題としては、次のコアアーキテクチャも出てくるとは思われるが、詳細は語られず、ロードマップで名称が語られる程度であろう。

●将来技術で盛り上げるか?

 前回のIDFは、Coreマイクロアーキテクチャが発表されたことで、話題が豊富だった。全体として今回は、CPU技術に興味のある人からみれば、個々の話題は、それなりに興味を引くが、前回と比べて盛り上がりに欠ける面もあるかもしれない。

 過去にも、こうしたIDFはあり、今ではどうなったのかわからないPeer-To-Peerコンピューティングなど、研究開発系の将来技術を大きく取り上げたことがあった。ただ、研究開発担当が現在のラトナー氏に変わってからは、比較的、CPU技術中心になっているため、あまりかけ離れた話題にはならないだろう。

 前回のTera-Scale Computing(メニイコア)のように、数年~10年程度先のまだ研究段階の技術を大きく取り上げるかもしれない。業界でもトップクラスの研究開発費を誇るIntelならではのやり方でもある。

 IDFは、今後のIntelの方向性を公式に発表する場であり、かつ、Intelの技術力を宣伝する場でもある。世間的には、IDFに関して、次のCPUはどうなるのかという直近の製品の話題の方が注目度が高い。PCユーザーにしてみれば、次に買うマシンがどうなるのかといったところに直結するからだ。このため、次世代CPUの技術に関しては、世間的には採点が辛い。製品が登場して評価が定まるまでは、アーキテクチャベースの議論があり、ここでは、前述のSmithfieldのような製品は厳しい評価を受けることが少なくない。

 となると、クワッドコア以外にも何か話題を用意しているのではないかと思われる。こうした状況の中、CPU以外にどんな話題を持ってくるのか? ある意味、こちらの方が今回のポイントといえるだろう。

□IDF Fall 2006のホームページ(英文)
http://www.intel.com/idf/us/fall2006/
□IDF Spring 2006レポートリンク集
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/link/idfs.htm

(2006年9月26日)

[Reported by 塩田紳二]

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