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【やじうまPC Watch】
高品質なナンプレ問題を自動生成する人工知能システム

ナンプレ問題自動生成システム

9月6日 発表



 株式会社タイムインターメディアは6日、高品質なナンバープレイス(ナンプレ)問題を自動生成するシステムを開発したと発表した。

 ナンプレは、縦9マス×横9マスで構成され、縦と横の各列9マスに1~9の数字のいずれかを重複せずに入れ、さらに太枠で囲まれた3×3マスにも重複せずに数字を埋めるパズルゲーム。

 ナンプレ問題は、あらかじめマスの中に20個~30個前後の数字が埋められており、プレイヤーはこれらの数字をヒントに数字を空いてるマスに埋めていき、解を求める。ただし、問題として成立するパターンは限られており、対称形では18個の数字が限界とされている。

ナンプレ問題を自動生成する様子。黄色いマスが問題の数字を入れるマスで、問題が成立するまで繰り返される(WMV形式/約900KB)

 現在市場に出回っているナンプレ問題の多くは、コンピュータで自動生成されたものや、パズル作家による手作りのものであった。しかし、前者では品質が問われ、後者では作成に時間がかかることなどが問題となっていた。

 そこで同社は、コンピュータによる高速自動生成による利点と、パズル作家のノウハウによる人工知能を取り入れた高品質の利点を持ち合わせたシステムを開発。数字が25個前後、かつ対称図形性のある問題を、約30秒から60秒(2GHz前後のCPU、メモリ1GBの環境)で生成でき、問題作成の高速性と品質を両立させた。

 なお、現時点では同システムの販売予定はなく、同社が作成した問題を出版社などにEPSまたはXML形式などで提供するのが主なビジネス形態となっているが、将来的にはゲームエンジンとして公開する可能性もあるという。

●日本に良質なパズルを

知識工学センター 藤原博文氏

 同日に都内で行なわれた発表会では、同社 知識工学センター 藤原博文氏がシステムの説明にあたった。

 藤原氏は、40年前からパズルについて研究しており、10年前からJavaのプログラミングをしていた。同システムも、同氏がJavaで書いたという。

 同氏は現在のパズル市場の動向について、「現在、ナンプレは海外では“SUDOKU”として知られ、大流行しているが、問題需要の増大およびパズル作家の不足などが問題になっている」と語った。

 システムの開発に至った経緯について、「世界の中には優れたプログラマーとパズル作家が多く存在しており、良質なプログラムの登場に期待していたが、なかなか現れなかった。その結果、コンピュータによる自動生成のパズルは粗悪なものになってしまった。そこで当社は問題作成の高速性と品質を両立させたシステムで、良質なパズルを普及させたいと思い、作成した」と説明した。

 “良質”とはどういった定義かについて同氏は、「対称性がある美しいデザインで、25個以下の少量の数字、解き味がよく、レベル分けとテクニックが身につく問題が、本当の意味での良質。この傾向はむしろ初心者向けの問題に現れる」とした。

 続いて、同システムでの問題作成を実演し、解説を行なった。

 同システムの問題作成は4ステージに分かれており、第1ステージでは適当に数字をばらまき、第2ステージで成立しそうな位置に数字を置く。第3ステージでは、しらみつぶしで成立する問題だけの収集を行なうようになっている。

 なお、この段階で成立しなかった場合は第1ステージに戻って再度ランダムで数字がばらまかれ、問題が成立するまで続行される。

 第3ステージが無事終了した場合、第4ステージの評価段階に入る。このステージで、手数ごとの難易度も解析され、進行に伴った難易度の推移などを評価し、問題の難易度レベルを示す。手数が進むにつれ、難易度の推移もグラフィカルに表示可能となっている。

パズル作家のノウハウを取り入れた人工知能と、コンピュータによる高速生成を両立させたルーチン 手数が進むにつれ、難易度の推移も折れ線グラフで表示 自動的にパターンに従い連続で問題を作成できる

 現時点では、問題の数字が入るマス目を指定できるほか、指定された数字を問題に入れない設定、難易度を絞った問題の作成などが可能。また、一定のパターンに従い連続で問題を作成する機能もある。

 最後に同氏は、「同システムで作成した問題を国内の出版社に利用してもらうだけでなく、海外にも進出していきたい」と語った。

□タイムインターメディアのホームページ
http://www.timedia.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.timedia.co.jp/news/1973182871

(2006年9月6日)

[Reported by ryu@impress.co.jp]

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