|
IBMとAMD、Opteronサーバー分野での提携を強化
8月1日(現地時間) 発表 米IBMは8月1日(現地時間)、AMDの次期Opteronを搭載したビジネス向けハイエンドブレードサーバー「BladeCanter LS」シリーズおよび「System x」シリーズを発表した。 新製品はいずれも未発表のSocket F Opteronを採用し、DDR2-667メモリを採用(従来の同等システムは533MHz)。現行モデルの同等機種と比較して処理能力を21%向上させたという。 また、データセンターなどで課題となっている消費電力の削減にフォーカスをあて、「Cool Blue」と呼ばれるシステムを採用。IBMのオリジナルユーティリティで消費電力およびシステムの熱、周囲の温度などを測定し、任意の時間帯に消費する電力の上限を自由に設定できる。 Cool Blueには、筐体のエアフローに配慮したシステム設計「キャリブレーテッド・ベクター・クーリング」、消費電力およびシステム温度を監視できるユーティリティ「PowerExecutive」、ブレード導入前に必要電力をあらかじめシミュレートするツール「パワー・コンフィグレーター」などが含まれている。
ラインナップは、BladeCenterが2way/4コアの「LS21」、4way/8コアの「LS41」の2種類、System xが2way/4コア1Uラック型の「x3455」、同2Uラック型の「x3655」、4way/8コア4Uラック型の「x3755」の3種類が用意される。 中でもユニークなのが「LS41」で、スケーラブルに性能を向上できる「スナップイン」技術を採用。導入時は2way構成のブレードにしておき、追加性能が必要になったときに2wayブレードを追加装着することで、CPU間がHyperTransportで相互接続された4way構成に変わる。 搭載CPUおよび価格などの詳細は、2006年第3四半期に発表が予定されているSocket FタイプのOpteronの発表にあわせて決めるとしている。 ●年内に日本でのOpteronサーバー全体のシェアを2.9%から10%に引き上げ 8月2日に都内で行なわれた発表会では、日本アイ・ビー・エム株式会社 システム製品事業・システムx事業部長 藤本司郎氏が出席し、新製品について説明した。 同氏は、米国でのデータセンターの現状について紹介し、「金融システムで数千枚規模でブレードを導入している企業があるが、発熱および消費電力対するシステムの設計が問題となっている。新製品では次期のOpteronを採用することにより、システム全体としてのワットあたりの性能を向上させただけでなく、Cool Blueというポートフォリオの採用により、システムの消費電力と熱問題を解決できる。今後は科学計算分野メインで使われていたコンピューティングパワーをビジネスにもたらす」とアピールした。 同時に、日本AMDとの協業体制の強化についても発表。「Cool SWAT」と名づけられた営業チームを設立し、主に金融/製造/通信/政府へフォーカスをあて、AMDと共同マーケティング/プロモーション活動を行ない、Opteronサーバーのシェア拡大を目指す。
ゲストとして招かれた日本AMD株式会社 代表取締役社長 David M. Uze(ディビット M.ユーゼ)氏は、「IBMとの技術協業はAMD搭載Aptivaから始まり、今後は2011年の32nmプロセスの開発まで協業する。長年の協業の中で今回の販売についての協業は重要な節目となり、AMDにとって素晴らしいチャンスとなる」と話した。 また、「ワールドワイドでは50%以上、米国市場でも48%以上のx86サーバーがOpteronを採用し、毎月1%シェアが伸びているが、日本ではまだ2.9%しかシェアを獲得していない。IBMとの協業に加えて、他のOEMとの協力の強化により、“アメリカのOpteronの風が日本にも吹いてくる”よう期待し、年内に10%のシェアを目指す」と抱負を語った。 質疑応答では、IntelプラットフォームでCool Blueを採用しなかった理由について問われ、「Intelのサーバー向け“Woodcrest”は、CPU単体としては消費電力が優れるかもしれないが、ユーザーはCPU単体だけで使うわけではない。システム全体としてみたときに、Opteronのほうが優れていると判断したため、採用に踏み切った」(藤本氏)、「クアッドコア世代になると消費電力の差がさらに広がると見込んでいる」(ユーゼ氏)と答えた。 □IBMのホームページ(英文) (2006年8月2日) [Reported by ryu@impress.co.jp]
【PC Watchホームページ】
|
|