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WQXGA/48bitカラーをサポートした「HDMI 1.3」説明会
7月14日 実施 米HDMI Licensingは14日、6月22日(現地時間)に発表されたHDMI(High-Definition Mulitimedia Interface)の新バージョンである「HDMI 1.3」についての説明会を都内で開催した。 HDMI 1.3は、転送速度をこれまでの165MHz(4.95Gbps)から340MHz(10.2Gbps)に高速化し、約2倍以上の情報量の転送を可能にしたディスプレイ/オーディオ統合インターフェイス。 最大解像度が向上し、1080p(WUXGA)から1440p(WQXGA)に引き上げられたほか、リフレッシュレートも120Hzまでをサポート。色深度は従来の30bit(10億色)から48bitに引き上げられ、次世代の色空間規格「xvYCC」に対応した。 オーディオ面も強化され、Blu-rayおよびHD-DVDフォーマットで採用されるロスレスのデジタルサラウンド「Dolby TrueHD」および「DTS-HD」をサポートする。
また、ビデオとオーディオソースの同期機能「Lip Sync」も追加され、ユーザー側で調節しなくても、デバイス間で自動的にレイテンシ情報を送受信し、同期が行なえるようになった。さらに、デジカメなどの携帯機器向けにミニコネクタを新たに策定した。
HDMI搭載機器の市場の現状について、HDMI LicensingのLeslie Chard(レスリー・チャード)社長は、「7月現在、429社がライセンスを受けており、2006年度で約6,000万台のHDMI搭載機器の出荷が見込まれている。アメリカ市場では、DVDプレーヤーの上位機種だけでなく、69ドルの安価なDVDプレーヤーでもHDMIを採用する動きがあり、今後普及速度がますます増加するだろう」と話した。 HDMIの歴史についても振り返り、「HDMI 1.0は2002年12月登場の時点で、1080pおよびUXGA、192kHz/24bit/8チャンネル非圧縮デジタルオーディオをサポートするなど、時代を先取りした最高のソリューションを提供してきた。その後も1.1でDVDオーディオのサポート、1.2でSACDのサポート、1.3でCEC(1つのリモコンで全てのHDMI機器をコントロールできる機能)の定義などを行ない、常に市場のニーズにあわせ革新を続けてきた」と語った。 今後については、「1.3では一通り詰め込める機能はやったと考えており、しばらくこのままでも十分だと考えている。今後何年間かは同じ規格が継続するだろう」とし、今後のロードマップが特に決まっていないことを明らかにした。 HDMI 1.3を搭載する製品としては、PLAYSTATION 3が年内登場予定となっており、同社が把握している限りでは世界初の1.3搭載製品になるとしている。
質疑応答では、下位互換に関する質問がなされ、同氏は「HDMIでは常に相互のバージョンを確認し、そのバージョンで実現できる機能/性能にあわせてそれら調節するため、下位互換性は完全に保たれている」と回答した。 また、UDIなどの競合インターフェイスについては、「UDIはDVIの上位互換で、オーディオの転送はサポートされていないため、企業PC向けのインターフェイスとなる。また、UDIはHDMI、DVIと同じファミリーで、相互運用が可能」とした。 一方、PCでのビデオとオーディオの同期問題については、「NVIDIAやATIが現在積極的にHDMIへの対応を進めているほか、Windows Vistaでは映像と音声の同期が取れるような仕組みを取れるようになる。また、さまざまな機能を1チップに統合することが最近のトレンドとなっており、特に問題視していない」と答えた。 □HDMI Licensingのホームページ (2006年7月14日) [Reported by ryu@impress.co.jp]
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