共同の半導体製造を目指した日の丸ファウンドリ構想が終結 ~45nm以降はプロセスの標準化を進行
6月13日 発表
株式会社日立製作所、株式会社東芝、株式会社ルネサステクノロジの3社が出資し、検討が進められていた半導体ファウンドリの事業化検討が終結した。この計画は通称“日の丸ファウンドリ構想”と呼ばれ、65nmプロセスルール以降の半導体製造について、共同のファウンドリ会社を設立し、単独ではむずかしい巨額の投資を行なうことをめざしていた。
3社は2006年1月に先端プロセス半導体ファウンドリ企画株式会社を設立し、事業化の検討を進めていた。資本金1億円は、日立50.1%、東芝33.4%、ルネサス16.5%の割合で負担していた。
検討の結果、次のような結論を得て、事業化を断念し、6月末をもって解散することとなった。
(1) 65nmの半導体製造に関しては、国内外の半導体ビジネスの状況等を考慮し、事業化を見送ること。
(2) 45nm以降の半導体製造技術に関して、国際競争力強化の観点から、当該プロセス技術の半導体各社間での互換性向上の必要性を踏まえ、各社の設計資産が有効に再利用されるよう、プロセス技術の一定レベルの標準化をめざすことが望ましいこと。
これを受けて、東芝とルネサスの2社に、富士通株式会社とNECエレクトロニクス株式会社が加わり、45nm以降の先端半導体の製造について、プロセス技術の一定レベルの標準化を目指すことが明らかにされた。
標準化によって、各社間のファブの相互利用や集約化の可能性を目指す。今後、技術的な検討を行ない、年末までに標準規格を策定の予定としている。
半導体の製造に必要な投資額はプロセスの微細化とともに増大しており、45nmプロセスの工場建設には、3,000億円以上の投資が必要とされる。日の丸ファウンドリ構想は、共同のファウンドリ会社を設立することで、投資を一元化し、TSMCなどの巨大なファウンドリ会社に対抗することを目的としていた。今回の検討終結により、単独のファウンドリ会社の設立は見送られ、メンバーを入れ替えた上で、緩やかな連合を目指すことになると思われる。
□日立のホームページ
http://www.hitachi.co.jp/
□東芝のホームページ
http://www.toshiba.co.jp/
□ルネサステクノロジのホームページ
http://japan.renesas.com/
□富士通のホームページ
http://jp.fujitsu.com/
□NECエレクトロニクスのホームページ
http://www.necel.com/index_j.html
□事業化検討終結のニュースリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2006/06/0613a.html
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2006_06/pr_j1301.htm
http://japan.renesas.com/fmwk.jsp?cnt=press_release20060613a.htm&fp=/company_info/news_and_events/press_releases
□プロセス標準化に関するニュースリリース
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2006_06/pr_j1302.htm
http://japan.renesas.com/fmwk.jsp?cnt=press_release20060613.htm&fp=/company_info/news_and_events/press_releases
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2006/06/13-2.html
http://www.necel.com/ja/news/archive/0606/1302.html
(2006年6月13日)
[Reported by date@impress.co.jp]
PC Watch編集部
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