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Intelカンファレンスレポート

Core 2 Duoを最大限に活かすIntel 965 Express
モバイル向けSanta Rosaは2007年登場

モバイルの解説を行なったIntel Keith Kressin氏

会期:6月6日~6月10日(現地時間)

会場:Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1/2/3
   Taipei International Convention Center



 6日に行なわれた基調講演に続き、7日にはIntel 965 Expressチップセットの立ち上げイベントならびに、モバイル製品についてのカンファレンスが行なわれた。Intel 965 Expressは、COMPUTEX会場にて解禁されたものの、同社のサイトにはまだ一部の情報しか掲載されていない。そこで、本レポートでは本日のイベントで紹介された内容を交え、チップセットの詳細について紹介したい。

 Intel 965 Expressは、大きくIntel P965 Express(以下、P965)、Intel G965 Express(以下、G965)、Intel Q965 Express(以下、Q965)の3つのバージョンが用意される。いずれも、デスクトップ向けCore 2 Duo(Conroe)用に最適化されたものだが、CPUソケットはLGA775で、現行のPentium 4やPentium Dなどにも対応する。

 逆に、現行のIntel 975X ExpressチップセットもBIOSのアップデートなどは必要だが、仕様としてはCore 2 Duoに対応する。Intel 945 Expressについては、IntelではCore 2 Duoの検証を行なっておらず、サポート対象外となっているが、電気的には対応できる。事実、あるマザーボードメーカー関係者は、Intel 945 Expressでも問題なく動作するだろうと語っている。

 P965はメインストリーム向けで、Intel 945P Expressの後継となる。表面的な違いとしては、対応メモリがDDR2-667/533/400からDDR2-800/667/533に、メモリ最大容量が4GBから8GBに、シリアルATAポート数が4から6に、USB 2.0ポート数が8から10に変わった。

 ICHもICH7からICH8へと変わった。ICH8も、ICH8、ICH8R、ICH8DHの3バージョンがあり、RはRAID機能を搭載し、DHはViivに対応する。

 機能面では、「Fast Memory Access」機能を新たに搭載。メモリの利用状況を監視し、バンド幅を最大限に活かすようアクセスを最適化することで、メモリアクセス性能を向上させる。これにより、Intel 945G Expressと比較し、SpecFP性能はDDR2-667利用時で11%、DDR2-800利用時は18%、Wstream性能はDDR2-667利用時で18%、DDR2-800利用時で23%の性能向上があるという。

 もう1つの新機能は「Quiet System技術」と呼ばれるもの。従来のシステムでは、CPU温度が上昇すると、例えば2,000rpmから3,000rpmへというように、即座にCPUファンの回転数を切り替えていた。これに対し、Quiet System技術では、CPU温度の上昇/下降具合を予測し、段階的にファン回転数を調整する。これにより、ファン回転数の変化を最低限に抑え、同時に騒音も抑える効果がある。

赤が945G、黄色がP965+DDR2-667、緑がP965+DDR2-800 赤い線がファンの回転数。従来のシステムでは、温度変化に応じて、急上昇/急下降しているのが分かる Quiet System技術では、変化がよりなだらか(上グラフの赤線)
P965ブロックダイヤグラム

 G965は、Intel 945G Expressの後継で、P965にビデオ機能を統合させた形となっているが、そのビデオ機能は大きく進化し、名称もGraphics Media Accelerator(GMA) 950からGMA X3000へと飛躍した。

 GMA X3000の特徴として同社が最も声高に叫ぶのは動画の高画質化だ。GAM X3000は、NVIDIAのPureVideo同様に、通常の2D/3D描画エンジンに加え、動画専用のハードウェア回路を内蔵した。

 これにより、MPEG-2 HDの再生支援、デインタレーシング、色合い/彩度/明るさ/コントラストの調整が可能となった。動画回路は機能が固定された部分に加え、プログラマブルなユニットも内蔵し、通常のグラフィック描画と動画再生支援を動的に切り替えられるなど、柔軟な構成となっている。また同社関係者は、ソフトウェアのアップデートにより、MPEG-2以外のフォーマットへの対応も示唆している。このほか、1080pまでのHDMI出力にも対応する。

 これらの機能は総称して「Clear Video技術」と呼ばれ、WinDVDで利用可能になる。3Dグラフィックに関しては、GMAシリーズとして初めてDirectX 9.0cに対応した。

デインタレーシングなし(左)とあり(右)の違い 画質調整はオンスクリーンで行なえる
G965ブロックダイヤグラム

 Q965はビジネス向けと位置づけられ、機能的にはG965とほぼ同等だが、内蔵ビデオが廉価版のGMA 3000となる。また、Q963というさらに下のモデルも用意され、こちらは、外部PCI Express x16や、「Active Management技術」が省略され、メモリもDDR2-667までの対応となる。

Q965ブロックダイヤグラム

 モバイル向けのCore 2 Duoも、現行のCore Duoとピン互換で、当初はIntel 945PM/GM Expressシリーズが利用される。ただし、こちらもやはりBIOSのアップデートなどが必要で、今市場にあるCore Duo用マザーボードを流用できるかどうかは、各マザーボードメーカーからの情報待ちとなるだろう。

 チップセットが変わるのは2007年以降で、Crestline(コードネーム)+ICH8Mチップセットを採用するSanta Rosaプラットフォームへと切り替わる。Santa Rosaでは、内蔵ビデオがDirectX 10に対応するほか、無線部分がIEEE 802.11nとWiMAX(オプション)に対応する予定。また、HDDと併用してNANDフラッシュを利用するRobson技術も実装される。

□COMPUTEX TAIPEI 2006のホームページ(英文)
http://www.computextaipei.com.tw/
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【6月6日】【COMPUTEX】Intel 965チップセットを公式発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0606/comp02.htm
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【3月3日】【海外】Intelの次期チップセットIntel 96xの強力なグラフィックスコア
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(2006年6月8日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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