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インテル、Itaniumの発売5周年を祝うパーティ
6月1日 開催 インテル株式会社は6月1日、Itaniumプロセッサーが2001年5月29日の発売から5周年を迎えたことを記念して、報道関係者を対象に、Itaniumプロセッサの現状と今後の展開についての説明を行ない、同時に発売5周年を祝った。
インテルの吉田和正代表取締役共同社長は、「個人的な話をすれば、私自身、P7と呼ばれていた段階から、オレゴンの開発部隊とともにItaniumに携わってきており、今に至るまでは長い道のりだった。'99年に正式発表してからも、発売が遅れるといった問題が生じたが、2001年にはヒューレット・パッカードやNECの協力で市場に投入することができた。2006年には、それがいよいよデュアルコアの世界に入る。社会インフラを担い、企業のミッションクリティカルを支えるプロセッサとして、ますます進化していくことになる。インテルにとっても、重要な製品であるという位置付けは、ますます深まっていくことになるだろう」と挨拶した。 また、インテルのエンタープライズ・マーケティング統括部長 平野浩介氏は、「私がインテルに入社して以来、もっとも時間をかけているのがItanium」として笑いを誘った後、「最初に“Merced”という開発コードネームを公表した際に、開発コードネームそのものを公表すること事態が珍しいだけでなく、その後ろにTMマークと、プロセッサという表記をつけろと言われ、驚いた」というこぼれ話を披露した。 さらに、「2001年に、初代ItaniumであるMercedを出荷した際に、NEC、日立製作所、日本ユニシスといった企業が日本で積極的にItanium搭載サーバーを投入してくれた。Itaniumのモーメンタムは日本で築かれた」と前置きし、「最新四半期である2006年第1四半期では、日本国内において、SPARCプラットフォームの119%、Powerプラットフォームの109%の出荷金額を記録し、ItaniumがSPARCとPowerを抜いた。発売からわずか5年で、RISCサーバー市場のうち、約30%のシェアを獲得したほか、全世界で出荷されるItanium搭載プラットフォームのうち、31%が日本市場に出荷されている。2007年には、日本において50%のシェアを目指したい」として、日本市場における浸透が、この5年間のItanium普及の原動力になっていることを示した。 同社によると、2006年第1四半期のItanium搭載製品の国内出荷台数は1,349台だという。 さらに、平野氏は、今年夏に出荷を控えた次期ItaniumプロセッサーであるMontecitoについても言及。「2年前のIDFで初めてデモンストレーションを行なったが、この間、時間をかけて、より安定したシステムとして提供できるように改良を加えてきた。Itanium 2プロセッサファミリー上では過去最大のプラットフォーム機能の強化になる」と位置付けた。
一方、Itaniumの普及に取り組んできたシステムメーカーを代表して、「Itonium」のニックネームもついているNECの伊藤行雄執行役員と、HP Worldの会場から駆けつけた日本ヒューレット・パッカード(日本HP)の松本芳武執行役員兼エンタープライズストレージ・サーバ統括本部長の2人が挨拶した。 NECの伊藤執行役員は、「'99年には初めてItaniumを入手してから1カ月後にはWindowsを動作させることができた。“AzusA”(アズサ)と呼ばれるこの試作品は、9月に完成してから、11月には、Microsoftが開発に使いたいといってシアトルに持っていった。最初の試作品はすぐに動いたが、その後、LSIを何度も改良し、製品版が出るまでには1年半もかかった。製品版では、“TX7/AzusA”を最初に投入し、すぐに東北大学が7台を導入した。 2002年には、“AsAmA”(アサマ)の名称でItanium 2プロセッサを搭載した“TX7/i9000”を発表したが、この時に、開発した5種類のLSIが、最初のそのままの形で製品化された。これは画期的なことだと自負している。また、2003年にはそれまでUNIXに独占されていたTPC-Cのベンチマークにおいて、Windowsで性能トップを達成し、その翌年にはLinuxで世界最高性能を実現した。2005年には、IDFにおいて、Montecitoを搭載したAsAmAをデモンストレーションしており、アワードの部門受賞をしている。すでに、Montecitoの準備は万端」などとした。
最後に伊藤執行役員は、「NECにおける2005年のItaniumサーバーの出荷高は前年比3.6倍の167億円に達しており、PA-RISCからの移行が急速に進んでいる。NECは、スーパーコンピュータやメインフレームで培った独自のテクノロジーと、Itaniumのオープンなテクノロジーとを融合し、高性能、高信頼のプラットフォームを提供していく。今後もItaniumのリーディングベンダーとして、次世代のプラットフォームについても、新しい時代を切り開く製品を開発、提供していく」とした。 一方、日本HPの松本執行役員は、「'90年代後半に米国で勤務していた際に、PA-RISCからItaniumへの移行という大きな転換の話を聞いた。今では、約60%がItaniumを搭載したIntegrityサーバーになっており、四半期ごとの推移を見ても、Itanium搭載サーバーでは日本が先行しているのがわかる。日本で、Itaniumが広く受け入れられている証」とした。 さらに、「Montecitoは、TPC-Cのベンチマークにおいて、現行のItanium 2の半分のプロセッサ数で、約25%の性能向上を実現している。また、現行のチップセットであるzx1を進化させたzx2では、さらに性能向上が図られることになる。2006年度は、ブレードシステムにもItaniumを採用し、ローエンドにも広げることで、より多くのユーザーへの採用とともに、仮想化技術により、IT統合に最適なプラットフォームとして、引き続きIntegrityサーバの事業を強力に推進していきたい」とした。
その後、発売5周年を記念した特製ケーキが会場に運び込まれ、インテル 吉田共同社長、NECの伊藤執行役員、日本HPの松本執行役員の3人で、灯がともった5本のローソクを吹き消した。 □インテルのホームページ (2006年6月2日) [Reported by 大河原克行]
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