元麻布春男の週刊PCホットライン

プロセッサナンバから見るIntel Core 2 Duo




●新ブランドCore 2

 Intelは5月8日(日本時間5月9日)、Intel Coreマイクロアーキテクチャに基づくクライアントPC向けプロセッサのブランドを「Intel Core 2 Duo」にすると発表した。また、Pentium Extreme Editionの後継となるエンスージャスト向けのハイエンドプロセッサには、「Intel Core 2 Extreme」という名称が採用される。発売時期は、デスクトップPC向け(開発コード名Conroe)が7月、モバイルPC向け(同Merom)が8月になると、先日のアナリストミーティングで明らかにされている。

 発売時期の早いデスクトップPC向けで約2カ月、モバイルPC向けで約3カ月、それぞれ製品リリースに先立ってのブランド名の発表となった。その理由についてIntelはブランド名が変わる際には「OEMの製品およびカタログ等、準備期間が必要なため」(インテル日本法人広報)としている。たとえばPentium 4プロセッサの場合、このブランド名が発表されたのは2000年6月28日、NetBurstというマイクロアーキテクチャの名前が明らかにされたのが同年8月22日(IDF 2000 Fall USの初日)、製品発表は2000年11月20日であった(いずれも米国時間)。今回のIntel Core 2 Duoの場合、マイクロアーキテクチャの名称発表(2006年3月7日)が先行したが、至近のIDFの開催日との関係(3月7日はIDF 2006 Spring USの初日)があるかもしれない。

 これらのプロセッサに用いられるプロセッサナンバだが、ConroeについてはE6000番台とE4000番台が用いられることが春のIDFで明らかにされている。Eが何の略なのかは不明だが、このプロセッサナンバが企業向けクライアントPCのブランド(vPro)だけでなく、コンシューマー向けPC(Viiv)にも使われることを考えれば、Enterpriseの略ではないのだろう(チップセットはサーバー向けがEで始まるので紛らわしい気もするが)。

 6000番台と4000番台の違いが何であるかは明らかにされていないが、かねてからConroeにはキャッシュサイズのバリエーションが存在するとも言われており、ひょっとすると4000番台はL2キャッシュ容量が少ないのかもしれない(ほかにもプラットフォーム技術のイネーブリングの違いや、FSBクロックの違いが考えられる)。

 発表されているブランド名はIntel Core 2 Duoであり、現時点では「Intel Core 2 Soloは予定されていない」(同)とのことなので、現在のIntel Coreプロセッサ(Yonah)のようにコア数の違いをプロセッサナンバの違い(シングルコアが1000番台、デュアルコアが2000番台)にすることはなさそうだ。アナリストミーティングにおいても、今年の第4四半期にはデュアルコアの比率が75%を超えるとしている(図1)ことから考えて、プレミアムブランドであるIntel Coreプロセッサについては、ほとんどをデュアルコア化する計画なのだと考えられる(バリューブランドであるCeleronをどうするか、現在シングルコアのみとなっているモバイル向けのULV版をどうするか、という疑問は残るが)。

【図1】年内にデュアルコアプロセッサの比率が75%を超える見込み(4月27日に開催されたアナリストミーティングより)。PDF版はこちら

●Core 2 ExtremeはWoodcrest並みの高速動作

 一方、プロセッサナンバの頭文字として、Xも追加される模様だ。Xで始まるプロセッサはTDPが75W以上とされており、Intel Core 2 Extremeに使用されると思われる(XはeXtremeの略なのだろう)。組み合わせられる数字は不明だが、Meromが5000番台と7000番台を使うと言われていることから考えて、8000番台か9000番台のいずれかになることはほぼ間違いない。

 これまでIntelは、デスクトップPC向けプロセッサのTDP目標値を65Wとしていたことから考えて、Intel Core 2 Duo E6000/E4000のTDPは65Wクラスだと考えられる。一方、サーバー向けWoodcrestのTDP目標値は80Wとされており、FSBが1,333MHzまで引き上げられることが明らかにされている。これらを考え合わせると、Intel Core 2 Extremeは、Woodcrest並のFSBクロックを持つデスクトップPC向けプロセッサと推定するのが最も妥当なように思われる。Woodcrestとの違いはパッケージ(LGA775とLGA771)とDP構成サポートの有無、ということになりそうだ。

 これまでIntelのプロセッサは、デスクトップPC向けはPentium 4、モバイルPC向けはPentium Mと、マイクロアーキテクチャもブランディングも異なっていた。今回の発表で、クライアントPCに関しては、マイクロアーキテクチャもブランディングも統一されることになる。

□関連記事
Intelプロセッサ・ナンバ一覧表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/modelno/intel.htm
【5月8日】Intel、次期CPU“Conroe/Merom”の製品名を「Core 2 Duo」に決定
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0509/intel.htm

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(2006年5月10日)

[Reported by 元麻布春男]


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