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Vistaの発売延期は影響なし
~Dellのマイケル・デル会長が言及

マイケル・デル会長

3月24日 開催



 米Dellのマイケル・デル会長が来日し、最近のDellの取り組みや、日本における成果などについて言及した。

 その中でマイケル・デル会長は、コンシューマ向けWindows Vistaの発売が2007年1月にずれ込んだことに関して、「正直なところ、あまり驚かなかった」と前置きし、「当社は、85%がビジネス向けであり、コンシューマ向けは15%に留まる。11月という発売時期は、あまり的確でなかったともいえ、来年1月になった方が万全な準備ができる。Microsoftにとっても、完成度の高いものが提供できることは意味が大きい」と語り、同社のコンシューマPC事業への影響が少ないことを強調した。

 また、同席した日本法人の浜田宏社長も、「日本でも同様に、85%がビジネス向けであり、コンシューマ向けWindows Vistaの発売延期によるインパクトは少ない」とした。

浜田宏社長

 ただし、デル会長は「Windows Vistaは、Windows XPから大幅な改善が行なわれており、デュアルコアやフラットパネルディスプレイとの組み合わせによって、これまでの世代とは使い方が大きく変化する。Vistaの発売は、大きなインパクトを与えるイベントになるだろう」とも語った。

 一方、最近話題を集めているAMDのCPUの採用については、「Intelとの契約は、独占的なものではない。新しいメリットを出せるものであれば、どんなものでも可能性はある」と語り、今後の採用に前向きである姿勢を見せた。

 また、4月に社長を退く浜田宏社長については、「11年間に渡って、Dellで仕事をしてもらった。'95年時点では日本で第9位だったDellを、第3位のシェアにまで引き上げ、社長在任の6年間で売り上げ高を5倍に成長させた。この貢献には感謝したい」と労をねぎらった。

 浜田社長も、「Dellでやってきたことは、電話でのダイレクトセールスやPCのオンサイトサービス、BTO、インターネット販売など、すべて初めてのことばかりで、いい体験をさせていただいた。私はITの民主化ということを繰り返して言ってきたが、Dellのシェアが上昇したということは、それが浸透し始めた証だといえる。私自身の生き方や志があり、今回、わがままを聞いていただいた。今後も顧問として、Dellファミリーの一員として成長を支援していきたい」と語った。

 今回の会見では、Dellの事業が、引き続き世界規模で成長していることや、日本における成長も高いことがデル会長から示された。

 デル会長は、「IDCの調査によると、全世界のIT市場はユニットベースで16%の成長を遂げているが、Dellはそれを上回る実績となっている」と語り、「1月までの2006年度実績ではユニットベースで41%の成長を遂げた。売上高でも14%の成長となっている。特に、第4四半期は26%の成長となり、サーバーは10%、ソフトおよび周辺機器も22%の成長となった。世界のシェアも25%に達している。サービス事業では、180カ国で52,000人以上の社員が働き、5つのコマンドセンターと、350のパーツセンターがある。顧客満足度についても高い評価を得ている」と、Dellの好調ぶりを示した。

 同社によると、全世界では業界初となる3,700万台以上を出荷。第4四半期は1,000万台以上を出荷したという。また、「'96年には53億ドルだった全社売上高は、2006年には560億ドルと、10倍以上の成長となっている。日本でも、過去5年間で30億ドルの事業規模が66億ドルに成長している」と語った。

 2006年におけるDellの日本国内のシェアは、13.2%と第3位。「対前年成長率はユニットベースで20%増となっており、トップ5の企業の中で最も高い成長率となっている。Dellを除く業界全体の成長率は8%でしかなく、Dellは業界全体に比べて2.5倍の成長を遂げている」とした。売上高ベースでのDellの日本法人の成長率は16%だったという。

 日本においては、各種顧客満足度調査で、他社に首位を明け渡しているが、「サービス事業は70%増という高い伸びを見せており、顧客向けのサービス対応力をさらに強化している。2005年11月に、宮崎にカスタマーセンターをオープンしたが、すでに250人体制で稼働している。2006年の終わりにはこれを500人体制に増強するが、これは1年前倒しでの増員計画となる。今後5年間で1,000人規模に増員させ、川崎のカスタマーセンター、中国・大連のカスタマーセンターも維持しながら、サービスレベルを向上させたい」とした。

日本市場でのDellのシェア推移 世界市場での2005年のシェア 日本における最重要事項

 浜田社長も、「日本においては最優先課題は顧客満足度の向上。この拡大に向けて、支援を続けたい」と語った。

 デル会長は、「2008年には全世界のIT市場の規模は、1兆8,000億ドル(約207兆円)と試算しており、まだまだ成長の余地がある」と、今後の継続的な事業拡大に意欲を見せた。

 一方、4月から日本法人の社長に就任するジム・メリット氏については、「7年間に渡り、Dellで仕事をしており、彼の能力を生かすチャンスだと考えた。Dellの日本法人にも強力なチームがあり、日本でリーダーシップを発揮し、成長を維持してくれると期待している」(Dell会長)とした。

 なお、4月にもメリット新社長と浜田社長が、報道関係者を対象に会見を行なう予定。

□デルのホームページ
http://www.dell.co.jp/
□関連記事
【3月22日】Microsoft、個人向けWindows Vistaを2007年1月に延期
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0322/ms.htm

(2006年3月24日)

[Reported by 大河原克行]

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