939SLI32-eSATA2は、ULi M1695+M1697を搭載するATXマザーボード。同チップセットは、NVIDIAのnForce4 SLI X16のように、M1697がほとんどの機能を提供し、M1695は追加のPCI Express x16用に実装されている。これにより、2基搭載するPCI Expressがx16で接続されているのに加え、SLIに対応するところまでnForce4 SLI X16と共通だ。
これまでも、非NVIDIAチップセットや、NVIDIA製非SLI対応チップセットを利用しながらも、独自の改良でSLI対応を謳うマザーボードはいくつかあった。939SLI32-eSATA2についても、NVIDIAは自社チップセット以外でSLIを公式には認めていない。だが、先だってNVIDIAがULiを買収したことにより、非公式という不安(例えばNVIDIAの将来のドライバでブロックされてしまうなど)は薄れたと言っていいだろう。
もう1つの特徴は、「Future CPU Port」と呼ばれる、独自のスロットを装備し、近い将来登場予定のSocket AM2およびDDR2へのアップグレードパスが用意されている。チップセットは流用でき、アップグレード用カードにはCPUとメモリのソケットだけを搭載されると思われることから、カードの価格は安価になるものと予想される。
I/Oポートに目を向けると、最近流行の兆しがあるeSATAポートを2基装備。なお、eSATA利用時は、内蔵用ポートからケーブルを引き回すことになり、排他利用となる。
チップセットにはヒートシンクのみが搭載され、騒音を発しないのは好ましいが、嵩が高いため、TVチューナカードなど長さのあるPCIカードは干渉してしまうことがある。そういった場合は、ヒートシンクを薄型のものなどに自分で取り替える必要がある。
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