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CeBIT 2006レポート【やじうま編】

40万円のUSBメモリや250万円のMP3プレーヤーなど

NECが開発中の「PaPeRo」も、同社のブースでデモ。挨拶などは日本語、英語、ドイツ語、スペイン語の4カ国語で返答してくれる。ただ、こちら語りかける言葉は日本語しか認識しないため、ドイツ人スタッフがあんちょこを手に「オドッテ」とか「コンニチハ」などと日本語で語りかけていた

会期:3月9日~15日(現地時間)

会場:独ハノーバー市ハノーバーメッセ(Hannover Messe)



 CeBITレポートの締めくくりとして、会場で見かけた気になった製品や一風変わった製品を紹介したい。

●言花など未来インターフェイスを展示するNEC

 NECブースの一角には近未来のインターフェイスをイメージした製品のコンセプトモデルを展示している。「言花(ことはな)」は、人の感情を伝える通信端末。花のような形をしており、ユーザーが言葉を発すると感情を読み取り、感情に応じて花の部分の色が変化する。

 ユニークなのは感情の検知に発話のトーンやリズムを使っている点で、これにより言語に依存せず感情を読み取ることができる。実際に、ブースを訪れた各国の人に試してみてもらったところ6~7割の確率で当たったという。

 「AXES」は、より直感的な検索を行なうためのデバイス。円形をしており周辺に6個のつまみがある。検索で入力した言葉に対して、つまみを回すことでその言葉の重要度を変化させることで、意図した検索結果を導くことができるようになるというもの。イメージとしてはPCの画面の中に直接手を入れて操作するといった感覚。

 このほか、燃料電池と透明ボディを採用したファッショナブルな未来型携帯電話「Flask」などが展示されていた。

やや写真では切れてしまっているが、右に写っている花のようなものが言現花の本体で、左側の液晶付きのデバイスは、感情検知の結果を分かりやすくするために設置されたもの AXES。片手に収まるサイズで、片手で握りながら、残りの手でつまみを操作する Flask

●GIGABYTEは往年の製品を年表風に展示

 NECが未来のテクノロジーを披露する一方で、GIGABYTEは同社初の製品であるメモリボードから、Intel 386プロセッサ搭載マザーボードなど、過去の製品をブースの壁に一挙に展示。感慨深そうにしげしげと眺める来場者も多かった。

 また、東芝は世界初のモバイルPC「T1100」を、Commodoreは「Commodore 64」を展示。昨年のCeBITでは往年のゲーム機の展示コーナーも設けられていたが、こういったなつかし製品の展示が今のCeBITの流行りの1つなのだろうか。

GIGABYTE初の製品であるメモリボード。製造は'87年 同社初のマザーボードはIntel 386搭載。製造は'91年 このように往年の製品が一堂に展示されていた
'85年発売の世界初の東芝製モバイルPC「T1100」。CPUはIntel 80C88、ディスプレイは640×200ドット表示で、重量は4.1kg Commodore 64

●AOpenのmini PCが外観変更?

 AOpenのブースに置かれていたのは「mini PC MP915-X」と「同MP945-VX」。両方とも同じ筐体を採用しているのだが、MP915-Xの方は、外観以外の仕様がMac mini似の「MP915-B」と全く同じ。サイズや光学ドライブのスロットの位置なども同じであることから、筐体デザインだけを変えたようである。この製品は同社の最新カタログにも掲載されているが、MP915-Bの方は載っていない。やはり、意匠的に問題があったのだろうか……。

 なお、MP945-VXの方は、Intel 945GT Expressチップセット、Core Duoプロセッサを採用したViiv準拠製品となっている。

mini PC MP945-VX。既存のMac mini風筐体でこの製品を出して欲しかったユーザーも少なくないのでは? 搭載マザーボード

●USBメモリやMP3プレイヤーに高級化の流れ

 オランダに本社を置くSpecs Promoのブースでは、14カラットの金に5個のダイヤモンドをあしらったUSBメモリを出品している。販売価格は2,950ユーロで、140円/ユーロで換算すると413,000円にもなる。重量は35gとのことで、持ってみると確かに重みを感じさせる一品。展示された製品の容量は1GBで、2GBのモデルも用意されているとのこと。

 余談ではあるが、この製品を展示していたブースは、CeBITのブースとしては最小サイズのパーティションで担当者は1名のみ。本製品の紹介看板を指して尋ねてみると、担当者のポケットから現物が出てくるといった次第。製品の高級感と展示方法のギャップにも驚かされる。

 似たような製品を展示していたのがTREKSTARだ。同社のMP3プレイヤーであるi.Beat organixをベースに、18カラットの金と、統計1カラットに及ぶ63個のダイヤモンドを液晶周辺に埋め込むという、見るからに超高級な製品。価格は20,000ドルとしており、125円/ドル換算で250万円となる。

 F1チームのミッドランドからの依頼で作り始めたのがそもそもの始まりだそうで、ショーケースの脇には同チームのF1マシンも展示され、注目を集めていた。が、今回展示されたのはダミーだそうで、脇にセキュリティを配置したのも「本物に見えるように」だとか。先のSpecs Promoとは、実に対照的な展示方法である。

14カラットの金と5個のダイヤモンドで作られたUSBメモリ。意外と普通の見た目だが、価格は40万円を超える TREKSTARが展示した250万円前後のMP3プレイヤー「i.Beat organix GOLD」。容量は1GB サングラスをかけたセキュリティが目を光らせているが、展示品はダミー。コンパニオンのお姉さんにお菓子をもらってニコニコしていたり、写真に収まるのをOKしてくれるなど、言われてみれば確かに“らしくない”セキュリティではあった

●ガラスの上でも使える光学マウス?

 まずは下の2枚の写真を見て欲しい。このマウス、一見するとチープな作りの光学マウス。通常の光学マウスは光を接地面に照射し、その反射した模様をイメージセンサーが読み取って、動きを検知する。つまり、光が反射する場所であることが利用の最低条件となるわけだ。

 だが、「Try!」と書かれた用紙とともに展示された本製品は、ガラスケースの上に置かれている。実際に試したみたのだが、確かにガラスの上でも問題なく利用できる。

 ということで、ブースの人に種明かしをしてもらうと、裏面の光の正体は実は光るボールなのだという。裏返すと奥に引っ込むため、一見すると光学マウスに見えるという仕組み。従来のボールマウスのようにローラーはなく、光るボールの動きを内部のイメージセンサーで読み取らせているとのことで、光学マウスであるとも、そうではないとも言い切れないユニークな製品である。

ガラスケースの上に置かれた、真っ白でなんの変哲もない普通のマウス 光学マウスにしてはセンサーがなく、ボールマウスにしてはローラーがない不思議な裏面

●リサイクル人力車などそのほか

 そのほか変わったものたちを写真で紹介する。

電子機器のリサイクルを生業とするEXITCOMのブースでは、CPUやマザーボードをリサイクルして作られた人力車を展示 フロント部はSocket 7世代のCPUが中心。「Pentium w/MMX」のサインがノスタルジーを感じさせる 荷台の部分はSocket 370/A、Slot1あたりのマザーボードで構成。こちらには、ECSのK7S5Aなど今でも現役で使われてそうな製品が見られる
POINT OF VIEWのブースで展示されたBAT CASE。Extreme Lian Liと呼ばれる、Lian-Li製ケース2つを結合させたオリジナルケースで、作成したのはドイツのケースモデリングキングになったED BUIJS氏 Asetekのブースで展示された、Pentium 4を5.46GHz動作させるデモ。CPUをガス冷キットである「VapoChill」、チップセットとビデオカード(Radeon X1900 XTX)を水冷キットの「WaterChill」で冷却している リアルタイムモニターの画面。定格が800MHz×19(3.8GHz)動作のPentium 4を使い、FSBを1,150MHzにアップしているのが分かる。それでもCPU温度は低すぎてグラフに表示されていない

□Cebit 2006のホームページ(英文)
http://www.cebit.de/
□関連記事
【2005年11月28日】エーオープン、Mac miniライクな超小型ベアボーン「MP915-B」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/1128/aopen.htm

(2006年3月15日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp/多和田新也]

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