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NVIDIA、GeForce 7900のデモを公開
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NVIDIAのデモ「Dino Bones」 |
3月14日 実施
米NVIDIAは14日、9日に発表されたDirectX 9対応最新GPU「GeForce 7900 GTX」の製品説明会を都内で開催。説明会ではGeForce 7900を利用したゲームデモが行なわれたほか、PureVideo、Quad SLIのシステムについても説明された。
●GeForce 7900はExtreme HDにフォーカスした製品
冒頭で挨拶をした日本・韓国担当マーケティングディレクター 飯田慶太氏は、「DellやAppleから、2,560×1,600ドット(Extreme HD)の解像度に対応した30型ディスプレイが出荷されており、2006年はディスプレイの低価格化と高解像度化が必至だ。GeForce 7900シリーズはこのような高解像度ディスプレイにおいてもゲームや動画再生をスムーズに行なえるように設計されており、我々は市場にマッチした製品を提供する」と語った。
日本・韓国担当マーケティングディレクター 飯田慶太氏 | 2006年は大型液晶ディスプレイ、Blu-rayやHD DVDなどのHDコンテンツ、Windows Vistaの登場により市場が大きく変化 | 解像度1,920×1,200ドットのHalf Life 2では視野が20%広がり、画像も精細になる |
製品説明を担当したデスクトップGPU部門 SLI製品担当マネージャ クリス・ダニエル(Chris Daniel)氏は、競合製品であるRadeon X1900 XTXやRadeon X1800 XL、Radeon X1600 XTとベンチマーク結果を比較し、「我々の製品はトップツーボトムで性能が優れているだけでなく、競合製品より低価格でユーザーに提供できる」とアピールした。
続いて同氏は、新しい2つのデモプログラムを披露。1つ目の「Geo Form」は、液体のような物体が離れたりくっついたりし、材質や光の透過などがリアルタイムに変化するというもの。3Dモデル自体はそれほど複雑ではないが、さまざまなマッピング手法やHDRレンダリングを駆使することにより再現しているという。
【動画】音楽が流れるとさまざまに変化する「Geo Form」デモ(WMV/約2.8MB) | 【動画】Geo Formの解説(WMV/約4.7MB) |
もう1つのデモ「Dino Bones」は、ドーム状の部屋に恐竜の化石が展示されたシーンを再現したプログラム。ドアや壁などにはバンプマッピングなどの手法が使われているほか、建物の柱の影はソフトシャドウ、大理石の床はシェーダープログラムによりリアルに再現している。また、空の光やレンズフレアなどの特殊効果はHDRレンダリングによって実現しているという。
続けて、恐竜の化石に岩をぶつけてバラバラと砕け散るシーンも見せた。同氏は、「このシーンではCPUの負担を減らすために、HAVOKと共同開発した物理エンジンを採用し、GPU側で物理演算を行なっている」と説明した。
【動画】「Dino Bones」の解説(WMV/約14.2MB) | レンズフレアもHDRレンダリングにより実現 |
また、実際のゲームのデモとして、2006年度中にサービスが開始する予定のMMORPG「グラナド・エスパダ」が公開された。説明にあたったハンビットユビキタスエンターテインメント 事業推進部 樫木史郎氏は、「NVIDIAとの綿密な連携により、開発が意図したとおりのグラフィックスが実現できた。まもなく日本でも正式サービスが開始するので、期待していただきたい」と述べた。
ハンビットユビキタスエンターテインメント 事業推進部 樫木史郎氏 | MMORPG「グラナド・エスパダ」のデモ(WMV/約18.7MB) |
●PureVideo、Quad SLIの解説も
GeForce 6/7シリーズに搭載されているPureVideoについても説明がなされ、ダニエル氏は、「競合製品と比較し、PureVideoではさらにCPU負荷を下げることができる。HD逆テレシネやHDインターレース解除により、よりよいHDビデオをユーザーが体験することができるだろう」とアピールした。
PureVideoをOFFにしたときのCPU使用率。60%前後になっている | PureVideoをONにしたときのCPU使用率。20~30%程度に抑えられる | NVIDIA製品とATI製品のCPU使用率の比較 |
GeForce 7900シリーズでサポートしているQuad SLIについても説明。同氏によれば、Quad SLIシステムに採用されているビデオカードのコアクロックは500MHz、メモリクロックは1.2GHzで動作しているという。
Quad SLIでは新たに4つのGPUが自動的にロードバランシングを行ない1つのフレームを描画する“4-way SFR”、1つのGPUごとに1つのフレームを順番に描画する“4-way AFR”、2つのGPUが1組となり1つのフレームを交互に描画する“AFR of SFR”の3つの設定を追加しているほか、32x AAも利用可能になる。同氏は、「これによりユーザーはかつてないパフォーマンスと画像を体験することができる」とアピールした。
また、「SLIはCrossFireと違い、多くのゲームで動作検証を行なっている。これも他社に対するアドバンテージになるだろう」と話した。
SLIの主な特徴 | 4-way SFRでは4つのGPUが1つのフレームを描画 |
4-way AFRは1つのGPUごとに1つのフレームを順番に描画 | AFR of SFRでは2つのGPUが1組となり1つのフレームを交互に描画 |
質疑応答では、GeForce 7900シリーズのトランジスタ数について質問がなされ、飯田氏は、「7800シリーズでは3億200万トランジスタだったが、7900シリーズでは2億7,800万トランジスタに減らした。7900シリーズのダイサイズは190平方mmだが、これはプロセスが進化したことにより小型化しているだけでなく、効率のよいアーキテクチャとなるよう再設計したから実現できたことだ」と答えた。
また、Quad SLIに対応したビデオカードの発売予定について、同氏は、「まずはシステムビルダーに提供し、電源やシャーシへの要求を十分に検証し、ユーザーの反応を見てから投入したい」と説明した。
会場に展示されていたリードテックのGeForce 7900/7600製品 | エルザジャパンの「GLADIAC 979 GTX Silent 512MB」 | サードウェーブのQuad SLI搭載PC |
□NVIDIAのホームページ(英文)
http://www.nvidia.com
□製品情報
http://www.nvidia.com/page/geforce_7900.html
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0311/cebit06.htm
【3月10日】NVIDIA、90nmプロセス採用の最上位GPU「GeForce 7900」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0310/nvidia.htm
【3月10日】【多和田】90nm化でクロックアップしたGeForce 7900
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0310/tawada71.htm
(2006年3月14日)
[Reported by ryu@impress.co.jp]