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CeBIT 2006カンファレンスレポート

GeForce 7900は“Extreme HD”を実現するための製品
~NVIDIAカンファレンスレポート

会期:3月9日~15日(現地時間)

会場:独ハノーバー市ハノーバーメッセ(Hannover Messe)



 NVIDIAは9日(現地時間)、GeForce 7900シリーズをはじめとする一連の製品の発表会を開催した。一般的にイベント会場での発表会では、現地の担当者がプレゼンを行なうことも多いが、NVIDIAは新製品の本社開発担当者を勢揃いさせ、それぞれの担当製品を紹介させるという、力の入った発表会だった。

●Extreme HDを実現するGPU

Ujesh Desai氏

 GeForce 7900/7600シリーズの説明は、デスクトップGPU部門のGeneral ManagerであるUjesh Desai氏が行なった。Desai氏によれば、「今年、すべてのハイエンドPCは“Extreme HDゲーム/ビデオ」に対応するという。

 ここで言うExtreme HDとは、HDをさらに超える超高解像度のこと。最近、HDという言葉は乱発されつつあり、1,024×768ドット程度でもHDとされることがあるが、本当は1,680×1,050ドットのことを指す。そして、Extreme HDとはそれを上回る1,920×1,200ドットや、2,560×1,600ドットといった解像度を表わすNVIDIAの造語。

 最近になり、これらExtreme HDに対応した液晶ディスプレイや、プロジェクターが増えて来た。そこにGeForce 7900を組み合わせることで、この解像度でストレスなくゲームや動画を楽しむことが可能になるというのが同社のメッセージだ。

 果たしてそこまでの解像度が必要なのかという疑問もあるが、これについてDesai氏は一例としてFPSにおける変化を挙げ、1,600×1,200ドットから1,920×1,200ドットにすることで、それまで画面に入りきらなかったオブジェクトが見えるようになり、より素早い対応が可能になるとした。

 また、オンラインRPGでも、チャットウィンドウやツールバーなどをたくさん広げても、プレイ画面をふさがなくなるといったメリットも紹介した。

 FPSでは、反応性(=フレームレート)が重要となるため、同じフレームレートを維持できるという条件がつくが、そこまでシビアでないオンラインRPGであれば、画面が広がることによる恩恵は大きいだろう。

解像度の違いによる画面サイズの変化 1,600×1,200ドット(左)から1,920×1,200ドット(右)に変えると、それまで表示されていなかったオブジェクトが表示されるようになる
オンラインRGPでは、解像度を上げることで、各種ウィンドウを多数表示しても邪魔にならなくなる 約10年前に登場した初代Doom(320×240ドット)とExtreme HD(2,560×1,600ドット)との画面サイズの違い

 ここで2つの新しいデモが紹介された。1つめは「Geo Form」と呼ばれるもので、球状の物体がくっついたり離れたりを繰り返しながら、材質が次々変化していくというもの。ポリゴン自体はシンプルだが、シェーダープログラムを駆使することでリアルな表現を実現していた。

 このデモを紹介しながらDesai氏は、「GeForce 7はHDRを使うとAAが効かなくなると思っている人もいるが、このようにHDRを使いながらでもAAは有効になる」とコメント。HDRをONにしてAAが効かなくなるのはソフトウェア側の実装に問題があるとした。

 なお、このGeo Formは今後同社サイトで公開されるほか、iTunesおよびWinampのビジュアルエフェクトプラグイン版も用意されるという。

Geo Form HDRにより奥の光源からの光が、手前のオブジェクトのエッジから漏れる様子が表現されている。また、オブジェクトの内部で反射する光もシミュレートしており、光源の正面にあるオブジェクトは赤みがかっている ややでこぼこしたのも含め、質感の表現はすべてシェーダープログラムで表現されている

 もう1つのデモは「Dino Bones」と呼ばれるもので、博物館のような場所に恐竜の化石が展示されている。これもHDRを効果的に使っており、天井から差し込む光の様子が美しい。レンズフレアについても、単純な丸や直線を使ったものではなく、より現実に近づくようプログラムされている。

Dino Bones。天井から差し込む光によるレンズフレアもより現実的に表現 単純そうに見える床も、大理石の質感や反射の表現を行なうのに500ものシェーダー命令を使用しているという パラメータ1つで夜景にも変更できる

●ノートPCでSLI

 ノートPCについては、ノートブックGPU担当Senior Product ManagerのJerry Chen氏がノートPCにおけるSLIの実装について語った。

 ノートPCのSLIは、チップセットにnForce4 SLIを使い、GPUを2個基板上に直接実装するか、MXMを使う形になっており、デスクトップと同じだ。当然、実装面積や廃熱の問題からそれに相応する大きさの筐体が必要となり、会場に展示されていたデモ機も17型クラスの液晶を搭載していた。

 Chen氏も、「ノートPC SLIがすべての人に必要とされているとは思わない」としており、自分のPCを持ち寄ってゲーム対戦を楽しむLAN Party向けの製品だとした。

Jerry Chen氏 SLIノートPCのマザーボード SLIノートPCは発表と同時に発売される

 もう1つ、ノートPC関連では、ビデオ統合チップセット「GeForce Go 6100/nForce Go 430」がDirector of Mobile Product ManagementのBill Henry氏から発表された。デスクトップ向けのGeForce 6100をそのままモバイル向けに改良した形で、統合型チップセットとして初めてShader Model 3.0に対応したものとなる。

 加えてHenry氏は同チップセットが「Windows Vista Premium対応および、HDビデオ対応、90nmプロセスの採用についても初となる統合型チップセットであるで、一切の妥協を廃した」とした。

 同チップセットもPureVideo機能を搭載し、動画再生支援を行なう。これにより、動画再生時のCPU負荷を減らし、バッテリ駆動時間の延長にも寄与するという。

 なお、対応CPUはAMDプロセッサのみで、Intelプロセッサ対応版については現時点で予定がないという。

Bill Henry氏 GeForce Go 6100/nForce Go 430のブロックダイヤグラム GeForce Go 6100/nForce Go 430の特徴

□Cebit 2006のホームページ(英文)
http://www.cebit.de/
□関連記事
【3月10日】NVIDIA、90nmプロセス採用の最上位GPU「GeForce 7900」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0310/nvidia.htm

(2006年3月11日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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