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Macworld Conference&Expo San Francisco 2006

Intel Core Duo搭載Mac、ファーストインプレッション
~必ずしもすべてが上位仕様ではないMacBook Pro

会期:1月10日~13日(現地時間)

会場:San Francisco The Moscone Center



 展示ホールのApple Computerブースでは、今回発表された2機種のCore Duo搭載Macに実際に触れることができる。

 同日から出荷が始まっているiMacは製品版として展示されているが、2月からの出荷となるMacBook Proについてはブースで説明を行なっているスタッフも完成品ではないという意識が強いのか、やや歯切れが悪い部分が残っている。特に、バッテリ持続時間については、どのスタッフも明確なコメントは避ける傾向にある。

 MacBook Proについては、最初に既存のPowerBook G4とのスペック比較を見てもらおう。

MacBook ProMacBook ProPowerBook G4
搭載CPUIntel Core DuoIntel Core DuoPowerPC G4
CPUクロック1.67GHz1.83GHz1.67GHz
2次キャッシュ2MB2MB512KB
システムバス667MHz667MHz167MHz
搭載メモリ(標準容量/最大容量)DDR2(PC2-5300)667MHz (512MB/2GB)DDR2(PC2-5300)667MHz (1GB/2GB)DDR2(PC2-4200)333MHz (512MB/2GB)
HDD容量(5,400rpm)80GB100GB80GB
光学式ドライブ8倍速SuperDrive8倍速SuperDrive8倍速SuperDrive(DVD+R DL対応)
液晶パネル対角15.4インチ対角15.4インチ対角15.2インチ
最大解像度1,440×900ドット1,440×900ドット1,440×960ドット
GPUATI Mobility Radeon X1600ATI Mobility Radeon X1600ATI Mobility Radeon9700
ビデオメモリ128MB GDDR3(Dual Link DVI対応)256MB GDDR3(Dual Link DVI対応)128MB(Dual Link DVI対応)
サイズ(幅×奥行き×高さ)mm357×243×25.9357×243×25.9348×241×28mm
重量2.54kg2.54kg2.5kg
AppleStore価格249,800円309,800円244,800円

 15型とひと口に言ってしまうと同じように聞こえるが、液晶パネルのサイズと解像度はPowerBook G4とは微妙に異なっている。使用しているパネルは対角が15.2インチから15.4インチへとやや大きくなったが、MacBook Proは、縦のピクセル数は60ピクセル少なくなり、画面縦横比は16:10となった。そのため本体サイズも少々変わり、ほんの一回りだがMacBook Proのほうがフットプリントは大きい。

 本体厚は従来の15型に比べて約2mm薄くなっているが、これまで最薄の製品だった17型PowerBook G4の2.6cmと比べると0.1mmだけ薄くなったことになる。公式ページに、小数点以下2桁までの記載があるのは、こうしたこだわりがあるからだ。

Apple Computerブースに展示されているMacBook Pro。プレゼンテーションシアターの正面に展示エリアがある

 CPUの高速化にあわせて、メモリまわりも高速化。GPUも妥当なアップグレードを遂げている。一方で光学式ドライブは、PowerBook G4でサポートされていたDVD+R DL対応がなくなって一層のみの対応になるなど、必ずしもすべての仕様がPowerBook G4の上位に位置づけられているわけではない。

 前述したとおり、バッテリ持続時間については現時点では未発表。リチウムイオンからリチウムポリマーへ変更され、バッテリ容量も50W/hから60W/hになった。付属するACアダプタもPowerBook G4では65Wであるのに対し、MacBook Proは85Wのアダプタが付属している。実際、ブースの展示の仕方の影響も大きいとは思うが、MacBook Proのパームレスト部分はかなり暖かくなっている。

 ジョブズCEOの基調講演にあったようにワット当たりの効率を比較するなら、同じパフォーマンスを得るには1/4の電力で事足りる。講演では4~5倍の性能と言っているわけで、つまり従来の4倍の性能をこれまで同等の電力消費で得ると言うことだ。つまりバッテリ持続時間は、PowerBook G4程度には期待が持てそうではあるが突然2倍や3倍の数字が出てくるというわけではない。液晶パネルの高輝度化などもあり、実際にどうなるかは同社の正式な発表を待つしかなさそうだ。

 インターフェイス周りの変更は、速報でもお伝えしているとおりFireWire 800(IEEE 1394b)のポートが廃止された。ブースでこのことを質問すると、800Mbpsでの接続がどうしても必要な場合はExpressCardでの対応を勧められる。

 他に廃止されたインターフェイスには、アナログモデムポートがある。これは現状を考えれば妥当といえる。どうしても必要なユーザーに向けて、純正のUSBモデムが別売されている。またSビデオ出力もなくなるなど、インターフェイス類はかなり整理された印象が強い。

 内部的には同社のポータブル機としては初めてPCI Expressを採用。これにともなってGPUもPCI Express接続のATI Mobility Radeon X1600になっている。カードスロットも初めてExpressCardスロットを採用した。ExpressCardスロットは34mmサイズでの対応。イジェクトボタンはなく、展示ホールの説明員によればソフトウェアイジェクトであろうと言うことだが、実際には試せていない。

 一方でACアダプタの接続に磁石による吸着を利用する「MagSafe」を採用した。コードに足を引っかけるなどの事故を防ぐ目的がある。実際に着脱を行なってみると、磁力はかなり強めで、着脱にはある程度の力が必要で使用中に不用意に抜けるようなことはないと思われる。もちろん実際にコードに足を引っかければ容易に外れるのは間違いない。

 ACアダプタの接続時に緑のLEDが点灯するのは展示でも確認している。従来アダプタでは、バッテリの充電中はオレンジ、満充電状態で緑の点灯が行なわれる仕様となっており、新アダプタでもこの仕様が継続されていると説明されているが、まだ確認はできてない。

 ラッチの複数化は、上部中央にiSightカメラを設置したためだが、開閉における安心感が増したと言う点でもメリットは大きい。


従来のPowerBook G4と遠目には見分けがつきにくいMacBook Pro 液晶パネルを閉じた様子。発光するAppleロゴも従来どおり MacBook ProとPowerBook G4を重ねてみた。下にあるのがPowerBook G4。およそ1cmほどMacBook Proのほうが横幅があるのが分かる

こちらは重ねた左側面。上がMacBook Proのインターフェイス。ExpressCard/34のスロットにはイジェクトボタンがないのが分かる 重ねた右側面。上がMacBook Pro。FireWire800とSビデオ出力がなくなっている ヒンジ部分の色が違っているのが分かるだろうか? PowerBook G4では液晶パネル側面に位置するAirMacとBlutoothのアンテナがあるプラスチックパーツの部分が、MacBook Proではヒンジ部分に移動している

底面のリチウムポリマーバッテリ部分。デザイン的にはこれまで17型PowerBook G4で採用されていたものに近い。バッテリ容量は、60W/h 磁石で吸着するACアダプタのケーブル「MagSafe」 左端がMagSafeのコネクタ。コネクタに上下の区別はなく、どちら側でもそのまま接続できる

ブースに展示されているのは見慣れたiMacの姿。来場者の質問も、iLife'06やユニバーサル・バイナリに関するものが多いようだ

 iMacについては、何度もお伝えしているとおり「同じサイズ、同じデザイン、同じ仕様、同じ値段」である(※同じ値段なのは米国価格で、日本では発売時期の為替レートの関係からか、iMac G5とiMacで値段が異なる)。

 実際、展示されているiMacを操作してみても従来機との違いはまったく感じられない。搭載されているMac OS X Tiger 10.4.4はIntel対応版であり、デモに利用されているSafariやMail、iLife'06などのアプリケーションもユニバーサル・バイナリ化されているバージョンなので当然と言えば当然である。もちろんRosettaのデモ用にPowerPC向けのコードで作られている現行のPhotoshopやMicrosoft Officeもインストールされていて、こちらも問題なく利用できる。

 ことiMacに関して言えば、ユニバーサル・バイナリ化されたアプリケーションが従来のiMac G5と比べてどれだけ快適に動作し、またRosettaを介すことになるPowerPCコードでどの程度の速度が出るのか新旧2台並べて比べてみたい、というのがすべてなのだ。


iMac iMac G5
CPUIntel Core DuoPowerPC G5
CPUクロック2.0GHz2.1GHz
システムバス667MHz700MHz
搭載メモリ(標準容量/最大容量)DDR2 (PC2-5300)667MHz (512MB/2GB)DDR2 (PC2-4200)533MHz (512MB/2.5GB)
HDD(SerialATA 7,200rpm)250GB250GB
液晶ディスプレイ20型(1,680×1,050ドット)20型(1,680×1,050ドット)
光学式ドライブ8倍速(DVD+R DL/DVD±RW/CD-RW)8倍速(DVD+R DL/DVD±RW/CD-RW)
GPUATI Radeon X1600(128MB GDDR3)ATI Radeon X600 XT(128MB DDR SDRAM)
AppleStore価格209,900円199,800円

□関連記事
【1月11日】アップル、Intel Core Duo搭載の「MacBook Pro」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0111/apple1.htm
【1月11日】アップル、Intel Core Duo搭載の「iMac」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0111/apple2.htm
【1月11日】スティーブ・ジョブズCEO基調講演レポート
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0111/mw03.htm

(2006年1月12日)

[Reported by 矢作晃]

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