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ウィルコム、VGA液晶搭載のモバイル端末「W-ZERO3」
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左からシャープ株式会社 松本雅史氏、株式会社ウィルコム 八剱洋一郎氏、マイクロソフト株式会社 ダレン・ヒューストン氏 |
10月20日発表
価格:オープンプライス
株式会社ウィルコムは、VGA液晶を搭載したモバイル端末「W-ZERO3(ダブリューゼロスリー)」を発表、記者会見を開催した。
W-ZERO3は、シャープ、マイクロソフトとともに共同開発されたモバイル端末。W-ZERO3は、WILLCOM、Windows、Wirelessの「W」、携帯電話もPCも超える新端末としてゼロからスタートするという意味の「ZERO」、PHS 音声/データ、ワイヤレスLANの3つの通信機能という意味の「3」を組み合わせたもの。
PDAライクな外観に、PHSの音声/データ通信、無線LAN機能を備え、OSはWindows Mobile 5.0 for Pocketを搭載する。PHS通信モジュールとしてウィルコムの「W-SIM」を内蔵している。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は5万円を切る見込み。
液晶には640×480ドット表示対応の3.7型ASV液晶を採用。微反射型のため、太陽光の下でも閲覧が可能。視野角は上下/左右とも160度。液晶にはタッチパネル機能も搭載し、付属のスタイラスペンのほか、指先でも操作ができる。また、QWERTY配列のキーボードを備え、本体下部をスライドさせて利用する構造となっている。本体背面には1/3インチ133万画素CMOS採用のデジタルカメラも搭載。
Windows Mobile 5.0を搭載したことで、WordやExcelなどのファイルが使用できるほか、Internet Explorerのお気に入りや、Outlookのデータなどを、PCと同期することも可能。また、Window Media Player 10はDRMにも対応し、著作権保護された有料コンテンツなども利用できる。
そのほか、主な仕様は、CPUにIntel XScale PXA270 416MHzを搭載。メモリはフラッシュメモリ128MB、SDRAM 64MB。miniSDカードスロットを備える。
インターフェイスは、IEEE 802.11b無線LAN、USB×1(mini B)、ヘッドセット用端子(平型)など。バッテリはリチウムイオンバッテリで、連続通話時間は約5時間。連続待ち受け時間は約200時間。本体サイズは、約70×130×26mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約220g。
通信料金については、ウィルコムが従来から提供している音声定額サービス「ウィルコム定額プラン」および「データ定額」サービスに加えて、新たにNTTコミュニケーションの展開する公衆無線LANサービス「ホットスポット」を利用可能なオプションサービス「ウィルコム無線LANオプション」も開始。AIR-EDGEユーザーは月額700円、AIR-EDGE PROユーザーは無料で利用が可能となっている。なお、2006年5月まではキャンペーンのため、いずれのユーザーも無料で利用できる。
W-ZERO3。縦画面の状態 | 横画面状態 | キーボードを出したところ |
本体左側面。miniSDスロットやUSBコネクタなど | 本体右側面。ヘッドフォン端子やボリューム、画面の縦横切り替えスイッチなどを備える | キーボードをスライドさせた状態 |
本体上部にはスピーカやLEDを備える | 本体下部の操作パネル部分 | 裏側には133万画素カメラを搭載 |
キーボードを両手でホールドして入力 | スタイラスによる入力にも対応 | 本体裏側のカバーをはずすと、W-SIMモジュールが着脱可能 |
株式会社ウィルコム 代表取締役社長 八剱洋一郎氏 |
発表会では、まず、株式会社ウィルコム 代表取締役社長 八剱洋一郎氏が挨拶し、「今回の端末はシャープやマイクロソフトとの合作による力作。携帯の機動性にPCの性能を併せ持つもので、従来には無かった新しい製品」などと語った。
W-ZERO3の市場規模については、PC、携帯電話市場からその規模を試算。PC市場の1,207.5万台中、モバイルユーザーを中心とした173万台分の需要が見込めるとし、携帯電話市場からは、「多機能希求派」と呼ばれる層が2,700万人いることから、その1割を見込み、270万台。合計で443万台の市場が期待できるという。
「従来のPHSでもフルブラウザは搭載していたが、やはりQVGAではつらい。今回はVGA液晶を搭載し、Windows Mobileを採用することで、すべてのインターネットコンテンツを利用できるようにした」などとも語り、従来にない新しい市場であることを重ねて強調した。
無線LANへの対応については、「PHSデータカードを使っているユーザーでもかなりのユーザーが無線LANを利用していることがわかった」としており、同社のサービスに組み込む必要性を強く感じていたという。
また今回、ハイエンド携帯電話などで採用されている、TVやラジオ、GPSナビ機能、FeliCa機能などは省略した。これについて八剱氏は「とにかくまずは製品化して市場に出し、消費者に使って欲しかった」と、その理由を述べている。
PCユーザーからの需要分析 | マーケット規模 |
シャープ株式会社からは、代表取締役 情報通信事業部統括 松本雅史氏が挨拶に立ち、「大画面、高精細液晶とフルブラウザ機能を備え、どの分野でも使える端末。PC、携帯に続く第三のツールとして展開していきたい」などと同製品をアピール。
シャープ株式会社 代表取締役 情報通信事業部統括 松本雅史氏 | マイクロソフト株式会社 代表執行役 社長 兼 マイクロソフト コーポレーション コーポレート バイスプレジデント ダレン・ヒューストン氏 |
マイクロソフトからは、同社代表執行役 社長 兼 マイクロソフト コーポレーション コーポレート バイスプレジデントのダレン・ヒューストン氏が出席し、「今回の製品はマイクロソフトの“PLAN-J”にも合致する製品。弊社は'96年に発売されたWindows CEベースのPCから、モバイル市場では10年近く努力を続けており、Windwos Mobile 5.0はその最新OSとなる。特に今回は音声に対応できたことが大きい」と述べたほか、発売日が同社のゲームコンソール「Xbox 360」と重なりそうなことから、「発売日には秋葉原にいって、W-ZERO3とXbox 360を買って欲しい」などともコメントした。
□ウィルコムのホームページ
http://www.willcom-inc.com/ja/index.html
□ニュースリリース
http://www.willcom-inc.com/ja/corporate/press/2005/10/20/index.html
□製品情報
http://www.willcom-inc.com/ja/lineup/ws/003sh/
□シャープのホームページ
http://www.sharp.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/051020-a.html
□マイクロソフト
http://www.microsoft.com/japan/
□ニュースリリース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=2450
(2005年10月20日)
[Reported by kiyomiya@impress.co.jp]