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「ロボLDK~ロボットのいるくらしコンテスト~」開催
~ロボットを身近な存在に

9月3日開催

川崎地下街アゼリア サンライト広場



 川崎地下街アゼリア「サンライト広場」で3日、「ロボLDK~ロボットのいるくらしコンテスト~」が開催された。

 ロボLDKはロボットのいる暮らしをイメージし、ドラマ仕立てで暮らしのなかの一場面を表現するコンテスト。将来、こんな形でロボットがいたらいいな、こんなことあんなことがロボットでできるといいな、というシナリオを競うもので、一般ユーザーによる参加体験型イベントだ。主催は神奈川県。後援は横浜市、川崎市、川崎市産業振興財団。

 出場チームは学生や社会人からなる8チーム。発表は第1部「キッチン」、第2部「リビング」の二部構成。それぞれ午前と午後に分けて実施された。シナリオの評価は、商品化できるかどうか、技術的な難しさ、シナリオの総合点で行なわれる。

 使用するロボットは、規定上は特に限定されていないが、今回は全て、近藤科学の二足歩行ロボットキット「KHR-1」が使われていた。

 商店街の広場で行なわれた競技は、全体にのんびりした雰囲気で進行された。ドラマというよりはむしろ、シチュエーション/コント仕立てで、こんなことができるといいなといったシナリオが披露された。

チーム「運び屋」による、手紙管理アプリケーションのシナリオ。実用性を買われ、準優勝に選ばれた 【動画】(写真左側)優勝したチーム「ロボファミ」によるデモの様子。ペットロボットの「ロボエル」が、献立やゴミの分別などちょっとした役割を果たすというシナリオ。「シュウマイの材料はありませんが餃子ならば大丈夫です」といった答えをロボットが返す。明るく楽しく分かりやすく、会場にも受けていた
チーム「人助け」による聴覚障害者支援のシナリオ。ロボットが動作やディスプレイを使って手助けをするというシチュエーション チーム「太郎」による蕎麦打ちをロボットにさせられるといいなというシナリオ 技術賞を受賞したチーム「やなか6丁目」によるI字バランス。遊びに来た友達に自慢するというシチュエーション

 実用性という面では、それぞれすぐにそのまま出来るというものではなかったが、このアイデアは他の機械を開発すれば可能かもしれない、と思わせられるものは、いくつか見受けられた。審査員を務めていた、デザイナー/イラストレーターの園山隆輔氏、有限会社リヴィールラボラトリ代表取締役社長の田中泰生氏、東京大学情報理工学系研究所 舘研究室助手 関口大陸氏らも同様の印象を受けたようで「思っていた以上に楽しかった(田中氏)」、「ロボットを作ることだけではなく、いかに使うかが重要(関口氏)」と語っていた。

実行委員長の中川友紀子氏(株式会社イクシスリサーチ取締役)とKHR-1 審査員を務めた3氏。左から園山隆輔氏、田中泰生氏、関口大陸氏

 会場内ではNEC、株式会社ベストテクノロジー、有限会社リヴィールラボラトリ、株式会社イクシスリサーチなどのブースも設置されていた。

株式会社ベストテクノロジーから発売されるロボットキット「バイオロイド」。基本構成価格は95,000円。キットそのものはヒト型以外の形に組み上げることも可能。頭部ユニットにはセンサーが組み込まれている
いかにもヒト型ロボットである外見に、大勢の子供達やオトナが魅せられていた 有限会社リヴィールラボラトリは、モーション作成ソフトウェア「RottenMeyer」をノートPCでデモ。KHR-1に限らず、ホビーロボット全般のモーションを手軽に作ることができるソフトウェアとして、ハードウェアにバンドルすることを目指すという 株式会社イクシスリサーチブースでは、ゲームとロボットを組み合わせたアプリケーションで子供達にアピール。同社は、リヴィールラボラトリ、マイクロソフトと共同で、ロボットのソフトウェア開発を行なえるようにするためのミドルウェア「ROBOT.NET API」を開発し、ネット上で無償公開している

 今回は第1回のイベントということで、参加チームを集めるのにも苦労したそうだ。そこでロボットを持っていない人に対しても、シナリオ提案だけしてもらって、モーション作りは他の人が行なうという形も取られた。

 バックアップという形で関わったイクシスリサーチの山崎文敬社長によると、ふらっと何も知らずにやってきた一般のお客さんや、むしろロボットに対して批判的意見を持つ人々にも見てもらって、どんな意見がもらえるか聴いてみたかったという。

駅前商店街の中で行なわれたため、これまでホビー用ロボットを見たことがない人たちも大勢、足を止めてデモに見入っていた イクシスリサーチ 山崎文敬代表取締役。手に持った犬型ロボットはタカラから商品化が予定されているもののプロトタイプ
会場の近くで散歩中のロボット犬 【動画】なかなか軽妙な動きのロボット犬

神奈川県企画部臨海部活性推進課課長 北村明氏

 川崎は敷地面積約9ヘクタールの産業集積拠点「THINK(Techno Hub INnovation Kawasaki)」を擁する。THINKにはベンチャーが入居する「THINK未来工房」のほか、NPO「国際レスキューシステム研究機構」の研究開発拠点「川崎ラボラトリー」などが入っている。またロボット特区としてレスキューロボットの公道走行実験なども行なえるようになっている。ロボットテクノロジーによる地域振興に熱心な土地柄だ。

 主催の神奈川県企画部臨海部活性推進課の北村明 課長は、「これからはロボットに代表されるような、産業の高度化が必要。愛・地球博でも人間の形には遠いけれど、いろいろなロボットが技術開発されているし、20年後には生活のいろいろな分野でロボットが活躍するだろう」と語った。つまりロボットは産業面から見ると市場性が高く、ぜひ神奈川県にもロボット産業を根付かせたい、その一環として企画した、と、企画意図を説明した。

 今後も「消費者、ユーザー、つまりロボットを使う側の立場から、身近なロボットにはどんな可能性があるのか、試行錯誤しながら新しい取り組みを探っていきたい」という。

 第2回ロボLDKは、2005年10月29日~30日、横浜みなとみらいクイーンズスクエアで実施される予定だ。また出場者向け説明会を9月25日(日)午前9時から横浜市開港記念会館6号室で開催する。

□ロボLDKのホームページ
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/keihin/roboldk/index.htm

(2005年9月5日)

[Reported by 森山和道]

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