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JEITA新会長に東芝の岡村社長が就任
5月27日 発表 社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)の会長に株式会社東芝社長の岡村正氏が就任し、平成17年度の事業計画を発表した。 最初に岡村新会長は、「平成16年度の電子情報技術産業は、前半はデジタル家電が絶好調だったものの、後半はその勢いが減速し、踊り場状態となった。しかし、国内出荷に目を向ければ、17カ月連続で出荷金額がプラス成長を続け、特に映像関連は22カ月連続プラス成長となっている。PCも業務用、家庭用ともに堅調に推移した。携帯電話も第3世代の普及が本格化したことでプラスとなっている。この結果、国内生産の総額は対前年同期比2.8%増の19兆8,453億円となった」と昨年度の状況を総括。 それをふまえて、今年度の国内生産が21兆円を越える規模となるとの見通しを示した。 さらに、それを実現するための課題として、(1)IT産業振興策の推進、(2)地上デジタル放送の普及推進、(3) 環境問題への取り組みの3点をあげた。 IT産業振興の推進としては、「ITの利用が、企業、電子政府にとどまらず家庭にも広まっている。家庭での普及をさらに積極的に推進していくために、社会基盤の整備がさらに必要となる」という。 地上デジタル放送については、「家庭内で利用する機器の買い換えをさらに進めていくために、我々の会員企業だけでなく、放送事業者、コンテンツプロバイダなどと共に普及、推進のための努力を続けていく必要がある」とハード、コンテンツの垣根を越えた協力体制の重要性を強調している。 また、平成17年度の重要なポイントとして、「情報産業における日本企業の存在感を全世界に示すことが重要」とした。 具体的には、「半導体技術をベースにした新しいハードウェア、ソフトウェアを開発していくことで、情報家電のビジネスモデルをどう構築するのかが試される時期に入った。日本は情報家電分野では世界の先を行く立場にあり、リーダーシップをとってビジネスモデルを示す必要がある」と、国内生産も好調な情報家電事業によって、世界をリードする体制を作るという方向性を打ち出した。 これはコンピュータ産業にも同様で、「(コンピュータで使われている技術のほとんどが米国で開発されたものとなっていることについては)OS部分に限れば、オープンソースの活用に力を入れていくという政府の方針に対して、JEITAとして協力していくということを表明しているが、もうひとつの切り口として情報家電という武器をもって、日本の存在感をどう示すか。新しい利活用の世界をどう切り開くのかという課題を解決する鍵が、情報家電となる可能性がある」と説明している。 ●次世代DVD規格統一はあくまで消費者の視点で議論を また、依然として規格統一が進まない次世代DVDについては、「企業個々の戦略にかかわるものなので、JEITA会長としてどちらが望ましいのかといった意見を出すことは避けたい。だが、消費者の見方をもって、良い物を作る視点が必要であることは間違えない。消費者の視点で議論を重ねていってもらいたいということをJEITAとしてお願いしたい」と強調した。 岡村会長は、HD DVDを推進する東芝の社長でもある。記者会見終了後は、記者が岡村氏を取り囲み、現在の規格統一の新着状況について質問が飛んだ。 規格統一については、両陣営が歩み寄りを見せていることから、いよいよ折衝が大詰めに入ったという見方もある。 岡村氏は、「私と松下電器産業の中村社長が会談したからといって、それで決まるという問題ではない」と次世代DVD規格の行方は、規格を推進するハードメーカー同士の了解だけで決まる問題ではないことを強調した。 規格統一が急がれているのは、東芝が今年年末にHD DVDを発売すると発表していることから、その前に結論を出さなければならないからかという記者の質問に対しては、「発売した後で規格統一ということになってもよいのではないか」と回答。現時点で規格統一問題が決着しなかったとしても、継続して規格統一のための話し合いを両陣営で進めていく可能性があることを示唆した。 また、東芝の社長ではなく、JEITAの会長の立場では、「JEITAとしては、ユーザーがそれでいいというのであれば、規格を統一せず、2つの規格が併存しても構わない。だが、会見の最中もお話ししたように、情報家電製品は社会インフラに大きく関わっていく可能性もある。そのことを考えると、いくつもの規格が存在するよりも、規格が一本化された方が望ましいのではないか」と将来をふまえて、規格統一の必要性を強調した。 □JEITAのホームページ (2005年5月27日) [Reported by 三浦優子]
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