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　米調査会社のForrester Researchは、アジア太平洋地域のPC利用台数の予測レポートを発行した。

　それによれば、2010年までは年平均20%の増加が見込まれ、2004年末の3倍にあたる5億5,900万台に達するとしている。

　アジア太平洋地域の対象地域は20カ国で、成熟市場、成長市場、急成長市場の3つに分類できるとしている。

　成熟市場は、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、韓国などが該当し、100人あたり50台以上の高い普及率に達している。PCの利用については、飽和状態に近づきつつあり、買い換えによる需要が中心となる。それでも、年平均4～7%の成長が見込まるが、2010年に近づくにつれ、成長率は低下する。

　成長市場は、日本、香港、マレーシア、台湾などが該当する。100人当たりの普及率はマレーシアで14.7%、日本で38.2%であり、飽和レベルの半分以下としている。この市場では、買い換えだけではなく、新規ユーザーの獲得による成長が見込まれる。

　20カ国中9カ国は、PCの利用率が10%を下回っている。このうち、中国、インド、インドネシア、タイ、ベトナムは、今後急成長する可能性が高いとしている。

　成長市場に分類されている日本市場については、2010年までに年平均9%の増加が見込まれ、2010年には約9,400万台に達するとしている。人口に占めるPC利用者の割合は、73.6%に達するとしている。

　また、中国では2010年までに、PCは約1億6,500万台増加する見込みだが、そのうち約4,500万台は日本から出荷されるとしている。

　Forrester Researchは、欧米市場を中心に900社以上の企業をクライアントとする調査会社で、日本では2000年に事業を開始している。同社の主業務は契約を結んだ企業を対象とするIT投資の意思決定に関する市場環境調査・分析、及びコンサルティングである。

　今回のレポートを担当した、シニア・アナリストのSimon J.Yetes氏に面会できたので、一問一答形式でお伝えする。

Simon J.Yetes氏

【PCW】他のレポートと比べても、特に日本市場について楽観的な見通しをもたれているのが印象的ですが。

【Yetes】日本市場については、まだPCの普及率も低く、伸び幅は十分にあると考えています。とくに、コミュニケーションの分野とAV機器としてのPC(MCE)には大いに期待しています。

【PCW】メールを始めとするコミュニケーションの手段として携帯電話が、AV機器としてはHDD/DVDレコーダがPCのライバルとして存在していますが、その存在は懸念材料となりませんか。

【Yetes】メールに適したスマートフォンの存在は、たしかに影響を及ぼす可能性があります。それは市場の鍵をにぎる存在の1つです。MCEについては、楽観的な見通しをもっており、ネットワーク機能や使い勝手の面で、単独の機器に比べて利点が大きいと思っています。2008年にはデジタルホームPCの分野で革新が起こるとみており、成長を期待してよいと思います。

【PCW】国内のPCメーカーは安泰とみてよいのですか。

【Yetes】いいえ、レポートに書きましたが、NECはITインフラ事業に注力するために、PC部門をHPに売却すべきだと、私は信じています。レノボとIBMの例のように、もっとも成長が期待される中国やインドも巻き込む形で、市場の再編は進むでしょう。

□Forrester Researchのホームページ(英文)
http://www.forrester.com/
□ニュースリリース(英文)
http://www.forrester.com/Research/Document/Excerpt/0,7211,36491,00.html
□関連記事
【1月26日】JEITA、2004年のPC出荷統計を発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0126/jeita.htm

(2005年5月18日)

[Reported by date@impress.co.jp]