多和田新也のニューアイテム診断室

SLI非公式対応マザーボードでSLIを試す




 2枚のビデオカードを接続することで3D描画性能を向上できるNVIDIA SLI。最近ではIntel 915Pを使ってPCI Express x16を2スロット搭載する製品も登場しており、Pentium 4環境でもNVIDIA SLIの恩恵にあずかれる可能性が出てきた。

 ただ、nForce4 SLI搭載マザー以外は、いずれもNVIDIA SLIへの対応を公式にはうたっておらず、実際に利用できるかどうかは未知数だ(Xeon向け製品除く)。本連載ではこれまでNVIDIA SLIを取り上げる機会がなかったこともあり、今回はそうした非サポートマザーも含めてNVIDIA SLIのパフォーマンスをチェックしてみたい。

●新たな選択肢が登場するNVIDIA SLIソリューション

 SLI環境をコンシューマ向け製品で実現しようと思うと、当初は同社のチップセットであるnForce4 SLIを搭載したマザーボードのほかには選択肢がない状況であった。

 しかしながら、選択肢は徐々に増えつつある。1つは、nForce4 SLIの下位モデルにあたるチップセットであるnForce4 Ultraを搭載し、なおかつPCI Express x16スロットを2本備えるというマザーボードで、DFIの「LANPARTY UT nF4 Ultra-D」(写真1)がそれにあたる。

 nForce4 SLIはチップセットが持つ20レーンの再構成を行なえるのに対し、nForce4 Ultraは本来、原則としてPCI Expressのレーンがx16、x1×3に固定されているチップセットだ。LANPARTY UT nF4 Ultra-DではnForce4 Ultraを搭載しながらも、Dual Xpress Graphics(DXG)と呼ばれる独自技術により、PCI Express x16スロットを2基持ち、しかもレーンの再構成を可能としている。その再構成方法もユニークで、8個のジャンパピンを1単位としたジャンパブロック6個を差し替えることで行なう(写真2)。

 本製品は物理的にはPCI Express x16スロット×2、x4スロット×1、x1スロット×1を持つが、このジャンパブロックを差し替えることにより、各スロットの内部レーン数が変更される。2基のPCI Express x16スロットの内部インターフェイスは「x16/x2」または「x8/x8」のモードで動作が可能となっている(写真3)。

【写真1】DFIのnForce4 Ultra搭載マザーボード「LANPARTY UT nF4 Ultra-D」 【写真2】2基のPCI Express x16スロットに挟まれる位置に用意されるジャンパピン。このジャンパを動かすことでPCI Expressのレーンを変更する 【写真3】設定できるPCI Expressのレーン数は「x16/x2/x1/x1」構成と、「x8/x8/x4/Disabled」構成の2パターンである

 もう1つ注目したい製品が、GIGABYTEの「GA-8I915P Dual Graphic」(写真4)だ。チップセットにIntel 915P+ICH6Rを搭載する製品でありながら、PCI Express x16スロットを2基備え、PCI Express x1スロットも1基装備している。この製品の登場により、NVIDIAがチップセットを供給するAthlon 64プラットフォームだけでなくPentium 4環境でもSLIを利用できる希望が生まれたわけだ。

 GA-8I915P Dual Graphicは、MCH側にPCI Express x16を1本、ICH6R側にPCI Express x1を4本持っており、このICH6R側のx1×4を再構成する格好だ。ボード上に設けられたディップスイッチにより、2基のPCI Express x16を「x16/x4」、「x16/x1」構成に切り替えることができるのである。なお、前者の場合はICH6R上のPCI Express×4レーンを使い切ってしまうので、後者の場合のみPCI Express x1スロットが有効になる仕組みとなっている(写真5)。

【写真4】Intel 915Pを搭載するGIGABYTEの「GA-8I915P Dual Graphic」 【写真5】こちらはディップスイッチでレーン数を変更する 【写真6】同製品のマニュアルより。上部のPCI Express x16は固定だが、残りのx16スロット/x1スロットは、「x4/Disabled」構成、「x1/x1」構成から切り替えられる

 しかしながら、これらの製品は公式にはSLIへの対応を表明していない。公式な対応はともかく、2枚のビデオカードを接続するブリッジコネクタが付属していないため、物理的にもSLIの環境を構築できないのが悩みどころだ。

 ところが、こうした状況は少しずつ変化し始めた。僚誌AKIBA PC Holineによれば一部ショップでは、このブリッジコネクタをLANPARTY UT nF4 Ultra-Dに付属して販売した例がある。また、GIGABYTEのGeForce 6600 GT搭載ビデオカード「GV-N66T128VP」、「GV-NX66T128D」には、ブリッジコネクタが同梱されるようになっている。SLIを実際に利用できるかどうかは後述するとして、ブリッジコネクタの長ささえ合えば、物理的な問題は解消するチャンスが広がっているわけだ。

 ちなみに今回の検証でブリッジコネクタはDFIのnForce4 SLI搭載マザーボード「LANPARTY UT nF4 SLI-DR」(写真7)に付属するものを使用している。LANPARTY UT nF4 Ultra-Dとほぼ同じボードレイアウトを採用しているので長さは確実にマッチするのに加え、GA-8I915P Dual Graphicでも問題なく利用できる長さだったからだ(写真8)。

 ビデオカードはGeForce 6800 GTのリファレンスボード、玄人志向のGeForce 6600 GT搭載ビデオカード「GF66GT-E128H」を使用している(写真9、10)。

【写真7】nForce4 SLIを搭載するDFIの「LANPARTY UT nF4 SLI-DR」 【写真8】LANPARTY UT nF4 SLI-DRに付属のブリッジコネクタは1スロットを跨ぐタイプで、GIGABYTEのGA-8I915P Dual Graphicでも長さが合う。ASUSTeKのA8N-SLIなどに付属するブリッジコネクタのように、2スロットを跨ぐタイプも存在するので、製品付属のもの以外を利用する場合は注意を要する
【写真9】テストに使用したGeForce 6800 GTのリファレンスボード 【写真10】こちらはGeForce 6600 GTを搭載する玄人志向の「GF66GT-E128H」

●Intel 915Pは条件付きで動作、nForce4 Ultraは動作せず

 それでは、実際に(非公式ながら)SLI動作が可能かどうか検証してみたい。まずはIntel 915Pを搭載するGA-8I915P Dual Graphicから紹介する。結論からいえば、いくつかの条件は付くものの、SLI動作を実現することができた。

 その条件とは、次のとおりである。

・ForceWare 66.81を使用
・2基のPCI Express x16スロットは「x16/x4」構成で使用
・PCI Express x16のセカンドスロット側から出力
・GeForce 6600 GTを使用

 まず最初のForceWareについてだが、本稿執筆時点でNVIDIAのサイトからダウンロードできる最新版はForceWare 66.93である。しかしながら、このドライバを使った場合、2枚のビデオカードをブリッジコネクタで接続して起動しても、2枚のビデオカードが別々に認識されてしまう。そして、プロパティ画面にはSLIを有効にするメニュー項目が表示されないのである(画面1)。

 そこで目を付けたのが、同社のブリッジコネクタを同梱するGeForce 6600 GT搭載ビデオカードである。ブリッジコネクタを付属するということは、SLIができると暗に言っているようなものであり、ここに何か参考になる情報はないかと思った。

 このドライバCD-ROMを入手し、オートランで呼び出されるメニューを見てみると「For Dual Graphic Core Test Only」という項目が表示される(画面2)。これを選択、実行してインストールされたのが、先述のForceWare 66.81なのである。ForceWare 66.81をインストールした状態でプロパティ画面を参照すると、「Multi-GPU」の欄が現れ、SLIを有効にすることができる(画面3、4)。

【画面1】GA-8I915P Dual Graphicに2枚のGeForce 6600 GT搭載ビデオカードを接続し、ForceWare66.93をインストールしたが、SLIに関するメニューは表れない 【画面2】GIGABYTEのGeForce 6600 GTに同梱されるCD-ROMを起動すると「For Dual Graphic Core Test Only」のメニューがあり、これを実行するとForceWare 66.81がインストールされる。このメニュー項目はGA-8I915P Dual Graphic上で呼び出した場合にのみ表示される仕組みになっているのも興味深い
【画面3】ForceWare 66.81をインストールすると、左側のメニュー一覧に「Multi-GPU」の欄が表れる 【画面4】ここから「Enabled Multi-GPU」にチェックを付ければSLI動作となる

【画面5】GA-8I915P Dual Graphicでは、BIOSセットアップのAdvanced BIOS Features-Init Display Firstを“PEG2”に設定することで下段のPCI Express x16スロットに接続したビデオカードをプライマリとし、そちらにディスプレイを接続することでSLI動作が安定する

 続いて、PCI Express x16スロットの構成であるが、これを「x16/x1」構成にして起動した場合は、x1側に接続したビデオカードが認識されないために、SLIはおろか、デュアルビデオカードも構築できなかった。

 続いて、セカンドスロット側から出力すると述べた点だが、これは、x4側にディスプレイのケーブルを接続して出力するということだ。加えてBIOSから、x4側がプライマリになるように設定しなければならない(画面5)。x16側から出力しても、SLI動作自体は可能だったが、3D描画が始まると数分で再起動がかかってしまう。

 最後のGeForce 6600 GTを使用するという条件については、今回の環境に限った話かも知れない点を付記しておくが、GeForce 6800 GTのリファレンスボードを2枚接続して利用した場合、3D描画中にいきなり再起動がかかってしまい正常動作しなかった。

 さて、一方のnForce4 Ultraを搭載するLANPARTY UT nF4 Ultra-Dについてだが、GA-8I915P Dual Graphicで用いた手段はいずれも通用しなかった。ドライバをForceWare 66.81にすることで、Multi GPUのメニュー項目は表れるのだが、イネーブルにすることはできない(画面6~8)。

 もちろん、ブリッジコネクタを接続せずに利用すれば、2枚のビデオカードとして別々に認識はするので、最大4画面のディスプレイ出力ができるというのはメーカーの謳い文句通りである。

【画面6】LANPARTY UT nF4 Ultra-Dに2枚のGeForce 6600 GT搭載ビデオカードを接続し、ForceWare 66.93をインストールしたところ。やはり、SLIに関するメニューは表れない 【画面7】ForceWare 66.81をインストールした場合は、左側のメニューにMulti-GPUの項は表れるが…… 【画面8】機能の説明だけが表示され、有効にすることはできない

●Intel 915PでもSLIに効果あり

 それでは、今回用意した環境でベンチマークテストを行なっていきたい。前述のとおり、LANPARTY UT nF4 Ultra-DではSLI動作を行なうことができていない。よって、DFIのLANPARTY UT nF4 SLI-DR、Intel 915Pを搭載したGIGABYTEのGA-8I915P Dual Graphicのベンチマークテストを行なった。

【表1】テスト環境
マザーボード DFI LANPARTY UT nF4 SLI-DR GA-8I915P Dual Graphic
CPU Athlon 64 4000+ Pentium 4 560
メモリ PC3200 DDR SDRAM 1GB(512MB×2)
HDD Seagate Barracuda 7200.7(ST3120026AS)
OS Windows XP Professional(ServicePack 2/DirectX 9.0c)

【画面9】SLI環境でもパフォーマンス向上が見られないアプリケーションが存在するが、その場合プロパティのPerformance & Quality Settingのうち、Show Advanced Settingにチェックを付けると表示される「SLI Rendering Mode」を「Multi GPU Rendering」に設定するとうまくいく

 ここで気になるのは、SLI動作時のレーン構成の違いだ。nForce4 SLIを使用した場合は「x8/x8」または「x16/x2」の構成となるが、Intel 915Pの場合は「x16/x4」となる。これがパフォーマンスの向上に影響を及ぼすかを見てみたい。また、どちらのマザーボードも、SLIを構築せずに、2枚のビデオカードを別々に認識させることもできる。ということは、PCI Express x4接続やx8接続も可能なわけで、こうした少ないレーン数で接続した場合とPCI Express x16で接続した場合のテストも行なってみた。

 なお、ドライバについてだが、GA-8I915P Dual GraphicのSLI環境のみForceWare 66.81を使用し、ほかはすべてテスト時点で最新のForceWare 66.93を使用している。ちなみに、SLIは有効にしておいてもアプリケーションによっては、描画の処理分散が行なわれない場合がある。LANPARTY UT nF4 SLI-DRではドライバのプロパティ内にある「SLI Rendering Mode」を「Multi-GPU rendering」に設定することで回避が可能なので、今回のテストもそう設定している。ただし、GA-8I915P Dual GraphicでSLI環境を構築した場合は、この設定項目が表れない。これはForceWare 66.81の仕様のようだ。そのほかの環境は表1に示したとおりである。

 さて、まず示したのはLANPARTY UT nF4 SLI-DRの結果だ(グラフ1~14)。このなかで、3DMark05(グラフ1、2)、3DMark03(グラフ3、4)、AquaMark3(グラフ5、6)、DOOM3(グラフ7、8)、Unreal Tournament 2003(グラフ11~14)ではSLIの効果が見られるが、FINAL FANTASY Official Benchmark 3(グラフ9、10)ではSLIよりもビデオカード単体で利用するほうが良い結果が表れている。

 このなかで興味深いのがUnreal Tournament 2003の結果だ。このテスト結果では、低解像度やフィルタ類を適用しない場合はビデオカード単体のほうが性能がよく、負荷が増えるにつれSLIの効果が見えてくる。これはSLI動作した場合、CPUの負荷が上がるためではないかと想像される。解像度が高くなるに連れビデオカード側がボトルネックになり、SLIの効果が見えてきたということだ。

 レーン数の違いによるパフォーマンスの変化だが、これはおおむね「x8/x8」のほうが「x16/x2」よりも好成績を上げている。3DMark05やDOOM3をGeForce 6600 GTで実施した場合が顕著である。この理由には、もちろん2枚目のビデオカードを接続するPCI Express x2インターフェイスがボトルネックになっているのはもちろんだが、ドライバが描画を分散する場合にx8/x8構成を前提に割り振っているために、そのボトルネックが余計に目立っている可能性がある。いずれにせよ、NVIDIAが推奨する「x8/x8」構成で使うのが無難であることは間違いなさそうだ。

 ビデオカード1枚で使用する場合のレーン数によるパフォーマンス差は小さい。3DMark05とDOOM3でやや差がついているものの、トータルで見ると、それほど極端なパフォーマンス差は出ていないことが分かる。

【グラフ1】3DMark05 - nForce4 SLI GeForce 6600 GT 【グラフ2】3DMark05 - nForce4 SLI GeForce 6800 GT
【グラフ3】3DMark03 - nForce4 SLI GeForce 6600 GT 【グラフ4】3DMark03 - nForce4 SLI GeForce 6800 GT
【グラフ5】AquaMark3 - nForce4 SLI GeForce 6600 GT 【グラフ6】AquaMark3 - nForce4 SLI GeForce 6800 GT
【グラフ7】DOOM3 - nForce4 SLI GeForce 6600 GT 【グラフ8】DOOM3 - nForce4 SLI GeForce 6800 GT
【グラフ9】FINAL FANTASY Official Benchmark 3 - nForce4 SLI GeForce 6600 GT 【グラフ10】FINAL FANTASY Official Benchmark 3 - nForce4 SLI GeForce 6800 GT
【グラフ11】Unreal Tournament 2003 - Flyby - nForce4 SLI GeForce 6600 GT 【グラフ12】Unreal Tournament 2003 - Flyby - nForce4 SLI GeForce 6800 GT
【グラフ13】Unreal Tournament 2003 - Botmatch - nForce4 SLI GeForce 6600 GT 【グラフ14】Unreal Tournament 2003 - Botmatch - nForce4 SLI GeForce 6800 GT

 続いてGA-8I915P Dual Graphicの結果はグラフ15~21に掲載している。こちらはビデオカード単体をレーン数の異なる条件で利用した場合、LANPARTY UT nF4 SLI-DRに比べると大きな差が付いているのが目に留まる。ということは、SLI環境ではなく2枚のビデオカードを使ってマルチディスプレイ環境を構築する場合でもレーン数に留意する必要があるわけだ。

 SLI動作させた場合の性能向上は、LANPARTY UT nF4 SLI-DRに比べると低いものになっている。これを表2に数値化してみた。LANPARTY UT nF4 SLI-DRの列は「x16」でビデオカード単体動作したときと「x8/x8」構成でSLI動作させた場合の向上具合を示し、GA-8I915P Dual Graphicの列は「x16」でビデオカード単体動作させた場合と「x16/x4」構成でSLI動作させた場合の向上具合を、それぞれ示している。なお、FINAL FANTASY Official Benchmark 3については、SLIによる性能向上が一切見られないので表からは省いてある。

 これを見ても分かるとおり、GA-8I915P Dual Graphicの「x16/x4」構成はパフォーマンスが向上する場合でも、その割合はnForce4 SLIの「x8/x8」に比べて劣り、しかもnForce4 SLIの「x8/x8」で性能向上が見られたテスト条件でも逆にスコアが下がる場合もある、という結果になっている。

【グラフ15】3DMark05 - Intel 915P 【グラフ16】3DMark03 - Intel 915P
【グラフ17】AquaMark3 - Intel 915P 【グラフ18】DOOM3 - Intel 915P
【グラフ19】FINAL FANTASY Official Benchmark 3 - Intel 915P 【グラフ20】 Tournament 2003 - Flyby - Intel 915P - Intel 915P
【グラフ21】Unreal Tournament 2003 - Botmatch - Intel 915P

【表2】SLIによる性能向上の違い
    DFI LANPARTY UT nF4 SLI-DR GA-8I915P Dual Graphic
3DMark05 1024×768ドット(NoAA,NoAniso) 169.5 134.4
1280×1024ドット(NoAA,NoAniso) 181.1 138.2
1600×1200ドット(NoAA,NoAniso) 157.6 87.6
1024×768ドット(4xAA,NoAniso) 146.3 69.8
1024×768ドット(4xAA,8xAniso) 153.6 61.1
3DMark03 1024×768ドット(NoAA,NoAniso) 162.1 152.7
1280×1024ドット(NoAA,NoAniso) 168.9 162.0
1600×1200ドット(NoAA,NoAniso) 176.7 169.6
1024×768ドット(4xAA,NoAniso) 173.0 157.5
1280×1024ドット(4xAA,NoAniso) 172.3 135.9
1600×1200ドット(4xAA,NoAniso) 176.5 135.2
1024×768ドット(4xAA,8xAniso) 174.6 161.2
1280×1024ドット(4xAA,8xAniso) 172.5 138.4
1600×1200ドット(4xAA,8xAniso) 178.0 138.6
AquaMark3 1024×768ドット(NoAA,NoAniso) 121.8 114.3
1280×1024ドット(NoAA,NoAniso) 135.3 127.0
1600×1200ドット(NoAA,NoAniso) 152.9 143.3
1024×768ドット(4xAA,NoAniso) 138.8 130.3
1280×1024ドット(4xAA,NoAniso) 165.5 155.8
1600×1200ドット(4xAA,NoAniso) 187.1 178.8
1024×768ドット(4xAA,8xAniso) 148.4 138.6
1280×1024ドット(4xAA,8xAniso) 175.5 165.1
1600×1200ドット(4xAA,8xAniso) 190.8 184.6
UT2003 flyby 1024×768ドット(NoAA,NoAniso) 91.7 86.5
1280×960ドット(NoAA,NoAniso) 106.6 96.2
1600×1200ドット(NoAA,NoAniso) 130.1 121.1
1024×768ドット(4xAA,NoAniso) 120.4 109.5
1280×960ドット(4xAA,NoAniso) 137.8 131.6
1600×1200ドット(4xAA,NoAniso) 157.9 157.3
1024×768ドット(4xAA,8xAniso) 129.2 117.4
1280×960ドット(4xAA,8xAniso) 143.2 138.0
1600×1200ドット(4xAA,8xAniso) 160.6 159.3
UT2003 botmatch 1024×768ドット(NoAA,NoAniso) 94.2 93.4
1280×960ドット(NoAA,NoAniso) 94.5 93.1
1600×1200ドット(NoAA,NoAniso) 101.7 94.5
1024×768ドット(4xAA,NoAniso) 95.9 93.7
1280×960ドット(4xAA,NoAniso) 107.4 97.4
1600×1200ドット(4xAA,NoAniso) 153.1 131.9
1024×768ドット(4xAA,8xAniso) 98.2 93.6
1280×960ドット(4xAA,8xAniso) 112.5 100.9
1600×1200ドット(4xAA,8xAniso) 160.9 140.4

●今後登場するPCI Express x16×2での対応は?

 以上のとおり、nForce4 SLIと、Intel 915Pを使ったSLI動作についてテストを行なってきた。すべてにおいて効果が発揮されるわけではないが、アプリケーション/テスト条件によっては最大で80~90%程度の性能向上が見られる場面もある。すぐに導入はしなくても、SLIができるマザーボードを用意しておくのは、後々になってメリットとなる可能性がある。

 ただ、1つ腑に落ちないのは、GA-8I915P Dual Graphicにおいて、古いドライバに変えるだけで動作するようになる点である。新しいドライバで対応を外した理由はわからないが今回のテスト結果を見る限り2基のPCI Express x16スロットは「x8/x8」の構成がもっともパフォーマンスがよく、この構成が取れないマザーボードは同社が考えるパフォーマンス向上を見せられないなどの理由があるのだろう。

 ただ、LANPARTY UT nF4 Ultra-Dのマザーもこの構成が可能で、SLIをイネーブルにできるため、レーン数だけを見て対応可/不可を判断しているわけではない。原因が正確に判明しないため、今後登場するVIAのK8T890 Proなど、2枚のビデオカードを利用できるnForce4 SLI以外のチップセットでSLI動作が実現できるかは現時点で未知数である。

 NVIDIAにとっては同社製GPUを搭載したビデオカードを購入するメリットとしてアピールできるし、ユーザーにとってもビデオカードを追加してパフォーマンスを向上させられる可能性があることは、歓迎されるだろう。SLIのソリューションが広がることは両者にとって恩恵があることであり、そうしたメリットを享受しやすいよう、NVIDIAにはドライバの改善を求めたい。

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【1月28日】日本ギガバイト、デュアルビデオカード対応マザーを2月初旬に出荷
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0128/gigabyte.htm
【1月8日】SLI相当の機能を備えたnForce4 Ultra搭載マザーが近日DFIから(AKIBA)
http://www.watch.impress.co.jp/akiba/hotline/20050108/etc_dfinforce4.html

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(2005年2月24日)

[Text by 多和田新也]


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