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2004年のPC市場はハード、ソフトともに低迷傾向
~BCN 2004年PC店頭市場総括

1月28日 発表



 株式会社BCNは、同社が行なっている大手PC販売店のPOSデータ調査に基づいた、2004年のPC店頭市場の総括を発表した。

 ハードウェアの販売量は、2004年に比べて台数では2.3%減、金額では11.5%減、ソフトウェアでは本数で7.8%減、金額で10.3%減となった。

BCN総研 西尾治親アナリスト

 「ハードウェアは、最もウエイトの高いPCの落ち込みが大きく起因している。PC本体は、台数で12.8%減、金額では16.4%減となった。ハードウェア全体の中でPCの構成比についても、2003年時点では52.7%を占めていたのに対し、2004年には49.8%と構成比率が低下している」(BCN総研 西尾治親アナリスト)

 ハードウェアでは、「伸張している分野もあるものの、ハードウェア全体の売り上げ増となるまでには至らなかった」という結果となった。

 ハードウェアの中で伸張した商品分野と、対前年の増減率は下記の通り。

台数 金額
記録型DVDドライブ 47.9%増 15.8%減
複合プリンタ 41.4%増 25.9%増
メモリカード 29.4%増 24.4%増
PCカメラ 25.2%増 20.7%増
外付けHDD 17.6%増 9.6%増
映像関連ボード 11.3%増 8.9%減
デジタルカメラ 11.2%増 8.3%増

 複合プリンタについては、「第1四半期の時点では、台数ではインクジェットプリンタが71.2%を占め、複合プリンタは28.8%、金額でも65.1%に対し34.9%にすぎなかった。しかし、徐々に複合プリンタの割合が増加し、第4四半期には台数では複合プリンタが40.6%、金額で46%と4割を越すウエイトを占めるに至った」と着実に向上している。

 デジタルカメラについては、「通年では金額は前年割れとなったものの、台数は対前年比2桁増となった。が、2004年10月以降は台数でも前年割れが続いており、デジタルカメラ市場が飽和したことを表す結果となった」という。

 画素数別では、「500万画素以上の機能を持った製品のウエイトが向上している。第1四半期時点では22.6%に過ぎなかった500万画素以上の製品の台数が、第4四半期には52.3%と5割以上が500万画素数以上となった」と、500万画素以上の製品が主流となった。

 価格帯では、「第2四半期の平均単価が24,700円だったのに対し、第3四半期は22,600円だったが、第4四半期には24,100円となった、これは一眼レフタイプの製品が各社から発売されたことが一つの要因となっていると考える」と一時的には平均単価上昇も見られた。

 ソフトに関しては、対前年比で増加となったのは、32部門のうち以下の5部門にとどまった。

本数 金額
プレゼンテーションソフト 33.6%増 44.4%増
セキュリティソフト 28.4%増 24.9%増
文書管理ソフト 28.3%増 2.2%増
統合ソフト 0.8%増 9.7%減
システムメンテナンスソフト 0.6%増 12.1%減

 「セキュリティソフトは、昨年に続き2桁の伸びを記録している。ソフト32部門の中で最も構成比が多く、全ソフトを牽引する役割となっている。普及が進んでいるセキュリティソフトが引き続き伸びを見せたのは、個人の情報保護に対する意識の高まり、ウイルス対策の必要性を多くの人が認知したことなどが要因ではないか」

 今年から新たに調査を開始したデジタル家電については、「好調に伸張してはいるものの、価格下落傾向が如実にあらわれている」という結果となった。

 液晶テレビは、32型の製品の12月の平均販売価格が10月に比べ11.9%の下落となっている。HDD/DVDレコーダーについても、9月に発売した機種の平均価格が12月には約1割下落している。

 2005年のPC分野、デジタル家電分野の見通しとしては、「PC本体は、メーカー製品については引き続き厳しい状況が続くと見られる。ただし、ショップブランドのPCなど伸張していく分野もあるのではないか。デジタル家電製品については、普及段階であるため販売は好調に推移するものと考えられる。ただし、単価下落傾向は今後も続いていくのではないか」との見通しを示している。

3月に創刊するフリーペーパーの見本誌

 また、BCNでは今年3月19日に、PC販売店で配布するフリーペーパー「月刊BCNランキング」を創刊する。IT専門のフリーペーパーは業界で初めての試みとなる。広告出稿による収益で運営される。

 BCNランキングは、一般消費者を読者として想定し、同社が行なっているPC販売店POSデータを元にした売れ筋情報、製品情報を提供していく。

 掲載される内容は、30~50アイテムの商品の機種別ランキングシェア、商品トレンド情報など。


BCN 代表取締役専務 吉若徹氏

 「店舗に行ってどの商品を購入するのかを決定するというユーザーが多く、店舗を支援するものとして店頭で配布するフリーペーパーを作ることとなった。すでに420店舗での配布が決定しており、10万部の配布が可能な体制となっている」(BCN 吉若徹 代表取締役専務)


BCN 取締役 田中繁廣氏

 「商品情報は数多く提供されているが、ユーザーアンケートを実施したところ、どんな商品が売れているのかを知らないユーザーが多い。購入後、満足できる環境を作ってもらうために、売れ筋やトレンドをわかりやすく紹介し、購入後の満足度合いを上げてもらうことを狙う」(BCN 田中繁廣 取締役)

 毎月20日前後の発行を目指しており、「最新情報については、新たにオープンしたWebサイト「BCNランキング」に掲載し、フォローしていく」(同)方針だ。


□BCNのホームページ
http://www.computernews.com/
□BCNランキングのホームページ
http://bcnranking.jp/
□関連記事
【1月14日】BCN AWARD 2005発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0114/bcn.htm

(2005年1月28日)

[Reported by 三浦優子]

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