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ATI、30型シネマディスプレイ対応ハイエンドカード
~車載オーディオ市場に浸透するiPod

会場:San Francisco The Moscone Center

会期:1月11日~14日(現地時間)



●ATI、RADEON X800 XT Mac Edition展示

ATIブースに展示された「RADEON X800XT Mac Edition」。Dual Link DVIに対応するDVIインターフェイスとADCインターフェイスを搭載している。AGP Pro 8x対応だがUSBと電源を供給するADCへの対応のため、マザーボードとの接続部分がPC版とは多少異なる

 ATI Technologiesは、30型Apple Cinema HD Displayに対応するビデオカード「RADEON X800XT Mac Edition」を発表。同社ブース内で展示を行なっている。30型シネマの駆動には「Dual Link DVI」機能が必須で、これまではNVIDIAの「NVIDIA GeForce 6800 Ultra DDLグラフィックカード」のみが対応し、事実上の専用ビデオカードとなっていた。今回ATIがRADEON X800XTを搭載してDual Link DVIをサポートするビデオカードを発表したことで、ユーザーの選択の幅が広がることになる。また、AGPスロット分だけで使えるシングルスロット設計は、PCIのスペースも1つ占有するGeForce 6800に対してのアドバンテージとなりうる部分だ。

 「RADEON X800XT Mac Edition」は256MBのDDR3メモリを搭載。コアクロック475MHz、メモリクロック500MHzで動作する。コアなPCユーザーにしてみればRADEON X850の出荷が間もなくという時期だけにハイエンドとは考えがたいかも知れないが、現時点でApple Computerは自社製品へのPCI Expressの搭載に関して一切のアナウンスをしていないため、ブリッジを使うことなくAGP Pro 8Xスロットが利用可能なX800XTは、しばらくMacユーザーにとってのハイエンドであり続けると思われる。

 RADEON X800XT Mac Editionは、Dual Link DVIに対応するDVIインターフェイスと、旧Cinema Displayなどに対応するADCインターフェイスをそれぞれ1個ずつ搭載する。当然30型シネマを利用する場合にはDVI側への接続が必須となるが、付属するDVI-VGAアダプタや市販のADC-DVIアダプタなどを利用することで、さまざまな組み合わせのデュアルディスプレイ環境に対応可能となっている。もちろんADC側はUSBハブ機能や電源供給にも対応している。

 RADEON X800XT Mac Editionの米国における店頭予想価格は499ドル。ちなみに米AppleStoreでのNVIDIA GeForce 6800 Ultra DDLの価格は599ドル(国内価格68,040円)、GeForce 6800 GT DDL(同57,540円)が499ドルとなっている。

【お詫びと訂正】初出時に国内での発売時期と価格についての記載を誤っておりました。お詫びして訂正させていただきます。

 またATI Technologiesのブースでは、Mac miniのGPUにRADEON 9200が搭載されていることから、Apple Computer以外のブースでは唯一Mac miniを使ったデモンストレーションが行なわれていた。


お馴染みのRubyを使った30型シネマでのデモンストレーション。右側の旧Apple Cinema Displayとのデュアルディスプレイ環境で動作している ATI Technologiesが提供するMac向けプロダクツがすべて展示されていた ブース内ではApple Computer以外で唯一、Mac miniを使ったデモンストレーションも行なわれていた
□ATI Technologiesのホームページ
http://www.ati.com/
□ニュースリリース(英文)
http://www.ati.com/companyinfo/press/2005/4808.html

●車載が進むiPod

以前同社がCOMDEXなどに出展したときと比べて小さい規模ながらも、CLK、SLK各1台を展示ホールに持ち込んだメルセデスベンツ。来場者の注目度も高い

 基調講演でスティーブ・ジョブズCEOが話したように、メルセデスベンツは展示ホール内にCLKとSLK各1台を持ち込んで「The iPod Integration Kit」の展示とデモンストレーションを行なっている。昨年6月にはBMWグループがBMWとMINIで搭載を発表。今回の基調講演でも、メルセデスベンツをはじめ、日産、ボルボ、アルファロメオ、フェラーリなどが2005年中に順次対応を進めていくことがアナウンスされている。

 メルセデスの車載キットの仕組みはBMWなどと同様で、グローブボックス内などにカーステレオと接続されているiPodのコネクタを用意するもの。車載CDチェンジャーの代わりにiPodが接続されていると考えればいい。ユーザーは持ち込んだiPodを接続するだけで、曲の選択や音量の調整がステアリングからコントロールできるようになる仕組みだ。ちなみに今回展示されていたSLKではダッシュボード内のタコメータとスピードメータの間に、CLKではスピードメーターのなかに、現在演奏中の曲名などがディスプレイされていた。

 メルセデスベンツによれば、ダッシュボード内のディスプレイに表示可能なのはアルファベットが中心ということで、まず米国市場へ投入。その後EUへ展開したのちに2byte対応を行なうかどうかを含めて日本向けの検討に移るという。

 展示ホール内では他にもClarionがアフターマーケット向けのカーオーディオ「VRX755VD」(北米市場向けの製品)を展示。iPodと接続してタッチパネル式のディスプレイに表示されるクリックホイールに類似した画面で曲を選択するデモなどを行なっていた。ほかにも、カセット式のアダプタをはじめとして既存のカーオーディオにiPodを接続するためのさまざまなキットは会場内に目白押し。車社会の米国では、急速にiPodに記録された音楽を車内で聞くためのニーズが高まっていることが感じられた。


□「The iPod Integration Kit」(英文)
http://www.mbusa.com/iPod/

グローブボックス内に収められたiPod photo。メルセデスのエンブレムがかっこいい。接続時はiPodの操作がステアリング側に移動する スピードメーター内に現在演奏されている曲名が表示されている。アルバムの選択や曲のスキップ、音量の調節などはすべてステアリングから行なえる SLKカブリオレ側のダッシュボード内表示は、デジタルビデオカメラを使って車外でも大きく映し出されていた
こちらはClarionのブース。やはり実車を持ち込んでのデモンストレーションが行なわれている 北米市場向けの製品「VRX755VD」。ディスプレイに表示されるコントローラーはiPodのクリックホイールのボタン位置にあわせて違和感なく使えるように工夫されている 車社会の米国だけに、車内でiPodを活用するための周辺機器はまさに多種多様。写真はBELKINブースでのデモ風

 会場ではほかにもiPod関連の周辺機器は数多い。Macに限らずPCも含めてPC本体へのさまざまな機能の統合が進み「周辺機器」という形での機能拡張の余地が減っていることと対照的に、ことiPodに関しては、いまのところアフターマーケットは広がる一方のようだ。そうしたiPod関連周辺機器をはじめ、会場内で見つけたユニークな製品は写真を中心に紹介する。

 Macworldのレポートでは毎回なんらかの新製品を紹介しているGRIFFIN TECHNOLOGYでは、今年もいくつもの周辺機器を見つけることができた。「FireWave」はFireWireポートに接続する5.1chユニット。サラウンドスピーカーセットを使うことで、5.1chに対応するゲームやDVDビデオなどでサラウンド再生を楽しむことができる。今年第二四半期中に99ドルでの出荷を予定。また「BlueTrip」はBluetooth対応のサウンドアダプタ。iPod側アダプタとのBluetooth接続によってワイヤレス再生を行なう。こちらも今年第2四半期に149.99ドルで出荷を開始するという。さらに「Dock800」は、iPod用のケーブルをMacに差しっぱなしでつかってFireWire 400のポートを占有したり、他のFireWire 400機器との頻繁な差し替えを回避するため、まだあまり使われていないFireWire 800のポートをiPodとの接続に利用しようとする隙間製品だ。14.99ドルで販売される。

□Griffin Technologyのホームページ(英文)
http://www.griffintechnology.com/

「FireWave」。5.1ch対応のゲームやDVDビデオの音声をFireWire経由で出力。このデバイスを通じて5.1chスピーカーで再生することができる 「BlueTrip」。Bluetoothを使ってiPodのワイヤレス再生などを実現する。同機能の製品はBELKINでも170ドルで発売予定とのことだったが、そちらは撮影不可 「Dock800」。iPodとMacとの接続を標準のFireWire 400ではなく、まだ使用途に余裕のあるFireWire 800でやろうという隙間製品

 ここ米国では家屋へのオーディオ組み込みが、ちょっとした人気だそうだ。そうしたリフォーム需要とiPodを組み合わせたビジネスがSONANCEの「iPort」。簡単にいえば壁に埋め込むことができるiPodのドックユニットで、ユニットにはあらかじめアンプやスピーカへ接続する端子が用意されているほか、iPodへの電源供給も行なうことができる。配線自体はカテゴリー5のケーブルを使うので、すでに埋め込まれているケーブルがある場合はそれを流用することも可能だ。

 ユーザーはiPodをこのユニットにセットするだけで、やはり壁のなかに埋め込まれたスピーカーから音楽を楽しむことができる。同時にiPodの充電も行なわれるため、外にはそのまま持ち出せばいい。オプションでワイヤードのリモートコントロールユニットを任意の場所に埋め込んだりすることもできるので、言うなれば空調でも調節する感覚で曲を選択したり音量を調節したりできるというわけだ。ほかにも、iPodのコネクタからは様々な信号線を引き出しているようで、iPod photoにも対応するという。ただ、設置には工事がともなうため、すぐに日本市場にも、というわけには行かないようだ。

□Sonanceのホームページ(英文)
http://www.sonance.com/

いかにもアメリカンな感じのデモ展示。iPortの下にあるのがリモートコントロールのユニットで、ケーブルを壁のなかで引き回す限り部屋のどこにでも設置ができる iPortのユニットと背面の結線部分。カテゴリー5ケーブルの線をバラして、各種コントロールや電源の供給に利用する
Mac向けというより、ヘビーなPC自作派向けの製品。3.5インチのハードディスクベアドライブを剥き出しでバスパワーのFireWire/USB2.0の外付けドライブにするアダプタ。外部電源のアダプタ付きで212ドルで販売されていた こちらもお馴染みMacallyのiPod用スピーカーセット「ICE TUNE」。写真のように上下にスタックできるのが特徴。もちろんバラしても使える
写真に写っているのは背面。USBとFireWireのコンボハブにペーパートレイをくっつけたもの。省スペース製品ということか。150ドル iPod関連商品としてPRしていたキャリーカート。アンプとステレオスピーカー、そしてウーファ1個を内蔵している。これがあれば旅先でも大音量で音楽が楽しめるほか、プレゼンテーションにも活躍とのこと。アンプは小型なので、荷物はかなり入るとのこと 今夏のボストン開催、2006年のサンフランシスコ開催のスケジュールが発表されていた。昨年同様、ボストン開催にApple Computerの出展は難しい状況らしい

□Macworld Conference&Expoのホームページ(英文)
http://www.macworldexpo.com/
□米Apple Computerのホームページ(英文)
http://www.apple.com/
□関連記事
Macworld Conference&Expo 2005レポートリンク集
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/link/mw.htm

(2005年1月15日)

[Reported by 矢作晃]

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