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アップル、ジョブズCEO基調講演を国内公開
~Mac miniやiPod shuffleの実機を展示



 アップルコンピュータ株式会社は、米サンフランシスコで開催されているMacworld Conference&Expo 2005において実施された、スティーブ・ジョブズCEOによる基調講演の模様を国内で公開した。

 日本会場では、基調講演の全内容を映像で公開したほか、「Mac mini」、「iPod shuffle」などの実機が展示された。

 冒頭でジョブズ氏は、昨年発表されたiMacについて語り、米国の各メディアが伝えたiMacの評価を抜粋して伝え、非常に好評であることをアピール。また、2005年前半にリリースが予定されているMac OS X 10.4 "Tiger"をはじめ、新機能を搭載した「iWorks '05」、「iLife '05」などを紹介。最後に今回の目玉商品となる、Mac mini、iPod shuffleを紹介するなど、約2時間にわたって熱弁が振るわれた。

 "Tiger"については、「約束通り、今年前半にリリースする。これはLonghornよりも早い」とライバルを牽制しつつ、新機能の一部を紹介。OSに統合された検索エンジン「Spotlight」では、10万通の電子メールのなかから、“Succer”というキーワードを瞬時に検索してみせた。

 「Dashboad」機能も実際にデモが公開された。Dashboadは、デスクトップとは別のレイヤー上に様々な機能を呼び出すもの。世界時計や、計算機をはじめ、天気予報、辞書、電話帳、度量衡計算、最新の株価や航空チケットの予約など、さまざまな情報を瞬時に参照できる様子をデモした。

 また同氏は、「今年はHDの年になる」と語り、H.264に対応する「QuickTime 7」も公開。H.264については、「世界で一番のテクノロジ。HD DVD、Blu-rayのどちらが勝ってもこれに対応していれば問題はない」とし、QuickTimeがHDTV時代に対応することを強調した。なお、QuickTimeのユーザーは、90%がWindowsユーザーという。

Spotlightのデモで“Succer”を検索しているところ Dashboardで各機能をデスクトップ上にレイヤー表示したところ

●5万円台で買えるMac、同社初のシリコンオーディオプレーヤー

Mac mini

 ソフトウェアの紹介が一通り終わると、ジョブズ氏は、「アップルは余計なものをそぎ落としたものを、もっと安く売らないのか、とよく言われる」と切り出し、ディスプレイもキーボードも別売りとなる、新しいMacintoshシリーズ「Mac mini」を紹介した。

 「キーボードやマウスを持っているユーザーは多く、Mac miniは、標準的な仕様のものであれば利用できる。そのほか必要なすべてのインターフェイスも搭載されている」と、小型ながら、必要十分なスペックを備える点をアピール。

 価格についても、「乗り換えを考えている人には、有無を言わせない値段にした。既存のMacユーザーで、2台、3台目を持ちたいという人でも負担が少ない価格」とし、下位モデルが499ドル(58,590円)、上位モデルが599ドル(70,140円)であることを明らかにした。

 本体は、ホワイトとシルバーを基調としたデザイン。電源ボタンを含め、インターフェイス類はすべて背面に配置され、前面パネルはスロットインタイプの光学ドライブ、電源LEDのみを備えるシンプルなものになっている。

 なお、ユーザー側で本体を分解することは想定されておらず、購入後にメモリを増設する場合などは、アップルストアなどに依頼する必要がある。

本体正面は光学ドライブとLEDのみのシンプルなデザイン 背面に全てのインターフェイスを備える
本体裏面。筐体全体にネジなどは見あたらず、ユーザー自身による分解は困難 iPod miniとの比較

 同時に発表されたシリコンオーディオプレーヤーの「iPod shuffle」については、まずMP3プレーヤー市場シェアを公開し、「昨年のiPod mini発表前は、iPodが31%、シリコンオーディオプレーヤーが62%の市場を占めていた。しかし、iPod miniの投入により、2005年1月時点で、iPod65%、シリコン系29%と、2倍以上の成長を遂げた」と、iPodが圧倒的なシェアを獲得したことを強調。

 また、既存のシリコンオーディオプレーヤーについては、「Rio Forge」など具体的なライバル製品をあげ、「これらの製品は、まるで拷問のような操作性で、簡単に曲を見つけることができない。もっと多くの人たちに入ってきてもらうためには、このままではだめだ」などと発言。

 これをうけて開発されたのがiPod shuffleであるという。iPod shuffleは、従来のiPodに搭載されていた液晶ディスプレイやタッチパネルを廃止、極力シンプルな構成としたシリコンオーディオプレーヤー。製品名のとおり、内蔵された音楽をシャッフルで聴くことを主眼としたもの。もちろんプレイリストによる再生もできる。

前年とのシェア比較 iPod shuffleのTV CMも公開 ライバルとして槍玉に上げられたRioのMP3プレーヤー

 「チューインガムサイズ」とジョブズ氏が呼ぶように、長方形のシンプルなデザインで、ボディカラーはホワイトのみ。USB端子がボディと一体化し、端子部分のキャップを外してMac/PCに接続する。キャップは、通常タイプのほか、ネックストラップ付きのものも付属する。

 既存のiPodと同様、iTunesとの組み合わせで利用するのが前提で、MacやPCの音楽ライブラリから、ランダムに曲をピックアップしたり、プレイリストを取得したりして、搭載フラッシュメモリに合った曲データを格納する。

 本体前面のボタンで再生/一時停止やボリューム操作が可能なほか、背面のスライドスイッチで、電源オフ/プレイリスト順/シャッフルの再生モードを選択可能。また、バッテリ残量を参照するボタンも搭載している。

 価格は、512MBモデルが10,980円、1GBモデルが16,980円。ストレージクラスに対応し、USBメモリとしても利用可能。

 ジョブズ氏はiPod shuffleの投入によって、「iPodがより多くの人に親しみやすいものになり、今まで以上に普及していくはず」と、自信をみせ、基調講演を終了した。

ネックストラップを付けた「iPod shuffle」 再生ボタンを押すとグリーンのLEDが点灯 iPodとの比較
本体背面。スライドスイッチにより動作モードを選択。その下にはバッテリ残量ボタンを備える 本体上部にヘッドフォンジャックを装備

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【2004年8月31日】アップル、WWDCで発表した新製品の説明会を開催
~30型シネマディスプレイやMac OS X “Tiger”の詳
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20040831/rio2.htm

(2005年1月12日)

[Reported by kiyomiya@impress.co.jp]

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