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2005 International CESブースレポート

PC関連製品も多数展示されるCES会場

PC周辺機器・パーツメーカーのブースの多くは、ここSouth Hall 3と、その奥に配置されるSouth Hall 4に集まっている

会場:Las Vegas Convention Centerなど

会期:1月6日~9日(現地時間)



 International CESはコンシューマエレクトロニクス機器の展示会ということもあり、家電機器からカーオーディオまで多彩なジャンルの製品が集まる。そうした展示品のなかから、PC関連の周辺機器、パーツなどをピックアップして紹介したい。

●FreeScaleがOEM出荷済みのUWBモジュールをデモ

 現在、MBOA(Multi Band OFDM Alliance)陣営とDS-UWB(Direct Sequence UWB)陣営によるIEEEの標準化争いが注目されるUWB。既報のとおり東芝とシャープのブースでUWBのデモが実施されているが、こちらはMBOA陣営である。

 一方のDS-UWB陣営は、昨年8月にFreeScaleのUWBチップセット「XS110」がFCCによる認証を通過。いち早くOEM出荷を実現しているが、FreeScaleのブースではOEM先がリリースしたUWBモジュールの展示が行なわれている。

 展示されたのはMiniPCIやPCカード、IEEE 1394接続のモジュールである。これらはいずれも今年末ぐらいには実際の製品としてリリースされる見込みだ。モジュールは、いずれもXS110を利用しており、ベースバンドとMAC、RFの3チップ構成となっているのが目に留まる。同社のスタッフによれば今年中に2チップ化を行ない、来年以降には1チップ化を目指したいとしている。

 さらにFreeScaleのブースでは実際にUWBを使った、具体的なデモを実施。2台のノートPCをUWBで接続し相互にストリーミング配信・再生を行なうデモや、デジカメ付き携帯電話で撮影した静止画をUWBを使ってPCへ転送するデモが行なわれている。この携帯電話におけるUWBの利用については、MP3などの音楽データの転送、予定表などをPCとシンクロする際の利用モデルなども提案している。現在の3チップ構成では携帯電話への搭載をためらうメーカーも多そうだが、シュリンクが進み2チップ化、1チップ化と進めば、こうした用途も現実味を帯びてきそうだ。

XS110を使ったMiniPCIモジュール。Gemtek、Global Sun、Sumsungの製品が展示されている 外付け利用を想定した、IEEE 1394接続のUWBモジュール 2台のノートPCをUWBで接続。各々がストリーミング配信・受信を行なう、広帯域幅を必要とする双方向通信のデモ
携帯電話で撮影した写真をUWBでPCへ転送するデモ デモ機のノートPC背面はMiniPCIスロットにUWBモジュールが装着されている

●DVD-R DLメディアやBenQのLightScribe新製品など光学ドライブ関連の製品

 ここで改めて述べるまでもなく、現在コンシューマでも利用可能な2層記録技術といえばDVD+R DLが主流である。一方のDVD-Rの2層記録もプレクスターが対応を表明するなど、利用可能になる日は近い。

 そのDVD-R DLに対応するメディアが、いくつかのメーカーから展示されている。いずれも4倍速記録に対応するメディアで、登場は「間近」とのこと。

 BenQのブースでは、CDラベル印刷技術である「LightScribe」に対応するドライブが2製品展示されている。LightScribeは専用メディアをラベル面を下向きにしてドライブにセットすることで、単色ながらラベル面の印刷が行なえる技術。

 「DW1625」はDVD+R 16倍速、DVD+R DL 2.4倍速に対応するIDE接続の内蔵ドライブ。そのほかの書き込み対応フォーマットと速度は、DVD-R 8倍速、DVD±RW 4倍速、CD-R 40倍速、CD-RW 24倍速となる。

 もう1つの対応製品は外付けタイプの「EW162L」で、対応フォーマットと速度は、DVD+R DL 4倍速、DVD±R 16倍速、DVD±RW 4倍速、CD-R 40倍速、CD-RW 24倍速となる。USB 2.0のほか、シリアルATA接続が可能な点も特徴となっている。

 いずれも今年2月からの出荷を予定しており、米国におけるリテール価格は前者が129ドル、後者が199ドルとのこと。

VerbatimのDVD-R DLメディア RiTEKのDVD-R DLメディア
PRODISCのDVD-R DLメディア JVCのDVD-R DLメディア
Light Scribeに対応するBenQの「DW1625」 同じくLight Scribeに対応する外付けドライブ「EW162L」 EW162LはUSB 2.0のほか、シリアルATAインターフェイスも備える

●Dellの日本未発売フォトプリンタやRS400搭載マザーなど、そのほかのPCパーツ/周辺機器

 Dellのブースで日本未発売のフォトプリンタを展示。搭載されたカードリーダーのデータや、PictBridgeによるデジカメからのダイレクトプリントが可能となっている。米国価格は189ドル。日本での発売は不明とのこと。

Dellが展示している「Dell Photo Printer 540」は写真印刷向けの昇華型プリンタ。専用用紙の上下に設けられたミシン目を切り離すことで4辺フチなし印刷が可能 上部には2.5型液晶を搭載。前面に設けられたCF/SM/SD/MSスロット内の画像を選択して印字が行なえる 左側面にはAタイプ、BタイプそれぞれのUSB端子を装備。PictBridge対応デジカメと本製品を直接接続してダイレクトプリントに対応

 ATIのブースでは、チップセットにRS400を搭載するASUSTeK製マザーボードが展示されている。RS400はAthlon 64にリリースされているRADEON XPRESS 200のPentium 4向けチップセットといえるもので、RADEON X300相当のグラフィック機能を内蔵する。ASUSTeK製品のほか、ECSからも製品化の予定があり、今月中にもリリースされるという。RADEON XPRESS 200/200Pに関しても採用メーカーが増えており、Socket 939/754版合わせて今年2月までに10社19製品がラインナップされることになるという。

ATIブースに展示されたASUSTeKの「P5RD1-V TV」。LGA775のPentium 4に対応。チップセットにRS400のコードネームで知られる、同社のPCI Express対応統合型チップセットを搭載する RADEON XPRESS 200/200Pを搭載したSocket 754マザーも展示。写真はTul Corporationの「A480A7-F」 ATIのブースではRADEON X850XT Platinum Editionなど、昨年12月に発表されたビデオチップを搭載するTul、SAPPHIREといったメーカーの製品も展示。ただし実際のボードは展示がなく、いずれもパッケージのみの展示となっている

 このほかにも多くのメーカーがPC向けの新製品、日本未発売の製品を発売している。ここでは、それらをまとめて紹介しておきたい。

 なお、今回のCESではHDTVのキャプチャーに対応したボードもいくつか展示されているが、いずれもアメリカで利用されるATSC方式に対応したもので、日本では未対応。放送の方式以外にもコンテンツプロテクションの問題があり、「日本向けにも製品を出したいが、予定がたてられない」と各社口を揃えている。ただ、唯一台湾のVvmer Technologyは「次の製品では日本にも対応する」と述べており(リップサービスもあるのだろうが)、期待が高まる。

SOLTEKのブースにはVIAのK8T890を搭載する「SL-K890Pro-754」が展示。NVIDIA、ATIと並ぶ、Athlon 64向けPCI Express対応チップセットを搭載した製品もリリースが近い Leadtekのブースでは、同社のハードウェアエンコーダ搭載のテレビキャプチャーカードである「WinFast PVR2000」のデュアルチューナ版を展示 WinFast PVR2000を小型化し、ロープロファイルに対応したバリエーションモデルも
LeadtekのPC用製品としては、もっとも大きくアピールされていた「WinFast Walkie TV」。USB 2.0接続の小型キャプチャーユニットで、MPEG-1/2/4に対応するハードウェアエンコーダを搭載。時期は未定とのことだが日本でもリリースされるはずとのこと 同じくLeadtekのブースには昨年12月に発表されたGeForce 6200 with TurboCacheを搭載した製品も展示。パネルには128MBとあるが、メインメモリをシェアリングした場合の最大値であり、オンボード上には16MBのメモリを搭載するモデルである MSIのブースでは同社の「MEGAシリーズ」の新製品がメイン。「MEGA VIEW 566」は20GBのHDDを内蔵したポータブルメディアプレーヤーで、DivX/WMV/ASF形式の動画、MP3/WMAの音楽、JPEG/BMP/TIFの静止画を再生可能。内蔵バッテリの再生時間は7時間とされている
「MEGA PLAYER 522」は、SDメモリーカード内のMP3/WMAファイルを再生可能なポータブルオーディオプレーヤー。FMチューナを内蔵し録再生が可能。前面パネルは付け替えが可能で赤、黒、青、緑のパネルが付属する CoolerMasterのブースにはNoconaコアのXeonに対応するファンレスクーラー「E3W-NPTXS-04」が展示されている。スマートなボディなのでデュアルプロセッサの構成の場合でも搭載しやすいのが売り。今月末から2月始めにかけて出荷が開始されるとのこと TwinMOSのブースではDDR2-700モジュールを展示。Cas Latencyは5となる
KOUWELL Electronicsのブースでは、指紋認証機能付きのHDDケースを展示。2.5インチHDD用、1.8インチ両対応、1インチ用の各製品がラインナップされる。指紋の登録はWindows上のユーティリティで行なう。「ソニーが使っているものと同じ指紋センサー」を使っていると、その信頼性をアピールしていた 同じく指紋認証機能付きのUSBメモリも。64MB~1GBまで5製品がラインナップされる

□2005 International CESのホームページ(英文)
http://www.cesweb.org/

(2005年1月9日)

[Reported by 多和田新也]

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