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NVIDIA、GeForce 6200 with TurboCache説明会
~オンボード16MBで128MBのフレームバッファを利用可能

12月20日 開催



 米NVIDIAは20日、現地時間の15日に発表されたローエンド向けGPU「GeForce 6200 with TurboCache」(以下、GeForce 6200 TC)の国内説明会を開催した。

NVIDIAのOng Tze Lin氏

 GeForce 6200 TCは、10月に発表されすでに市場にも出回っている「GeForce 6200」にTurboCacheと呼ばれる独自のフレームバッファ技術を加えたもので、GeForce 6200の下位モデルにあたるもの。解説は同社アジアパシフィック・テクニカルマーケティングマネジャーOng Tze Lin氏が行なった。

 TurboCacheとは、ビデオカード上のローカルメモリに加え、システムメモリの一部をGPUのフレームバッファとして利用する技術。GeForce 6200が128MBのオンボードメモリを搭載するのに対し、GeForce 6200 TCは最低で16MBと数世代前の製品並みのメモリしか搭載しない。これによりGeForce 6200 TCは、カードの価格を抑えながら、GeForce 6200に近い性能を得ることを実現した。ただし、システムメモリは最低512MBが必要となる。

 製品ラインナップは、オンボードに16/32/64MBを搭載した3種類が用意。ローカルメモリとノンローカルメモリの合計容量は16MBと32MBが128MB、64MBが256MBとなり、システムからはその合計容量を搭載したカードとして認識される。店頭での価格帯はそれぞれ79/99/129ドル程度となる見込み。

 GeForce 6200 TCのGPUにはTurboCache Managerと呼ばれるメモリコントローラが内蔵されており、ローカルメモリの容量を超えるフレームバッファが必要になると自動的にシステムメモリの一部をフレームバッファとして確保し、不要になると開放するという具合に、ダイナミックなメモリアロケーションを行なう。

 オンボード16MBのタイプでは、32bit幅のメモリチップが1つ、32MBのタイプでは2つ搭載され、メモリクロックが標準仕様の700MHz(DDR)の場合、メモリ帯域幅は上り/下り合わせて、それぞれ2.8GB/sec、5.6GB/secとなる。

 これに加え、GeForce 6200 TCはPCI Expressを通じ、上り/下り合わせて8GB/secの帯域幅でシステムメモリをフレームバッファとして利用でき、合計のメモリ帯域幅は10.8GB/sec、13.6GB/secとなる。

TurboChacheの仕組み(写真右) システムメモリへのフレームバッファの割当は必要に応じて自動で行なわれるが、カードのプロパティ画面では128MBないしは256MBのカードとして認識される

 PCI Express x16の帯域幅は、最新の3Dゲームでも持て余すほど広く、その帯域幅を最大限活用するのはHD(High Difinition)映像の編集くらいと言われていたが、GeForce 6200 TCは、それを十分に活用したアプリケーションと言える。また、システムメモリ上のテクスチャキャッシュをローカルメモリに転送せず、そのままレンダリングできるため、パフォーマンスの面でも有効だという。ちなみに、ATIは同様の技術をビデオ内蔵チップセット「RADEON XPRESS 200」に実装している。

チップセットによる性能の違い

 ただし、Lin氏によれば、同じPCI Express対応チップセットでもIntel 915/925ファミリでは、PCI Express x16で上り1GB/sec、下り3GB/secの帯域幅しかないため、上り/下りとも4GB/secをフルに確保しているnForce4チップセットに比べると実効性能が劣るという。

【12月22日追記】PCI Express x16の帯域幅について、Intelでは上り/下りとも規格値の4GB/secを確保していると主張していることを追記させて頂きます。

 なお、AGPでは、上り/下り合わせた帯域幅が約2GB/secしかなく、バスがボトルネックとなるため、GeForce 6200 TCのAGP版は用意されない。また、SLIには対応しない。

 TurboCache以外の仕様はGeForce 6200にほぼ準じ、上位モデル同様DirectX 9.0c(Shader Model 3.0)に対応。標準コアクロックは350MHzで、ピクセルパイプラインは4、バーテックスシェーダユニットは3となる。

 性能は、16MBタイプがRADEON X300 SEに対し最大25%、32MBタイプが同X300 LEに対し最大50%高速だという。なお、64MBタイプはGeForce 6200(128MB)に対し、価格/性能とも若干下回るという。

GeForce 6シリーズの機能比較。GeForce 6200はSLI以外、上位モデルと同じ機能を搭載 競合ATI製品との機能比較
3Dベンチマーク結果 2Dベンチマーク結果

 会場には各社のカードも数多く展示。各社とも出荷時期は1月中旬~下旬頃で、店頭での実売価格は16MBタイプが8千円前後、64MBタイプが1万円前後となる見込みという。

クリスマスということで、サンタクロース衣装のキャンペーンガールとGeForce 6200 TCを紹介するNVIDIA株式会社PCビジネス担当シニアマネジャーの東 正次氏 GeForce 6200 TCの性能を示すデモとしてHalf-life 2のデモも行なわれた Albatronの「TC6200Q」。オンボード64MB
AOpenの「PCX6200TX-DV64」。オンボード64MB ASUSTekの「Extreme N6200TC256/TD/64M」。オンボード64MB 玄人志向の「GF62TC-E256H」。オンボード64MB
ELSAが参考展示したオンボード16MBの製品。実際は64MB搭載品が「GLADIAC 544TC 64MB」の型番で登場予定。写真のようにELSA以外にもHDTVケーブルを添付するメーカーは多いようだ GAINWARDの「Ultra/1420PCX TV-DVI」。オンボード16MB GAINWARDの「Ultra/1430PCX TV-DVI」。オンボード32MB
GAINWARDの「Ultra/1440PCX TV-DVI」。オンボード64MB GAINWARDの「Ultra/1440PCX TV-DVI」のLow Profile版 GIGABYTEの「GV-NX62TC256D」。オンボード64MB
MSIの「NX6200TC-TD32」。オンボード32MB

□NVIDIAのホームページ(英文)
http://www.nvidia.com/
□製品情報(英文)
http://www.nvidia.com/page/geforce_6200.html
□ターボキャッシュ技術情報(英文)
http://www.nvidia.com/page/turbocache.html
□関連記事
【12月20日】NVIDIA、ターボキャッシュ搭載のGeForce 6200
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1216/nvidia.htm
【11月8日】ATI、Athlon 64用PCI Express対応チップセット「RADEON XPRESS 200」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1108/ati.htm
【10月20日】NVIDIA、PCI Express対応Athlon 64用チップセット「nForce4」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1020/nvidia.htm
【10月12日】NVIDIA、4ピクセルパイプのバリュー向けGPU「GeForce 6200」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1012/nvidia.htm

(2004年12月20日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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