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ワコム、トラックパッドを搭載したペンタブレット「Intuos3」
~フェルト芯などで書き味のカスタマイズが可能に

9月17日発売

価格:オープンプライス



 株式会社ワコムは、同社のハイエンドペンタブレットシリーズとして「Intuos3」(インテュオス スリー)を発表、9月17日より発売する。価格はオープンプライス。対応OSはWindows 98 SE/Me/2000/XP、Mac OS X 10.2.6以降。Mac OS 9用ドライバは同社ホームページからダウンロードする必要がある。

 入力エリアサイズが異なる3モデルが用意され、店頭予想価格は、入力エリアがA4サイズの「PTZ-930」が42,800円、A5サイズの「PTZ-630」が29,800円、A6サイズの「PTZ-430」が19,800円の見込み。いずれもボディカラーはクリスタルグレーとクリスタルシルバーの2色が用意される。

PTZ-930/G0(クリスタルグレー) PTZ-630/S0(クリスタルシルバー) PTZ-430/G0(クリスタルグレー)

 電磁誘導方式を採用した、同社タブレットシリーズの最新モデル。デザインが一新され、タッチセンサーを内蔵したトラックパッドと、4個のボタンを備える操作パネル「ExpressPad」を搭載。アプリケーションごとに異なるショートカットを割り当て可能で、トラックパッドにPhotoshopの拡大縮小機能を割り当てれば、指をパッド上で上下にスライドさせるだけで、拡大縮小機能を利用できる。

 付属のスタイラスペン「Intuos3グリップペン」にも改良が施され、ペンの握りやサイドスイッチの反応速度、形状などを改良したほか、Gペンを参考に、ペン軸が長いデザインとなった。

 ペン先には従来モデルと同様の「標準芯」のほか、摩擦係数が大きい「フェルト芯」、力を入れると沈み込む動作をする「ストローク芯」などが付属する。また、入力面のオーバーレイシートも交換可能で、オプションとしてマットタイプのシート(1,000円~2,000円)が用意される。これらの組み合わせによって、ユーザー自身がペンの書き味をカスタマイズできるようになった。

 また、入力エリアの最小分解能が従来比の2倍の0.005mmとなり、よりリアルな線の再現が可能になったとしている。そのほかの基本性能は従来モデルから継承し、最小ON荷重(入力可能な圧力)は30g(ドライバの設定で10g以下も可)、1,024レベルの筆圧検知、最高200ポイント/秒の読み取り速度、±60レベルの傾き検出機能などを備える。

 インターフェイスはUSB。グリップペン、ペンスタンドのほか、タブレット上で利用可能な「Intuos3マウス」が付属する。

 本体サイズは、PTZ-930が439.5×340×14mm(幅×奥行き×高さ)、重量1.8kg、PTZ-630が345×261.5×13mm(同)、重量1kg、PTZ-430が238.5×217×13mm(同)、重量0.6kg。

スタイラスペンにも改良が施され、ボタンのデザインなども変更された。写真右はフェルト芯を装着したスタイラス オーバーレイシートのサンプル。より摩擦係数の高いマットタイプのシートが用意された。両面テープで貼り替えて使用する
新採用の「ExpressPad」。4つのボタンとトラックパッドを備える ExpressPadは上位モデルで左右に1つずつ、PTZ-430は左側に1つのみの搭載。また、ペンのスタンドは、スタンド上にペンを寝かせた状態で置けるように切り込みが用意された(写真右)
ワコム株式会社代表取締役社長兼代表執行役員 山田正彦氏

 発表会では同社代表取締役社長兼代表執行役員の山田正彦氏が挨拶し、「日本発の技術がグローバルスタンダードの地位を得ることは難しいが、現在弊社は世界のタブレット市場では70%のシェアを持つようになった」などと述べ、同社が当初から世界市場を視野に入れて事業を展開してきたことをアピールした。

 また、「将来は、PCのキーボードが無くなり、液晶=コンピュータという世界になる。ペンでコミュニケーションをとる時代が来たとき、そのスタンダードとなっていきたい」と今後の抱負を語った。

CGアーティスト フレデリック・スマーニャ氏

 同社のペンタブレットが映画やゲーム業界などで広く使われていることをうけ、発表会場には「タイタニック」やハリウッド版「ゴジラ」などの映画でCGアーティストとして活躍したフレデリック・スマーニャ氏がゲストとして登場。山田社長と対談し、映画制作における体験談などを披露した。

 スマーニャ氏は、ペンタブレットを初めて使った時の印象を聞かれると、「まったく憶えていない。なぜなら、すでにペンタブレットは自分のからだの一部となってしまったから。幼い頃、自分がいつ頃から立って歩けるようになったのか記憶がないのと似ている」と、ペンタブレットが今では無くてはならない道具になっていることを印象づけた。

 CG制作については、実際にタイタニックやゴジラなどの映像を見ながら解説し、「ゴジラがミサイルを撃ち込まれて怪我をするシーンでは、傷口をリアルに見せるため、近くのスーパーで買ってきた肉をスキャナーで取り込んで仕上げた」などと、裏話を披露したほか、現在日本の「XENN STUDIO」が制作中で、スマーニャ氏が原作/監督を務めるアニメーション作品の映像も上映した。2005年に公開される予定。

 同氏は最後に「ペンタブレットは、普段はプロが使うものだと思われがちだが、私の友人にも、プロではないのにペンタブレットを使って楽しんでいる人がいる。一般の人にも十分使ってもらう価値があると思う」などと語って対談を締めくくった。

対談はスマーニャ氏がこれまで担当した映画の映像を交えながら行なわれた 日本の「XENN STUDIO」が制作中のアニメーション作品。スマーニャ氏が原作/監督を務める

□ワコムのホームページ
http://www.wacom.co.jp/
□ニュースリリース
http://tablet.wacom.co.jp/what/detail/detail_press.html?nno=311

(2004年9月9日)

[Reported by kiyomiya@impress.co.jp]


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