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写真で見る「キヤノン EOS 20D」



 20日にキヤノンが発表した「EOS 20D」は、ハイアマチュアからプロまでをカバーする中堅機だ。

 前作「EOS 10D」は「ノイズリダクションモードは不要」とされるほどノイズが少なく、キヤノンらしいはっきりした色作りの高画質が好評を博したが、ライバル機と比較すると見劣りする起動速度やファインダーの見え、連写機能などに対する改善要望もあった。また、APS-Cサイズの撮像素子を採用しているにもかかわらず、純正のAPS-C専用設計レンズが使用できなかったため、広角レンズの選択肢が少ないという不満もあった。

 20Dではこうした弱点を丁寧に潰したうえで、撮像素子や画像処理エンジンには1D Mark IIに採用された技術を搭載し、性能を向上させているとされており、発売前から大きな注目を集めている。

 今のところ実写可能な機材は用意されていないが、外観の詳細を撮影することができた。ここでは20D単体のほか、同時に発表されたAPS-C専用設計レンズ「EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM」、「スピードライト 580EX」を、写真で紹介する。また、EOS 10DやKiss Digital、ニコン D70との比較写真もあわせて掲載する。

EF-S17-85mm F4-5.6 IS USMを装着した20D。外観上で10Dとの大きな違いは背面液晶モニターの右上、電子ダイヤルの上にジョイスティック状の「マルチコントローラー」が追加されたこと。AF測距点の選択のほか、拡大画像のスクロールなどにも使われる
EFマウントにはEF-Sレンズ用の白い指標が追加されている。右は清掃モードにして、CMOSを覗き込んだところ
各部に大きな違いはない。USBは2.0に高速化されている
マルチコントローラ

●vs EOS 10D

 前機種「EOS 10D」と並べてみた。20Dには引き続きEF-S17-85mm F4-5.6 IS USMを装着。10Dには「10Dに装着可能な手ぶれ補正付き標準ズームレンズ」として「EF28-135mm F3.5-5.6 IS USM」を装着している。

 仕様では10Dよりもやや小型化されている20Dだが、外観のコンセプトを継承しているため、両機の違いは細部をよく見ないとわからない。20Dではペンタプリズム部をややスマートにすることで締まった印象をつくり出している。

 細かいところではペンタプリズム部前面の「Canon」ロゴが、10Dでは印刷だったが、20Dでは彫り+塗装になり、高級感が増している。

 なお、すべての写真で左側にあるのが20D、右側が10Dだ。

●vs EOS Kiss Digital

 価格的にも機能的にもまったく異なるが、弟分となるEOS Kiss Digitalのブラックモデルと並べてみた。Kiss Digitalには同機の標準レンズ「EF-S18-55mm F3.5-5.6 USM」を装着してある。

 2台を並べて印象的なのは、各種操作系の位置、操作方法がまったく異なっていること。両機なりの理想を追求した結果ということなのだろうが、Kiss Digitalからのグレードアップ時や、2台を併用したいときなどは戸惑いそうだ。

 なお、すべての写真で左側にあるのが20D、右側がKiss DIgitalだ。

●vs ニコン D70

 価格的には開きがあるが、ニコン D70にも登場してもらった。D70には、同機に装着可能な手ぶれ補正付き標準ズームレンズとして「AF-S VR Zoom Nikkor ED 24~120mm F3.5~5.6G(IF)」を装着してある。

 幅や高さ、奥行きに微妙な違いはあるものの、2台とも容積はほぼ同じように見える。本体重量は20Dが685g、D70が約595g。D70ではペンタプリズムでなくミラーを採用しており、20Dの外装がマグネシウム合金であることなどを考えると、妥当な差だろう。ちなみにD70の兄貴分「D100」は約700g、10Dは790gだった。

 なお、すべての写真で左側にあるのが20D、右側がD70だ。

●EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM

 EF-S17-85mm F4-5.6 IS USMはユーザー待望のAPS-Cサイズ専用設計レンズだ。一眼レフ用としては高倍率の5倍光学ズーム、手ぶれ補正機構など、現代の標準ズームとして最先端の仕様を誇る。

 20D装着時の35mm判相当の焦点距離は27~136mmで、同社の35mm判用レンズ「EF28-135mm F3.5-5.6 IS USM」のAPS-C版ということになる。

写真右は左から「EF28-135mm F3.5-5.6 IS USM」、「EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM」、ニコンの「AF-S VR Zoom Nikkor ED 24~120mm F3.5~5.6G(IF)」
手ぶれ補正の制御はON/OFFのみ。モード切替スイッチなどはない 左がEF-S17-85mm、右はEF28-135mmのマウント。EF-SにはEF-S非対応機に誤って装着しようとしたときに、カメラ内部を保護するための緩衝材が付く
望遠端(左)ではこのくらい鏡胴が伸びる
こちらはEF-S18-55mm F3.5-5.6 USMを20Dに装着したところ。これまでKiss Digitalとのセット販売のみだったEF-S18-55mmだが、EF-S対応機が増えたことで単体発売されることになった

●スピードライト 580EX

 20Dと同時に発表された「580EX」は、ガイドナンバー58(ISO100/照射角105mm)の外部ストロボで、「550EX」の後継機となる。

 E-TTL II自動調光、バウンス対応、ワイヤレス多灯撮影対応など最上位機らしい機能を備えるほか、画面サイズ対応自動ズームや色温度情報通信機能といった、デジタルカメラならではの機能も備えた最新ストロボだ。同社製ストロボとしては初めて、操作系にダイヤルを採用している。

□製品情報
http://cweb.canon.jp/camera/eosd/20d/index.html
□関連記事
【8月20日】キヤノン、820万画素デジタル一眼レフ「EOS 20D」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0820/canon1.htm

(2004年8月24日)

[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]


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