西川和久の不定期コラム

Kodak EasyShare LS743 Zoomで夏休み!



桐明弘子

桐明弘子

 今回使うカメラはKodak EasyShare LS743 Zoom! 久々に国内販売されるKodakのデジカメでしかもオリンピック記念限定バージョンだ。

 前回までの夏休みスペシャルはカメラが上級機と言うこともあり、作品っぽい感じで撮ったものの、LS743は普通のコンパクトカメラ。シーズン真っ只中の湘南で「楽しい海!」の雰囲気に仕上げてみた。

 リンク先の画像は、後半のレフ板を使った写真数枚以外全てノーレタッチで400万画素のまま掲載している。

Text by Kazuhisa Nishikawa


●独特のKodakカラーは健在か!?

 数多くのデジタルカメラの中、独特の色合いを出しているのが、二大フィルムメーカーである富士フィルムとKodakだ。特にKodakは色乗りが抜群。ただ赤色がどうとか、青色がどうとか、そう言った色自体の話ではなく、光の雰囲気や感じが非常に良く出る独特の写り。ライター仲間でもこのKodakカラーのファンは多く筆者もその一人だった。しかし機能面やデザインなど、色以外の部分を競合他社と比較すると今一歩(二歩!?)の感があり、約3年前に日本市場から撤退してしまったのだ。

 そのKodakがオリンピック記念限定バージョンとは言え久々に登場。もし以前の色そのままなら、夏の海は似合うハズ! と早速撮影に行ってきた。カメラのセッティングはISO80、WB:Daylight、撮影モード:AUTO、AF:センター、画質:最高画質である。

●実際使っての感想

 さて期待の色であるが、ノーレタッチでご覧の通り。昔好きだったKodakカラーは健在である。適度なコントラストと色の濃さでレタッチする必要が無い画像をはじめから作り出している。素材性重視のため標準設定では浅いコントラストと色合いに仕上げている国内メーカーとは180度違う絵作りだ。

 湘南の空がこんなに濃い青色なのか!? という話はさて置き、その場の光を素直に表現し、見栄えのする色で奥行き感がある。モニター上で1:1に表示して細かい部分を見ると、400万画素の割には解像感が低い、シャープネスが強く設定で変更できないなど、アラは出てくるものの、この色を見れば筆者的には全て許してしまえる程魅力的だ。バッテリーに関しては、一本で約220枚+サンプル程度の動画3本撮影できた。容量を考えると標準的な値であろう。

 しかし、色以外の部分は相変わらずアメリカン。一番面食らったのは、撮影モードをAUTOからマクロに切り替えると、全ての設定がデフォルトに戻ってしまうことだ。筆者の場合、ISO AutoからISO80、ホワイトバランスをAutoからDaylight固定、内蔵ストロボ自動からOFF、AFマルチからセンターにセットしているが、これが全て戻ってしまう。通常撮影時も電源のON/OFFで全てリセットされ毎回この設定のやり直しとなるのは、カメラの用途を考えると仕方がない気がするものの、単にマクロモードにするだけでリセットしてしまうのはどうしたものか!? と思ってしまう。その他いろいろな操作が国内で一般的(標準的?)な手順と違うため非常に使い難い。速度面は問題無いレベルに仕上がっているだけ残念である。動画機能に関してはここ(QuickTime:4.05MB)に一本データを置くので参考にしてほしい。


●総論

お世話になった海の家

前々回に続きお世話になった海の家

 発表会の記事によると「本当の再参入にはまだ時間がかかる」と記されている。確かに色はともかく、最もハイレベルな攻防が行なわれている国内市場で、このLS743 Zoomレベルの商品を投入してもなかなか難しいと思われる。

 バッテリー充電用のACアダプタでさえ、ワールドワイド仕様でプラグ部分が脱着式。販売する国に応じて取り替える仕組みで、折りたためず持ち運びに不便。マニュアルも英語と日本語で書かれ、必要最低限の記述など、本体以外にも日本国内では通用しない部分がある。

 しかし、何よりもこの色が好きな筆者は早く再参入して欲しいと願っている一人だ。頑張れKodak!!


□製品情報
http://www.kodak.com/eknec/PageQuerier.jhtml?ncc=jp&lcc=&pq-path=2885&pq-locale=ja_JP
□関連記事
【7月12日】コダック、3年ぶりにコンパクトデジカメに復帰
~本当の“再参入”は今年後半
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0712/kodak.htm

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(2004年8月13日)

[Text by 西川和久]


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