8月7日 開催

　DOS/V POWER REPORT、およびAKIBA PC Hotline!編集部共同主催による「第1回キューブタイプPCミーティング」が7日、東京・秋葉原で開催された。

　同イベントは、キューブタイプPCの今後の発展についてユーザーと一緒に語り合うことを目的として開催されたもので、先だって行なわれた「キューブタイプPCコンテスト」の入賞作品や、各メーカーの新製品などが展示されたほか、マイクロソフト、インテル、AMDによるセッションも行なわれた。

●自作向けMedia Center Editionは9月18日発売

　マイクロソフトによるセッションでは、同社OEM営業本部システムビルダーグループの森洋孝氏が、自作市場向けに提供されることとなったWindows XP Media Center Edtion(以下、MCE)についての情報を更新した。

マイクロソフト森洋孝氏

　Microsoftは7月に、これまで大手PCメーカーのみに限定していた同OSの提供範囲を拡大し、ショップブランドPCや、CPUなどのパーツとのバンドル販売に向けた提供を開始することを発表していた。

　発表当初は、提供開始時期について今秋とされていたが、9月18日の予定であることが明らかにされた。

　MCEでは、各種メディアファイルにリモコン操作で簡単にアクセスできるユーザーインターフェイスが売りとなっているが、基本的にリモコンは同梱されない。ただし、同社の純正リモコンがOSから少し遅れて一般販売されるほか、9月末以降、同社の認定を受けたサードパーティ製リモコンも発売予定だという。

　価格については、販売店が決定するものなので具体的な価格は明言されなかったが、OEM版のWindows XP Professionalよりも若干安くなる見込みという。

　OSの動作環境は、現在販売されているPCであれば、ロースペックのものでも十分動作するが、TVチューナカードについては一部動作しないものもあるという。この点についても、9月末以降、同社の認定を受けた製品が出てくる予定。

MCEではリモコン操作で各種ファイルにアクセスできる。携帯電話方式の入力で検索も可能	音楽ファイルを再生する際の画面。Media Player同様、インターネット経由で曲名やアルバムジャケット画像などをダウンロードできる	TVチューナのある環境では、EPGによる番組録画も可能。通常視聴の際もタイムシフト再生や一時停止にも対応

　そのほか、今後の予定として、年末までに音楽や映像のオンライン配信や、オンライン購入への対応が図られ、MCEのインターフェイス上で動作するゲームなども登場予定だという。

　MCE搭載PCは、すでに大手メーカーからは発売されているが、森氏によれば「今のところあまり売れていない」という。ただしこれは、同OSのコンセプトや機能などの問題ではなく、搭載PCが少ない、店頭でOSが購入できないという入手性の問題のようで、来場していたユーザーの多くは、MCEのデモ機に触れ、軽快でわかりやすいインターフェイスに高い関心を示していた。

　同社は9月11日より、MCE PCのカスタマイズ作品などを募集する「Media Center PCコンテスト」を開催予定で、「自作ユーザーなどパワーユーザーにMCEのさまざまな使い方を創出して欲しい」とした。

年末をめどにオンラインコンテンツにも対応するほか、ゲームも追加される	Media Center PCコンテストの概要	展示コーナーでは大型TVに接続したデモを行なった

●キューブタイプPCコンテスト受賞作品が展示

　キューブタイプPCコンテストのセッションでは、各受賞者が実機を持参し、作品のコンセプトや苦労話などを語った。

　L字型、F1カー型など、奇抜で独創的な外観をしたものが多かったが、いずれの作者も応募のきっかけについて、自分が本当に欲しい、使いたいPCを形にした結果、と異口同音に語った。

　キューブタイプPCと液晶ディスプレイを一体化させた作品で「キューブタイプPC カスタマイズコンテスト」の大賞を受賞した若泉貴之氏は、小型のPCに見合う大きさのいい液晶パネルを探すことや、パネルの配置角度などに苦労したと、開発秘話を語った。 　受賞作品については、各メーカーも興味を示しており、これらの作品のアイデアを生かした製品が実際に製品化される可能性も少なからずあるようだ。

キューブタイプPC カスタマイズコンテスト大賞受賞作品「AVミニコンポPC 」。液晶パネルはノートPCのものを流用した	キューブタイプPC デザインコンテスト大賞受賞作品「L-CUBE」。デザインでの応募作品だが、今回モックアップサンプルをわざわざ作成してきた	Playstation 2の筐体をそのままにPC化してしまった「自作PC～PS2パソコン」。当然だがWindowsが起動する。PS2のコントローラも内部でUSB変換し、使えるようにしてある
同一の作者によるソフトクリーム型とF1カー型のPC。外観はキューブではないが、中で使用しているパーツがキューブタイプPCからの流用品	ちょうつがい型という外観もユニークだが、仕上がりもきれいな「CiNQ(サンク)」。電源とマザーボードを分離配置することで、熱源/ノイズ源を隔離した	デザインコンテスト特別賞受賞の「NEKO(猫)」。かわいさが目を引くが、肉球により振動や騒音を抑えるなど実用性にも配慮されている

●AOpenのPentium M搭載機が初披露

　展示コーナーでは、AOpen、ASUSTeK、BIOSTAR、ECS、GIGABYTE、MSI、Shuttle、SOLTEK、MCJ、ソルダムらが自社製品を展示。AOpenは、Pentium M対応機、ソルダムはブラックアルマイト加工した新製品などを参考展示した。

展示コーナーには各社の新製品が一挙展示	Pentium Mを搭載するAOpenの「XC Cube EZ855」。カラーバリエーションも用意	ブラックアルマイト加工を施したソルダムの「Sharone」。Intel 915チップセットを搭載し、PCI Express x16、LGA775 Pentium 4に対応。ホワイトバージョンもある

□キューブタイプPCミーティングのホームページ
http://home.impress.co.jp/info/20040721_cube_pc/
□関連記事
【7月13日】Microsoft、Media Center Editionを自作市場向けに提供開始
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0713/ms.htm
【5月29日】キューブタイプPC デザインコンテスト入賞者発表(AKIBA)
http://www.watch.impress.co.jp/akiba/hotline/20040529/cube_design.html
【2月28日】キューブタイプPC カスタマイズコンテスト入選者発表(AKIBA)
http://www.watch.impress.co.jp/akiba/hotline/20040228/cube_kekka.html
【2003年11月29日】キューブタイプPC カスタマイズコンテスト開催(AKIBA)
http://www.watch.impress.co.jp/akiba/hotline/20031129/etc_customcube.html

(2004年8月7日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]