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「テレビゲームとデジタル科学展」7月17日から開催
~ENIACからゲームボーイまで一斉に展示

国立科学博物館

会期:7月17日~10月11日
会場:国立科学博物館



 東京上野の国立科学博物館にて7月17日から10月11日の会期で「テレビゲームとデジタル科学展」が開催される。開催に先立ち16日に報道関係者向けの内覧会が催された。

 同展示会は、ゲーム機の前身であるコンピュータの生い立ちから、現在に至るまでのゲーム機の変遷や成果を紹介するもの。世界初のコンピュータといわれる「ENIAC」に始まり、世界初のアーケードゲーム「コンピュータスペース」、世界初のTVゲーム「ブラウン・ボックス」などほか、最新のゲーム機まで数々の貴重な歴史的製品が展示されている。

国立科学博物館産業技術史資料情報センター主幹の清水慶一氏

 内覧会では、国立科学博物館産業技術史資料情報センター主幹の清水慶一氏が今回の展示会の趣旨を説明した。

 清水氏によれば「コンピュータが非常に社会に浸透している今、ブラックボックス化されていて、中身が一般人にはわかりにくいところがある。TVゲームという親しまれている素材をもとに、今のコンピュータとTVゲームはどのような関係にあるのか、ゲームはどういう技術やエンターテイメント性で作られているのかを、わかりやすく展示した」という。

 会場は大きく9つのゾーンに分かれている。ゾーン1のテーマは「電脳誕生~コンピュータの黎明期とテレビゲームの誕生」で、中央には世界初のコンピュータ「ENIAC」の一部が展示されている。ENIACは日本初展示。

 その周りを囲むようにして、日本初の機械式計算機「矢頭良一の自動算盤」、世界初のCPU「Intel 4004」、世界初のPC「Altair 8800」のほか、「Apple I」、「TK-80」、「IBM PC」などが展示されている。

歴代のコンピュータが揃うゾーン1 世界初のコンピュータ「ENIAC」 ENIAC開発者の1人であるバークス教授のサインが入った真空管
日本初の機械式計算機「矢頭良一の自動算盤」 '56年に当時の通産省電気試験所が開発した世界初のトランジスタコンピュータ「ETL Mark III」の後継機「ETL Mark IV」のパルス増幅器パッケージ/ゲート回路パッケージ(写真左)と、高速磁気ドラム(写真右) '71年に開発された世界最初のCPU「Intel 4004」
アラン・ケイが理想のコンピュータとして提唱した「ダイナブック」の実現を目指してパロ・アルト研究所で開発された「Alto」。マウス、GUI、ネットワーク機能などを備え、その後のLisaやMacintoshに影響を与えた 8bit CPU「Intel 8080」 Intel 8080を採用した世界初のPC「Altair 8800」(写真左)。メモリは256byteで、表示はLED。右にあるのは入出力用のテレタイプ端末、左下にあるのは紙テープ
'76年発売の「Apple I」。CPUは6502 1MHz、メモリは4KB。筐体上部にスティーブ・ウォズニアック氏のサインが入っている '81年発売の「IBM PC」。CPUはIntel 8088 4.77MHz、RAM 64KB、ROM 40KBを搭載。容量160KBの5インチFDD、720×350ドットのモノクロディスプレイを備えるなど、だいぶ現在のPCに近いスタイル NECが'76年に発売した組み立てキット「TK-80」。16進キーボードと8桁のLEDを備える
日立製作所のベーシック・マスター「MB-6880」。CPUは HD46800(6800互換) 1MHz、RAM 4KBを搭載。ROMにBASICを内蔵する。'77年発売 NECが'79年に発売し、ベストセラーとなった「PC-8001」。CPUはμPD780C-1 4MHz。RAM 16KB、ROM 24KB、Microsoft N-BASICを搭載 '78年にシャープが発売した「MZ-80K」。CPUはZ-80 2MHz、メモリは20KB(最大48KB)。外部記憶装置にカセットテープを採用
'81年発売のOsborne Computer製可搬型PC「Osborne 1」 ビットマップディスプレイ上にGUIを初めて採用したApple Computerの「Lisa 2」。'84年発売。価格は9,995ドル '82年に発売されたTANDY製A4型軽量PC「TRS-80 Model100」。40桁×8行表示のモノクロ液晶を装備し、アルカリ単三電池4本で18時間以上の動作が可能
'75年にBurroughaが開発した容量10MBの磁気ディスク。スーパーコンピュータ用 右下に写る12cmディスクと比較するといかに巨大なものか分かる ETL Mark IV Aに採用された磁心記憶装置
CDIが'70年に開発した初期のマウス

 ゾーン2のテーマは「テレビゲーム初めて物語り」。ここでまず目を引くのは、流線型の青いアップライト型筐体を採用した世界初のアーケードゲーム「コンピュータスペース」。

 そのほかゾーン2では、コンピュータスペースの大元となった初の双方向性コンピュータゲーム「スペース・ウォー」の実働レプリカ、世界初のカートリッジ式家庭用ゲーム機「ATARI 2600 VCS」などが展示されている。

世界初のアーケードゲーム「コンピュータスペース」 コンピュータスペースの大元となった初の双方向性コンピュータゲーム「スペース・ウォー」の実働レプリカ '68年に開発されたTVゲーム機「Brown Box」本体のレプリカ
Brown Boxの銃型コントローラ '72年に発売された量産アーケードゲーム「PONG」 世界初のカートリッジ式家庭用ゲーム機「ATARI 2600 VCS」

 ゾーン4~5は日本製ゲーム機を一堂に集めた展示場となっており、日本初の家庭用TVゲーム機「テレビテニス」から「ゲームボーイアドバンス」まで多数のゲーム機が所狭しと並べられている。

 なお、会場では「デジモン」を採用した「ユビキタス・ゲーミング」(別料金)をプレイすることができる。小型モニタとイヤフォンを装備した「ウォールストーン」には、赤外線発信器が内蔵されており、会場を歩くと、特定の場所でデジモンのメッセージが流れ、ミニゲームやクイズを楽しめる。

ゾーン4の入り口には懐かしのアーケードゲーム筐体が並ぶ。一番左はタイトーの「スペースインベーダー」。真ん中はまだ名前が初期のままのナムコ「PACMAN」
スペースインベーダー開発者の西角氏によるキャラクタのスケッチというなかなかお目にかかれない資料も 入り口から歩を進めると、大量のゲーム機が表れる エポック社の日本初の家庭用TVゲーム機「テレビテニス」。発売は'75年
任天堂が独自開発した「ブロック崩し」。'79年発売 エポック社が'84年に発売した「スーパーカセットビジョン」 最後には最新の携帯ゲーム機がずらりと並ぶ
会場出口付近では、PlayStation 2の「EyeToy」の新作や、NTT東日本のオンラインゲーム「トゥーンタウン・オンライン」などを試遊できる ユビキタス・ゲーミングで使用する「ウォールストーン」
【お詫びと訂正】初出時に各機器の仕様について、多数の誤りがありました。ご指摘のメールをいただいた読者の皆様にお礼申し上げます。

□テレビゲームとデジタル科学展のホームページ
http://www.kahaku.go.jp/game/

(2004年7月16日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]


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