WWDC 2004前日レポート

Apple ComputerのWWDC 2004明日開幕
~“Tiger”をプレビュー。何らかのサプライズも?


会期:6月28日~7月2日(現地時間)
会場:San Francisco「Moscone Cneter」


昨年に引き続いてWWDC 2004の会場となるMoscone CenterのWest Hall。今年はガラス張りの壁面に大きなソリッドアップルのロゴとWWDC 2004の文字が登場している
 Apple Computerが同社製品の開発者に対して次期OSに関連する情報や技術情報などを開示するWWDC(Worldwide Developers Conference:世界開発者会議)が、6月28日(現地時間)からサンフランシスコで開幕する。

 WWDCはMacworld Conference&ExpoやApple expo Parisとは異なり、同社とデベロッパ契約を結んだ開発者のみを対象とした催しで、一般来場者の入場はできない。会場内で開示される情報も一部を除いてNDA(Non Disclosure Agreement:機密保持契約)の管理下におかれる。

 弊誌を含むプレス関係者の多くも正規の参加申し込みを行なったうえ、デベロッパとしてWWDCのセッションに参加しているため、個々のセッションの内容を記事として紹介することができない。会期中は唯一、スティーブ・ジョブズCEOによる冒頭の基調講演と、NDAに抵触しない製品情報のみを紹介することになる。

 WWDCへの参加費用は、1人当たり1,595ドル(ただし参加者の多くは早期申し込みによる割引制度を利用しているため1,295ドル)で、この価格はOSのベータ版を含む各種配布物やカンファレスバッグはもちろん、会場内での朝昼食、スナックやドリンクなどホスピタリティとして提供されるものなどが含まれたものだ。なお会場内ではAirMac(AirPort)による無線LANや、Ethernetの接続ポート、そしてインターネットカフェなど高速のネットワーク接続環境も提供されている。

 すでに同社のホームページなどでアナウンスされているように、今年の基調講演ではMac OS Xの次期メジャーバージョンアップとなる「Mac OS X 10.4“Tiger”」に関する情報がスティーブ・ジョブズCEOにより紹介されることが明らかになっている。

 また同社は、この大きなイベントを前にしながら、ここ1カ月ほどの間に「AirMac Express(AirPort Express)」、「新PowerMac G5」、「欧州地域におけるiTunes Music Storeの展開」などの発表を立て続けに行なっているため、WWDC 2004ではそれらを超えるビッグ・サプライズともいえる大型のアナウンスが用意されているのではないかという観測もある。

 会場となっているMoscone CenterのWest Hallでは、土曜日からWWDC 2004参加者への入場パスの配布が始まっている。参加者のほとんどは同社サイトで事前に参加登録を済ませているため、本人確認を行なうだけでパスが発行される。そのため参加者が集中する日曜日もさほど混雑する様子もなく、淡々と準備が進んでいた。

 受付のある1階ホールには、6月22日に米国で発表されたiPodとカーオーディオシステムをシームレスに統合する「BMW iPod Adapter」に合わせてか、BMW Z4とMINI CABRIOが展示されている。また恒例の黒幕に隠されたパネルの準備も着々と進んでおり、“何か”が用意されている確度は高く、期待される。

 基調講演は、28日午前10時(日本時間、29日午前2時)から2時間程度行なわれる予定。PC Watchでは基調講演のレポートをはじめ、日本国内でのアナウンスも交えてWWDC 2004関連のニュースを随時お届けする予定である。

開催を明日に控える受付の様子。参加者のほとんどは事前に同社サイトで登録を行なっているため、本人確認の可能なパスポートなどを提示するだけでパスが発行され、カンファレンスバッグやTシャツなどの配布物が手渡される 1階の受付奥に展示されていたBMW Z4。6月22日にはiPodとカーオーディオシステムをシームレスに統合する「BMW iPod Adapter」がBMWグループとApple Computerから共同で発表されたことにあわせての展示と思われる こちらはMINI CABRIO。いずれも展示位置がまだ入場できないエリアになってるため、セキュリティラインのぎりぎりから撮影しているため遠目の写真となっている。ちなみに'99年に開催されたWWDCでは、参加者に対して50台のPowerBook G3が抽選により提供されたことがある。この2台も、ただの展示ではない可能性がある
Apple Computer関係のイベントでは恒例の黒幕に隠されたパネル。これは1階の受付正面に位置するもので、昨年の状況から判断すると2階、3階にもこうしたパネルがいくつか用意されているものと思われる 毎年デザインが異なるカンファレンスバッグ。今年は2001年以来のリュックサックタイプになった。手持ちもできるようにはなっているが、基本的には背負うことが前提の形状。内部には17インチのPowerBook G4が入れられるスペースがクッション付きで用意されている。他にプログラム、ボールペン、Tシャツなどが配布された カンファレンスバッグのなかには、2月28日にオープンしたばかりのApple Storeサンフランシスコ店で、WWDC 2004開催期間中に限り利用できる10%オフのチケットも含まれていた。同店舗はサンフランシスコの目抜き通りに位置し、Moscone Centerから徒歩2分程度の距離。ニューヨーク、シカゴ、東京に続く旗艦店舗に位置づけられている

□Appleのホームページ(英文)
http://www.apple.com/
□WWDCのホームページ(英文)
http://developer.apple.com/wwdc/index.html
□関連記事
【2003年6月】WWDC 2003レポートリンク集
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/link/wwdc03.htm

(2004年6月28日)

[Reported by 矢作晃]


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