欧州委員会、Microsoftに650億円の罰金とMedia Playerの分離を命令

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欧州委員会、Microsoftに650億円の罰金とMedia Playerの分離を命令
～Microsoftは反訴

3月24日(現地時間)発表

　欧州委員会は24日、EU競争法違反の罪で米Microsoftに対し、4億9,720万ユーロ(約650億円)の罰金の支払い、Windowsと相互接続するためのインターフェイス情報の開示、Windows Media Playerを搭載しないOSの提供、の3つの命令を下した。

　欧州委員会は5年以上にわたる調査の結果、PC OSにおいてMicrosoftが独占に近い状況を濫用することで、革新と他社の競争を阻害し、結果、消費者の選択肢を減らし、価格をつり上げたと判断。欧州委員会とMicrosoftは、和解交渉を行なってきたが、決裂に終わり、今回の裁定に至った。

　これによりMicrosoftは、非Microsoft製ワークグループサーバーと、Windows PCおよびサーバーとの、相互接続性を実現するための完全かつ正確なインターフェイス文書を、120日以内に開示しなければならない。

　また、新バージョンの製品のリリースとともに、情報も更新する必要がある。ただし、相互接続可能な製品の開発には必要ないとの理由から、ソースコードの開示は義務づけられていない。

　加えて同社は、パッケージ版、OEM版ともども、Media Playerを搭載しないWindowsを90日以内に提供しなければならない。これは、PCメーカーや消費者にプレイヤーソフトの選択肢を与えるために実行されるもの。

　Microsoftは、WindowsにMedia Playerをバンドルする権利を引き続き保持するが、非バンドルバージョンを不利にするような、商業上・技術上・契約上の条件を設けてはならないとされている。

　欧州委員会は、監査会を設け、これらの措置の遂行を監視する。同委員会競争担当委員のMario Monti氏はリリース中で、「今回の決定は、当該市場での正当な競争を回復させ、強力な支配的地位にある会社の今後の行動に対し、明確な原則を確立するものだ」と述べている。

　この決定に対しMicrosoftのSteve Ballmer CEO(最高経営責任者)は24日(現地時間)付けで、「和解交渉の中で当社が提示した和解案の方が、顧客にとってより多くの選択肢と利益をもたらす」と反論。ルクセンブルグの第一審裁判所に提訴することを表明した。

　同社の調査によれば、欧州の消費者の多くは、Media PlayerはWindowsに含まれるべきだと考えているといい、委員会の決定は、Windowsの機能性を低下させ、消費者が求めているテクノロジーの統合を制限するものとしている。

(2004年3月25日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]