娘と妻がいて男がひとりという家族構成の場合には、男である父親にはほとんどTVのチャンネル権がないといって過言ではないだろう。我が家もまさにそのとおり、見たい時間にTVを見る権利などないのだ。で、どうしているかというと、PCに組み込んであるTVキャプチャーカードを利用して、TVを見たり、録画をしているわけなのである。だから我が家はチャンネル戦争がない。いたって平和だ。 ただ、ちょっと問題がある。それは、録画した番組を大画面のTVで見たい……というような場合だ。そんなときは、PCに保存されたデータをDVD-RやDVD-RAMに焼いて、TVに接続してあるDVDプレーヤーを利用しているのだが、それがもう不便なことこの上なし! 操作自体は慣れたのでいいのだが、わざわざDVDに焼き直すのに時間がかかる。時間がかかるという事は、見たいときにスグ見る、というわけにはいかないのである。 そんな折に発売されたのがバッファローのネットワークメディアプレーヤー「Link Theater PC-MP2000/DVD」だ。DVDプレーヤーなのだが、ネットワークに接続することでPCに保存されている映像データを再生できるのだという。映像データだけでなく、音楽データの再生、写真など画像ファイルの閲覧までできる。 ●LinkTheaterとLinkStationを同時に購入
さっそく買いに行った。店舗で聞くと、なんでも同じバッファローのLAN接続HDD「LinkStation」がセットになったモデル「HD-HLAN/MPD」と、LinkTheater単体で発売しているモデル「PC-MP2000/DVD」の2種類があるのだという。PCに録画してあるデータを見るのだからHDDはいらないと思ったのだが、詳しく話を聞いてみると、録画のとき「LinkStation」に保存しておけば、PCの電源が入っていなくても録画した画像を見ることができるのだそう。「TVを見るとき=PCを使う必要がない」。そう、わざわざPCを立ち上げておく必要がないならセットモデルを買った方が便利だ……多分。ということでそれを買うことにしたのだが、なかった。まだ入荷していないのだそうだ。残念。 しかたがないので、単体モデル「PC-MP2000/DVD」を購入した。ついでに「LinkStation」も購入してしまった。「HD-HLAN/MPD」にセットされているのは120GB(HD-H120LAN)のタイプだが、160GB(HD-H160LAN)のタイプを購入した。録画データはデータ量が大きいので、大きい容量を買っておいた方が安心だろうと考えたのである。そうそう、LinkTheaterとLinkStationを別々に買う場合、LinkStationには「HD-HGLANシリーズ」「HD-LANシリーズ」「HD-HLANシリーズ」の3種類があるのだが、LinkTheaterに接続できるのは「HD-HLANシリーズ」だけなので注意していただきたい。 ●接続や設定はいたって簡単だが 持ち帰ってさっそく接続。接続は簡単だ。LinkTheaterにEthernetケーブルを接続、そしてTVとコンポジットケーブルで接続するだけである。TVとの接続はコンポーネントケーブルやD-コンポーネントケーブルなども利用できる。また、光デジタルケーブルや同軸ケーブルを利用して手持ちのオーディオ機器に接続することも可能である。 LAN接続してPCを認識させて……というと、その設定が面倒そうに思うのだが、このLinkTheaterはそれも簡単だった。PCに「PCast MediaServer」というソフトを組み込んでからLinkTheaterを起動するだけだ。 DHCPサーバー(自動的にLAN上で使うIPアドレスを振り分けてくれるサーバー。最近ではADSLルーターなどがその役割を果たしていることが多い)がLAN上にあれば、何もせずに設定は完了する。自動的に「PCast MediaServer」がインストールされているPCを認識して表示してくれるので、ユーザーは何もする必要がない。初期の設定では、「PCast MediaServer」がインストールされているPCの「マイドキュメント」フォルダの中の「My Videos」の中を見るように設定されている(写真やイラストデータは「マイ ピクチャ」、音楽データは「マイ ミュージック」だ)。 このようにLinkTheaterの設定は簡単なのだが、筆者がはまったミスもある。それはPCにアンチウィルスソフトが入っていて、そのファイヤーウォール機能がONになっていたこと。そうなるとPC側でガードされてしまうので、LinkTheaterはPCを認識できないのである。筆者もうっかりそれを忘れていて認識できない……とちょっと焦る事態に陥ったのである。しかし、そのファイヤーウォール機能をOFFにすることであっさりと認識。マニュアルにもちゃんと書いてあった(先に読めばよかった……)。 さて、次にLinkStationだ。LinkStationを使う場合には、LinkTheaterのファームウェアをアップデートしないといけないのだが、同梱のCDで簡単にアップデートできるので心配する必要はない。実際にやってみたが、2~3分で終了した。 ●実際に録画データを見てみると
接続が完了したので、さっそく録画データを見てみた。フォルダ内にあるデータの一覧から、リモコンを利用して見たいデータを選択するだけで、再生が始まる。マニュアルには、日本語で記録されたファイル名は文字化けしたりする場合がある……と書かれているが、筆者の場合はまったく問題なく表示された。 再生されたデータは、多少のノイズがあるような気がするのだが、筆者程度の目ではほとんどわからない。ビデオで録画するよりははるかにキレイだ。というか、これはキャプチャーカードの問題であって、LinkTheaterは関係ない。キャプチャーカードを利用してPCのモニターで見るのと、LinkTheatherで見るのでは、サイズの違い、解像度の違いなどもあるので比較できないが、それでもTVに接続してあるHDDレコーダーやDVDレコーダーで録画したものをTVで見るのと変わらないといっていいと思う。マニュアルでは、再生中にHDDを使うとノイズなどが発生することがある、となっているが、多少使ったぐらいではほとんどそれもわからなかった。 購入して1週間ぐらい使っているが、今のところかなり気に入って使っている。筆者なりに多少問題を感じたのは、4段階で調整できる早送り再生のスピードを、いちばん速くしても遅い、と感じること。それと、多少リモコンの利きが悪いかな……と感じた。しかし、2万円台で購入できて、DVDを見ることができ、PC内にある映像データ、音楽データ、写真データが再生できる機器は、重宝するはずだ。買っても損することはないだろう。 □プレスリリース (2004年3月2日) [Reported by 木地本昌弥]
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