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ニコン、15万円のレンズ交換式デジタル一眼「D70」
~“Kissキラー”で一眼トップシェアを目指す

3月19日発売

標準価格:150,000円

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 株式会社ニコンは、レンズ交換式デジタル一眼レフ(DSLR)カメラ「D70」を、3月19日より発売する。価格は150,000円。

●高スペックでKissを追撃

 「Kissキラー」と発表会で紹介されたとおり、キヤノンのEOS Kiss Digitalが切り開いた低価格レンズ交換式DSLR市場に、ニコンが初めて送り出す製品。ボディのみの実売価格はKiss Digitalとほぼ同程度になることが予想される。

 ただし、最高1/8,000秒のシャッター、1/500秒でのシンクロ、カード一杯まで可能な連写など、上級機D100をもしのぐ部分もあり、同社映像カンパニープレジデントの木村眞琴 常務取締役も「決して一番下のクラスの製品ではない」としている。

 なおD70発売以降も、D100は上級機として併売される。ボディの表面処理が若干質感が劣るものに変更され、ペンタ部がプリズムからミラーに変更されるなどのコストダウンが図られている。

D100(右)とD70。ボディの大きさはほぼ同じ 背面のレイアウトはD100とほぼ同じだが、機能の割り当てが変更され、よりわかりやすくなっている

●初心者向け機能も充実

 ハイアマチュアから初心者層もカバーするモデルとして、同社DSLRのラインナップ中もっとも「使いやすさ」に重点が置かれ、カメラ任せで最善の画像を得るための機能が搭載されている。

 撮影モードはプログラムオート、絞り優先AE、シャッタースピード優先AE、マニュアルに、フラッシュの有無やAF測距点などまで自動制御する「オート」が加わった。また、ポートレート、風景、夜景、スポーツなど、被写体に最適なパラメータを自動設定する「デジタルイメージプログラム」を搭載。

 さらに、細かいところでは、メニューの文字サイズが大きくなり、合焦を知らせる電子音が付加された(OFFにすることも可能)。

ボディ上面左のモードダイヤルに、イメージプログラムのポジションが加わった 大きくなったメニューの文字サイズ。平易な表現も心がけられている フォーカスモード切替ボタンにレバーが付き、操作しやすくなった。このほか、レンズ取り外しボタンが大型化され、プレビューボタンがより押しやすい位置になるなど、細かい改良が加えられている
CFスロットやバッテリー、端子類の配置はD100とほぼ同様

●記録媒体一杯までの連写が可能

 撮像素子は有効画素数610万画素の原色フィルタ付きCCDで、ソニーとの共同開発によるもの。CCDのサイズは、同社が「ニコンDXフォーマット」と称する、23.7×15.6mmのいわゆるAPS-Cサイズ。

 記録画素数は3,008×2,000/2,240×1,488/1,504×1,000ピクセル。RAWとJPEGでの記録に対応し、RAW/JPEGの同時記録も可能。ISO感度はISO200~1,600相当。

 新開発の画像処理エンジンにより、0.45秒のノイズリダクション、0.15秒の高速RAW Lossless圧縮など、処理が高速化された。また、秒間約3コマの連写が可能。一部の高速な記録媒体を使用すれば、カード一杯まで連写可能。メモリカードの読み書き性能も、D100の約3倍となっている。

D70の新開発CCD D70の画像処理エンジン

 レンズマウントはニコンFマウント。D/G/DXタイプのAFレンズはすべての機能を使用可能。これ以外のレンズでは3D-RGBマルチパターン測光などの機能が使用できなくなる。また、非CPU Aiレンズは、マニュアルモードでのみ使用できるが、内蔵露出計は使用できない。

 ファインダーは視野率約95%で、倍率は約0.75倍。液晶ディスプレイは1.8型、約13万画素の低温ポリシリコンTFT。

 記録媒体用にType2 CFスロットを搭載。CFカードのほか、Microdriveにも対応。ファイルシステムはFAT32で、2GB超の記録媒体にも対応する。PCとの接続はUSB。ダイレクトプリント規格「Pict Bridge」にも対応する。

 電源はリチウムイオン充電池「EN-EL3」またはCR2リチウム電池×3本。

 本体サイズは約140×78×111mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約595g。リチウムイオンバッテリー、クイックチャージャー「MH-18」、USBケーブル、ビデオケーブル、LCDモニタカバー等が付属する。

●18mmからの標準レンズや外付けフラッシュ、新ソフトも

 D70とセットで、標準レンズとなる「AF-S DX ズームニッコール ED 18~70mm F3.5~4.5G(IF)」が用意される。D70とのセット価格は206,000円。6月からは単体でも発売され、価格は56,000円。

 同社のAPS-Cサイズ撮像素子搭載DSLR専用設計とすることで、35mmフィルム換算で27~105mmと広角/高倍率ながら、小型軽量な筐体となった。レンズ構成は、EDレンズ3枚、非球面レンズ1枚含む13群15枚。最短撮影距離は0.38m。フィルター径は67mm。本体サイズは73×75.5mm(最大径×長さ)、重量は約420g。

 D70との組み合わせでi-TTL調光が可能な外付けストロボ「SB-600」が6月から発売される。価格は35,000円。ガイドナンバーは照射角35mmで30(ISO100)。24~85mmのオートズーム、ワイドエリアAF補助光、ワイヤレスライティングなどの機能を搭載する。

 また、製品に添付される画像編集/管理ソフトが、従来のNikon Viewから「PictureProject」に変更された。編集前の画像の履歴を保存することで、以前の状態への復元を可能としている。また、アップデート情報や技術情報を受け取る機能なども備える。

 D70以降の製品はすべてPictureProjectが添付される。また、D70以前の製品のユーザーに対しては、4月からは無償でダウンロードが可能になる。

AF-S DX ズームニッコール ED 18~70mm F3.5~4.5G(IF) SB-600 PictureProject

●D2X(?)も開発中

吉田庄一郎 取締役会長兼CEO

 発表会には吉田庄一郎 取締役会長兼CEOが出席。「(DSLRは)市場での当社の優位性を確立し、収益の柱にも育ってきている。D70は、DSLR市場のパイオニアとして、性能面でも価格面でも、初心者から一般の写真愛好家まで、満足していただける商品が開発できたと自負している」と、DSLR市場での自信をアピール。

 「DSLRはニコンの強みを発揮できる市場。D70は売上げ拡大への寄与はもちろん、映像事業の大きな柱になっていく商品。近々、(生産する)ニコンタイランドの工場を訪れ、鼓舞激励し、円滑な立ち上がりを確認したい」と、D70にかける意気込みを語った。

 映像カンパニープレジデントの木村眞琴 常務取締役兼上席執行役員は、デジタルカメラ市場と同社売上げの実績と予測を披露。

 同社予測では、デジタルカメラ市場の規模は、2004年に6,200万台、2006年には8,000万台に達する。またDSLRは、2003年に100万台だったものが2004年には200万台に、2006年には500万台に達するとした。

デジタルカメラの市場規模 DSLRの市場規模

 一方、同社の出荷台数は2002年が336万台、2003年が550万台と大きく伸びたが、市場占有率は、2002年、2003年とも台数ベースで12%、金額ベースで15%と横ばい。2004年は860万台の出荷と、台数ベースで14%、金額ベースで19%の占有率を目指す。また、DSLR市場では40%のトップシェアを狙うとした。

 なお、同社の出荷数で、DSLRの伸びとともに銀塩一眼レフは縮小しているが、一眼レフ用交換レンズは縮小せず「むしろ去年から今期にかけては増えている傾向」とした。

 さらに、木村プレジデントは、同社のDSLRラインナップの説明において、「D1Xの後継となるD2?」も開発中とした。

ニコンのカメラ売上げ ニコン デジタルカメラの出荷台数とシェア D1Xの右上の領域を占めるDSLRを開発中

□ニコンのホームページ
http://www.nikon.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.nikon.co.jp/main/jpn/whatsnew/2004/d70_04.htm
□関連記事
【2003年12月3日】ニコン、普及型デジタル一眼レフカメラ「D70」を来春発売
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1203/nikon.htm

(2004年1月28日)

[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]


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