International CES 2004

DVD+RW Alliance、16倍速DVD+R規格を年内に策定


会場:Las Vegas Convention Centerなど

1月7日(現地時間) 開催



 DVD+RW/+Rの規格策定を行っている業界団体「DVD+RW Alliance」は、International CESの前日に記者会見を開催し、同団体が昨年10月に幕張で開催されたCEATECでデモした片面2層DVD+Rに関する発表会を開催した。

 また、この中でDVD+RW Allianceは「年内には16倍速のDVD+Rに関する規格の策定を終わらせたい」と説明し、早ければ年内にも16倍速のDVD+R書き込みを可能にするドライブが出荷される可能性がでてきた。

●今春に片面2層に対応したPC用ドライブが、今年後半に家電製品が登場

 今回DVD+RW Allianceが発表した内容は、基本的には10月に幕張で開催されたCEATECにおいて行われた片面2層記録DVD+Rのデモとほぼ同様で、大きな違いはない。片面2層記録DVD+Rは、2つの記録層に透明膜をはさみ、トラックピッチのレンズ位置を調整することで、2つの層のそれぞれに記録するという技術だ。記録速度は1~2.4倍速となっており、1層の場合に比べるとやや速度が遅くなっている。

 片面2層のDVD+Rは、片面2層のDVD-ROM、DVDビデオとの互換性を重視して設計されている。このため、DVD+Rが読めるような片面2層読み取りに対応したDVD-ROMドライブ、DVDプレイヤーでは問題なく再生することができるという。一部の製品で、DVD+Rを読めないドライブなどでは対応することができないが、現在DVD+Rが問題なく読めている環境では問題なく利用できる可能性が高いという。

 片面2層の書き込みに対応することで、書き込めるデータの容量は4.7GBから8.5GBへと増える。例えば、4.7GBの容量に2時間のデータを書き込もうと考えている場合には、MPEG-2のビットレートを5Mbps程度に設定する必要があるが、片面2層のディスクを利用すれば、8Mbpsなどの高ビットレートで書き込み、表示品質を向上させることが可能になるなど、使い方の幅が広がるなどのメリットがある。

 なお、今回DVD+RW Allianceでは、片面2層DVD+Rに対応したPC向け記録型DVD+R/RWドライブの出荷が、今年の春頃になると明らかにした。今回の発表会では、具体的にどこのベンダが出荷するのかなどは明らかにされなかったが、リコーやソニーなどの関係者も同席しており、現在DVD+RW/+Rドライブを製造しているこうしたベンダなどから出荷されると考えていいだろう。

 なお、片面2層の書き込みに対応した家電のDVD+RW/+Rレコーダは、今年の後半頃各ベンダより発表されるだろうという見通しも明らかにされた。これは、家電のレコーダには、実際にはPC向けのドライブが内蔵されていることが多く、PC向けのドライブが出荷されないことには、家電のレコーダも製造できないということが影響しているという。

 気になる価格だが、片面1層に対応したドライブに比べると当初は若干高めに設定される可能性が高い。というのも、片面2層記録に対応したドライブではレンズ位置を調整したり、レーザーの出力を上げる改良を加える必要があるためだ。また、メディアに関しても、層の増加や、歩留まりの低下などの要因により、やはり高めに設定される可能性が高い。ただし、これらの問題は量産が進めば解消される要因であり、将来的には多くのドライブが片面2層記録に対応していく可能性が高いと言えるだろう。

記録型DVDの市場を説明するグラフ。日本以外ではDVD+R/RWのシェアが最も大きいが、日本では逆にほとんどシェアがないという DVD+Rの片面2層ディスクは8.5GBの容量を実現 既存のDVD-ROM、DVDビデオとの互換性を重視
レンズ位置を調整することで、2つのレイヤーの記録層を読み書きできる PC向けのドライブは来春に、民生機は今年後半に出荷を予定

●今春に片面2層に対応したPC用ドライブが、今年後半に家電製品が登場

16倍速書き込み対応ドライブは早ければ今年中に出荷の予定
 また、DVD+RW Allianceは、DVD+Rの書き込み速度を16倍速に高めたドライブの規格の策定を、今年中に終了させるという意向を表明した。

 現在DVD+RW/+Rドライブは、DVD+Rの書き込みが8倍、DVD+RWの書き込みが4倍となっているが、16倍ドライブではこのうちDVD+Rを16倍にスピードアップする。DVD+RW Allianceの関係者によれば、書き込み速度を16倍に高めることで、ディスクの回転速度は1万rpmに達し、光学ドライブとしては物理的限界を迎える可能性が高いという。

 したがって、今後さらなる技術的なブレークスルーがない限りは16倍速が最高速となるだろう。今後は、DVD+RWの方の高速化にも着手する予定だが、ドライブベンダはDVD+Rの16倍書き込みを最優先で進めている模様で、最初の世代のDVD+R16倍速書き込みドライブはDVD+RWの書き込みは4倍速に据え置かれる可能性が高いという。

 なお、DVD+RW Allianceの関係者によれば、16倍書き込みの仕様は現在策定中であり、早ければ秋口までに規格化を完了させたい意向であるという。このため、うまくいけば年内にも、遅くとも来年の春頃までにはDVD+Rの16倍書き込みに対応したドライブが出荷される見通しだ。


□2004 International CESのホームページ(英文)
http://www.cesweb.org/
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【1月8日】デジタル機器の総合展示会「International CES」、8日開幕
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0107/ces01.htm

(2004年1月8日)

[Reported by 笠原一輝]


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