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バッファロー、PCレスで無線LANの接続・暗号化設定を行なう「A.O.S.S」
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11月10日 発表
株式会社バッファローは、ワンタッチで無線LAN機器の接続およびセキュリティの設定を自動的に行なう「AirStation One-Touch Secure System (A.O.S.S)」を発表した。同社は、設定の難しさやセキュリティなどユーザーの懸念を払拭するとものとして、ネットワーク対応家電への同システムの組み込みを目指す。
●ワンタッチで接続から暗号化までの設定を完了
A.O.S.Sの概要 |
A.O.S.Sは、これまでPCに関する一定レベルの知識を必要とした無線LAN機器の設定を自動化するもの。PC用の無線LAN機器では、ウィザードに従ってボタンを数クリックするだけで、設定を終了できるものもあるが、A.O.S.Sでは、PCがなくともワンタッチで設定が可能。また、接続設定だけでなく、暗号化の設定も同時に行なわれる。
具体的にはまず、A.O.S.S対応ホスト(アクセスポイントや無線LAN対応ルーター)側のボタンを押し、続いてA.O.S.S対応クライアントのボタンを押すだけ。これにより、ESS-ID、暗号化キー、IPアドレスの設定などが行なわれる。
設定にかかる時間は、30秒程度とされているが、PCを用いて行なわれたデモでは、認識から設定まで15秒程度で終了した。また、A.O.S.Sの設定時は、自動的にA.O.S.Sが利用可能な最低レベルまで電波が減衰される。これにより、誤って他人の機器がクライアントとして認識されるのを防ぐ。
A.O.S.Sの暗号化の方法 |
暗号化システムは、WEP64/WEP128/TKIP/AESに対応。ホストはクライアントが対応する暗号化システムを自動認識し、クライアントが利用できる最高レベルの暗号化システムを利用する。
クライアントが複数あり、それぞれが対応する暗号化システムが異なる場合は、全てのクライアントが対応可能な暗号化システムの中で、最も強固なものが自動選択される。例えば、1つのクライアントがAES/WEP128/WEP64に対応し、別のクライアントがWEP128/WEP64に対応する場合は、WEP128が選択される。
対応可能な暗号化システムは、常時監視されており、対応暗号レベルの低いクライアントが破棄されるなどして利用されなくなると、自動的に高度な暗号化システムに切り替わる。暗号キーは、同社独自のアルゴリズムを用いて、各ホスト固有のキーが自動生成される。なお、1つのクライアントで複数のホストにも対応できる。
A.O.S.Sはまず、ファームウェアとして、12月に無線LANルーター「WHR2-G54」、およびメディアコンバータ「WLI-TX1-G54」用が配布されるのを皮切りに、同社の既存無線LAN機器向けに無償提供される予定。
当初の対応機器と、ファームウェアロードマップ |
●最大のターゲットはネットワーク家電
だが、同社がA.O.S.Sの対応機器として、最も普及を望むのは、今後登場が期待されるネットワーク対応家電製品。
12月より開始される、地上デジタル放送のチューナは、そのほとんどがEthernetに対応するが、メディアコンバータ「WLI-TX1-G54」を利用することで、それらをA.O.S.Sに対応させられる。
同社代表取締役社長の牧誠氏は、「PCユーザーと、家電のみを使用しているユーザーの間には、無線LAN機器の設定やセキュリティの知識について大きな隔たりがあるが、A.O.S.Sによりそれらの問題や、ケーブルの取り回しの問題も解決できる」としている。
代表取締役社長の牧誠氏 | 家電ユーザーはPCユーザーより数は多いが、ネットワークに対する知識は少ない |
また、Broadcom製のIEEE 802.11bチップを搭載した超小型モジュールとファームウェアをセットにして、家電製品の組込用に今後販売していくとともに、家電メーカーとのアライアンスを提携していく構え。
同社は、複数のメーカーに採用を呼びかけていく予定で、A.O.S.S対応機器であれば、ユーザーは製造メーカーを問わず、ワンタッチで無線の設定ができるようになるという。搭載製品は2005年末から2006年にかけて登場すると見込んでいる。
加えて、同社では、A.O.S.S対応家電製品のサポート代行業務も開始する予定。同社はすでに、PC用機器のサポートで全国レベルのサポート体制を築いており、無線LANのサポートについても幅広いノウハウを持っているという。これをベースに、同社では、電話サポートや出張サポート業務もA.O.S.Sのビジネスの一環とし請け負っていく考え。
具体的な時期は全く決まってないが、他の無線LAN機器メーカーにもA.O.S.Sをライセンス提供していく予定があるという。将来的にはCentrinoなど、Broadcom以外のチップへの対応も図るほか、Windowsでの採用も働きかけていくという。
なお、同社自身がTVなど家電製品の製造に足を踏み入れるつもりはないとしている。
家電組込用のIEEE 802.11bチップを紹介するブロードコム ジャパンの代表取締役社長Nick Shamlou氏 | この指先サイズの基板にアンテナ、ベースバンド、MACなど全てが詰め込まれている。量産開始は2004年2月 | A.O.S.Sの事業計画 |
●2003年上半期は過去最高売上高を達成
また、同日付けで2003年9月期中間決算も発表した。これによれば、売上高は前年同期比28.7%増の503億1,300万円で、半期ではじめて500億円を突破した。
営業利益は48.7%増の19億5,700万円、経常利益は51.1%増の20億1,900万円、当期利益は77.8%増の12億5,300万円で大幅な増益となった。
売上高の製品別内訳は、メモリ事業が154億700万円、ストレージ事業が188億5,400万円、ネットワーク事業が119億5,200万円(うちブロードバンド関連が97億9,800万円)、その他が40億9,900万円。いずれの事業も前年比でプラス成長となっている。
□バッファローのホームページ
http://www.buffalo.jp/
□ニュースリリース
http://buffalo.melcoinc.co.jp/products/new/2003/064_1.html
(2003年11月10日)
[Reported by wakasugi@impress.co.jp]
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