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最新フラットパネルディスプレイが集まる「FPD International 2003」
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会期:10月29日~31日
会場:パシフィコ横浜
入場料:2,000円
フラットパネルディスプレイの総合展示会「FPD International 2003」が29日から31日まで、パシフィコ横浜で開催されている。主たる展示はパネルなどのコンポーネントやデバイス、製造設備などで、コンシューマー向けの製品はないが、フラットパネルディスプレイの動向を一望することができる。
こうした展示会ではここ数年、家電や携帯電話、車載機器向けの製品が大半を占めており、PC用の製品が片隅に追いやられる傾向がある。が、今回のFPD International 2003には台湾や韓国のベンダーが多数出展しており、これらのベンダーによる新しい製品が目立つ。
●12型WXGAなど、PC用液晶の新顔が登場
ノートPCでもデスクトップPCでも、液晶ディスプレイのサイズと解像度の組み合わせは12~15型でXGA(1,024×768ドット)、14~15型でSXGA+(1,400×1,050ドット)、17型でWXGA(1,280×768ドット)と固定化されつつあるが、FPD International 2003では新しい組み合わせをいくつか見ることができる。
台湾のAU Optronics(AUO:元はUnipac OptoelectronicsとAcer Display Technology)は、ノートPC用の12型WXGA液晶パネルを展示。15型、17型のWXGA液晶パネルはすでに搭載製品が市場にも登場しており、会場でもいくつか見かけたが、12型を展示したのはAUOのみ。ただし、一般的なWXGAと異なり、この製品は1,280×800ドットとされている。同社は応答速度が12msと高速な17型SXGA液晶パネルも参考展示している。
ワイド液晶ではLG Philipsは17型の製品を展示。1,680×1,050ドットの「Wide SXGA+」なる解像度で、デスクトップ代替ノートPC向けとされている。
AUOの12型WXGA液晶 | やはりAUOによる、応答速度12msの17型SXGA液晶 | LG Philipsの17型Wide SXGA+液晶パネル |
15型UXGA(1,600×1,200ドット)のノートPC用液晶パネルは、台湾のCHI MEI(日本IBMとの合弁会社であるIDTechと共同のブースで出展)が参考展示。
CHI MEIはこのほか、12型XGAのノートPC用液晶パネルも展示。特に目新しいサイズでも解像度でもないが、従来製品の重量が270g以上だったのに対し、22gと軽量化した。同様に軽量をうたったノート向けパネルを、他のブースでも見ることができる。
CHI MEIの15型UXGA液晶パネル。ノートPCに組み込んだ形でデモンストレーションされている | 15型UXGAは台湾のHannStarも展示 | CHI MEIの軽量12型XGA液晶パネル |
こちらは韓国BOE HYDISの12型XGA液晶パネル。重量は230g | 東芝松下ディスプレイテクノロジー(TMDT)は12型XGA(左)と14型SXGA+の軽量パネルを展示 |
●なぜか盛況のTablet PC向け液晶は、14型が主流に?
コンシューマー向け市場ではいまひとつぱっとしないTablet PCだが、FPD International 2003では数社がTablet PC向け液晶を展示している。現在、市場にある製品は10型、12型のXGA液晶を搭載したものがほとんどだが、会場では14型のパネルが目立った。
CHI MEI(左)、AUOのTablet PC向け液晶。いずれも14型XGA | ||
TMDTはCEATEC JAPAN 2003にも出展した12型(左)と14型のSXGA+のTablet PC用液晶パネルを参考展示 | TMDTはTablet PC用液晶パネルの背面を展示。デジタイザを取り付けやすい「カンガルーポケット」構造を採る |
●日本勢はLEDバックライトやフォースフィードバックタッチパネルを展示
ここまでの記事で登場した日本のベンダーは東芝松下ディスプレイテクノロジーだけ。会場では英語、中国語が飛び交っており、台湾、韓国勢の台頭ぶりが目立つが、シャープ、三菱電機といった日本メーカーももちろん出展している。
TMDTのインプットディスプレイやシャープのCGシリコン液晶など、こうした展示会ではすでにおなじみの参考展示以外では、とくに目立つのが、小型化が容易で、広い範囲の色を再現できる白色LEDバックライトを採用する動き。携帯電話や車載機器用バックライトではすでに製品化されているが、ソニー、三菱では大型化に向けた取り組みを見ることができる。
液晶パネルベンダーではないが、コンポーネントベンダーであるSMKは、タッチした感触を指に伝える「フォースフィードバックタッチパネル」を展示。タッチパネルはボタンを押した感触がないため、きちんと操作できたかどうかがわかりにくい欠点がある。フォースフィードバックタッチパネルではパネルを歪めて振動を起こし、ユーザーの指にボタンを押した擬似感触を伝える。ソニーも2002年にプライベートイベント「Sony Dream World 2002」で、同じような働きをするタッチパネルを展示していたが、あちらとは違う仕組みだという。
パネル上の指の位置を検知する機構は「抵抗感圧式」と「光式」の2種類が用意されている。光式はタッチパネルの周囲に2mm間隔で設置されたLEDと受光器により、光が遮られた位置を検出するもの。コンシューマー機器など向けには安価で精度の高い抵抗感圧式、券売機など公共の場におかれる機器には高価だが耐久性にすぐれる光式、と使い分けるという。
SMKのフォースフィードバックタッチパネル。画面上のボタンごとに違う感触を割り当てることができる | カーナビに応用した例をデモ | 券売機などに向いた光式フォースフィードバックタッチパネル |
●注目を集める有機ELディスプレイ
有機ELディスプレイは相変わらず携帯機器向けの小型の製品がほとんどだが、色再現や応答速度、寿命などに改良を加えられており、いずれも来場者の注目を集めていた。
SAMSUNG SDIが出展した15.5型のWXGA 有機ELディスプレイ | 2.16型の有機ELディスプレイをデジタルカメラLS633に搭載して商品化したコダックは、開発中の2.5型有機ELディスプレイを参考展示 |
□FPD International 2003のホームページ
http://expo.nikkeibp.co.jp/fpd/
□関連記事
【10月29日】フラットディスプレイのイベント「FPD International」が開幕(AV)
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20031029/fpd.htm
(2003年10月30日)
[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]
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