アップル、iBook G4の説明会を開催
10月24日 開催
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新たに搭載したスロットインの光学ドライブをみせる福島哲氏。PowerBook G4、iBook G4など日本国内でポータブル製品のプロダクトマーケティングを努めている |
アップルコンピュータ株式会社は24日、22日夜に発表した新製品「iBook G4」と「eMac」についての製品説明会を開催した。
説明会会場には、明日25日から出荷が始まる12型のiBook G4と、31日から出荷が始まるeMacについては実機が用意されていたが、11月上旬の出荷を予定している14型iBook G4に関しては製品版が未着ということで、スライドのみでの説明となった。
今回の発表により、同社の製品ラインナップの中で唯一残ったPowerPC G3の搭載機であったiBookがPowerPC G4ベースへと移行した。つまり、'97年12月に同社がデスクトップ機に最初のPowerPC G3を採用してから約6年間にわたったPowerPCの第三世代が、事実上の終焉を迎えたことになる。
公開されたiBook G4だが、CPUの世代交代を伴うメジャーチェンジとはいえ、従来機と比べた外観上の差異はさほどない。外装部分にあたる白色のポリカーボネートも継続してほぼ同じものが採用されている。パネルを閉じた状態で気が付く外観上の違いは、iBook G4の全モデルに搭載されるスロットイン式の光学ドライブぐらいだろう。
一方で、パネルを開いた状態では配色に若干の変更点がある。キーボードのサイズや形状は従来どおりフルサイズを維持してはいるが、従来機では白いトランスルーセント素材だったキートップが、不透過のややグレイ系のキートップに変わっている。この色はパームレスト面とも同色になっており、それに伴ないトラックパッドの部分も同じ色に合わせられた。単体で見ると気が付きにくいが、従来機と並べてみると、わずかだが色が変更されていることがわかる。
製品説明を行なったプロダクトマーケティングの福島哲氏は「外観は踏襲し、中身が一新された製品」とiBook G4を紹介した。前述のPowerPC G4搭載をはじめ、GPUにはMOBILITY RADEON 9200を採用。I/Oコントローラには、現行のPowerBook製品と同じものを使いUSB 2.0への対応を実現している。
そのほか、AirMac Extreme、Bluetoothを搭載可能(Bluetoothの内蔵はAppleStoreのBTOでのみ対応)とするなど、最近の同社製品が基準とするスペックを網羅している。そうなると12型PowerBook G4との差別化が気になるところだが、それは表にして比べてみるとわかりやすいだろう。CPUの違いなどもあるが、外部ビデオ出力のDVIの有無がポイントになることにも気が付く。
●「iBook G4」のスペック
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12型iBook G4 |
14型iBook G4 |
14型iBook G4 |
CPU |
PowerPC G4 800MHz |
PowerPC G4 933MHz |
PowerPC G4 1GHz |
二次キャッシュ |
256KB |
GPU |
MOBILITY RADEON9200(32MB) |
ディスプレイ |
12.1インチXGA (1,024×768ドット) |
14.1インチXGA (1,024×768ドット) |
メモリ |
256MB PC2100 DDR (最大640MB) |
HDD |
30GB |
40GB |
60GB |
光学ドライブ |
コンボドライブ |
USB 2.0 |
2ポート |
FireWire 400 |
1ポート |
Ethernet |
10Base-T/100Base-TX |
Bluetooth |
BTOオプション |
AirMac Extreme |
搭載可能 |
外部ビデオ(VGA) |
対応 |
外部ビデオ (S端子、コンポジット) |
対応 |
本体サイズ (幅×奥行き×高さ) |
34×230×285mm |
34×259×323mm |
重量 |
2.23kg |
2.7kg |
AppleStore価格 |
124,800円 |
149,800円 |
169,800円 |
●iBook G4とPowerBook G4(ComboDriveモデル)の仕様比較
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12型PowerBook G4 |
12型iBook G4 |
CPU |
PowerPC G4 1GHz |
PowerPC G4 800MHz |
二次キャッシュ |
512KB |
256KB |
GPU |
GeForce FX Go 5200(32MB) |
MOBILITY RADEON9200(32MB) |
ディスプレイ |
1,024×768ドット |
1,024×768ドット |
メモリ |
256MB PC2100 DDR(最大1.25GB) |
256MB PC2100 DDR(最大640MB) |
HDD |
40GB |
30GB |
USB 2.0 |
2ポート |
2ポート |
FireWire 400 |
1ポート |
1ポート |
FireWire 800 |
なし |
なし |
Ethernet |
10Base-T/100Base-TX |
10Base-T/100Base-TX |
Bluetooth |
内蔵 |
BTOオプション |
AirMac Extreme |
搭載可能 |
搭載可能 |
外部ビデオ(VGA) |
対応 |
対応 |
外部ビデオ (S端子、コンポジット) |
対応 |
対応 |
外部ビデオ(DVI-I) |
対応 |
なし |
サイズ (幅×奥行き×高さ) |
30×219×277mm |
34×230×285mm |
重量 |
2.09kg |
2.23kg |
AppleStore価格 |
199,800円 |
124,800円 |
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PowerBook G4の箱は黒基調のものだったが、iBook G4の箱は白基調でデザインされていた |
iBook G4は、同日に発売されるMac OS X 10.3“Panther”がプリインストールで出荷される最初の機種でもある。iBook G4に同梱されているシステムCDは、全部で7枚。内3枚が製品を出荷状態に戻すレストアCDで、3枚が“Panther”のみのインストールディスク。そしてHardware TestのCDが加わる。パッケージ版の“Panther”に含まれているDeveloper Toolsは、レストアCD側に収録されているということだ。
製品に関してQ&Aでは、iBookのラインアップが、従来の三機種が下位モデルから順に12型、12型、そしてミッドレンジと同じスペックの14型という構成だったのに対し、iBook G4は下位から順に12型、14型、14型で構成され、1GHzのPowerPC G4を搭載するラインナップ中のハイエンドモデルが14型にのみ用意されている点から、「iBook G4のメインストリームは、14型へと移行するのか?」という質問がなされたが、福島氏はこの質問についてはっきりと否定した。
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iBook G4(左)と従来のiBook(右)。外装部分にあたる白色のポリカーボネートはほぼ同じもの。上面から見た場合、区別は難しい |
iBook G4(左)と従来のiBook(右)。開いてみると、iBook G4のパームレストを含めて内側の配色がグレイ系の色になっていることに気が付く |
iBook G4(左)と従来のiBook(右)。キーボード部分をクローズアップ。従来機はトランスルーセントだが、iBook G4のキートップは不透過になり、パームレストなどと色が合わせられている |
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本体の向かって右側の側面。上に乗っているのがiBook G4。従来のトレイタイプから、スロットインへと光学ドライブが変更された |
本体の向かって左側の側面。インターフェース類はこちらに集中している。これも上に乗っているのがiBook G4。配置に変更はないが、USB 1.1から、USB 2.0へと変更されている |
メモリの増設とAirMac Extremeの取り付けは、キーボード下へとアクセスする。メモリは、オンボードに128MB、スロットに128MBを標準搭載している。最大の640MBにするときは、標準の128MBを取り去り、512MBを追加しなければならない |
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本体左側面の各種インターフェース。AirMac ExtremeとBlutoothのアンテナは共用で、トップパネルの両サイドにあらかじめ内蔵されている |
AirMac Extermeは、Pantherに搭載されるユーティリティ、3.1.2でバージョンアップされる。3.1.1以降はIEEE 802.11gでのWi-Fi認定を取得済みとのこと |
PowerBook G4と同様に、ハードウェアだけでなくソフトウェア的にも本体の発熱を抑える工夫をしている省エネルギー設定 |
なお、同時に発表されたeMacについては、従来モデルに対しての大きな変更点はなく、価格とラインナップを現状で最適な構成にするべく見直しを行なったということで、大宮哲夫本部長より簡単な説明がされるだけにとどまった。
骨子は、従来のeMacが光学ドライブの違いにより、上位からSuperDrive、ComboDrive、CD-ROMで構成されていた3機種を、SuperDrive、ComboDriveの3機種に単純化。プリインストールOSを“Panther”とし、SuperDriveモデルを35,000円値下げした124,800円に、ComboDriveモデルは、ハードディスク容量を従来機の60GBから40GBへと下げたものの、3万円値下げした94,800円で提供するというものだ。
大宮氏は「DVDが焼ける製品として124,800円、オールインワンのパソコンとして94,800円という価格は、いずれも他社の低価格PCに対しても十分な競争力を持つ製品」と説明している。なおPantherの搭載により、従来のeMacに添付されていたFAX送受信アプリケーション「FAXstf X」は付属しなくなる(PantherがFAX送受信の機能を持つため)。またプリインストールゲームのひとつに「Tony Hawk's Pro Skater 4」が加わっている。
□アップルコンピュータのホームページ
http://www.apple.co.jp/
□製品情報
http://www.apple.co.jp/ibook/index.html
□関連記事
【10月23日】アップル、12型と14型のiBook G4
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1023/apple.htm
(2003年10月24日)
[Reported by 矢作 晃]
PC Watch編集部
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