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ソニースタイルに見るインターネット通販のスタイル
「ソニースタイル」は、ソニーマーケティングカンパニー株式会社の一部門であるソニースタイルドットコム・ジャパンカンパニーが運営する物販サイトだが、事実上、ソニーの公式直販サイトといってよい位置にある。 ソニースタイルはワールドワイドの展開で現在35カ国で開設されている。国内では、バイオのCTO(注文仕様生産)販売や特装モデルなど、メーカーに近いことを生かした企画でご存じの読者も多いだろう。 開設から3年半を迎えたソニースタイルの現状について取材する機会と資料が得られたので、PCユーザーのインターネット通販の利用例の一端としてご紹介したい。 ソニースタイルの開設は2000年2月1日で、初日の売上は0円だったという。3年半後の現在は、年間売上が100億円を超え、大手物販系サイトでも五指に入るとしている。 購入者のうち女性は26.7%で、やはり7割以上は男性ということになる。顧客の11.6%が年に5回以上購入するヘビーユーザーで、中には年間に750万円以上も購入した例があるという。純粋に個人での購入とすれば、スゴイ数字だ。 実際に商品を見ずに購入する例は39.5%。これを高いと見るか低いと見るかは、人によって違うと思うが、予約開始と同時にインターネットで購入してしまうことが多い私にとっては意外に低く感じた。 しかし、6割以上の人すべてがメディアージュやソニータワーにあるソニースタイルのショウルームに足を運んでいるとは思えないので、やはり実店舗で確認だけしてオーダーはソニースタイルというパターンも多いことだろう。実店舗の関係者にとってはショックな数字かもしれない。 ちなみにソニースタイルで購入した理由としては、アフターサービスが54.1%、オリジナルグッズが43.6%となっている。ほとんどの製品に3年間の無償修理がついていることや、吉田カバンとの提携などを始めとするオリジナルグッズの展開が、有効であることが伺える。 また、意外だったのは、ソニースタイルの特徴のひとつである電話での購入窓口の利用率が高いことだ。「電話でお買い物」というこのサービスは期間限定で始められたものだが、現在では常設の窓口となっている。 電話窓口ということで想像しやすいのは、インターネット通販に抵抗を感じる高齢者層の利用だが、実際には購入者の年齢分布はインターネット通販とほとんど変わらないという。 利用例として挙げられたのは、バイオのCTOの組み合わせの相談を受けたあとで、最後に「これで大丈夫だと思います」という一言が有効なのだという。つまり、最後の決断の際に軽く背中を押してあげるという役割を果たしているようだ。 やはり、最後まで自分ですべて決めるということに不安を感じる人も多く、その際の手助けとして有効な手段のようだ。人と口をきかず、全部自分で決められるから、インターネット通販を利用するという人は少数派らしい。 また、バイオのCTOについては、別の面白い数字も出ている。 まず、ソニースタイルでバイオを購入した顧客の90%以上がカスタマイズを行なっている。程度の差こそあれ、やはりそのままでいいという人は少ないようだ。逆にいえばカスタマイズできるからこそ、ソニースタイルで購入しているということだろう。 上位機種の「バイオRZ」を例にとろう。バイオRZは、フルCTOに対応しているため、ディスプレイの選択まで含めると約30万通りの組み合わせが可能となっている。価格でいえば、最上位の組み合わせは510,800円、最下位の組み合わせは146,300円となる。 では、一番売れる組み合わせはというと393,300円となる。続いて206,300円の組み合わせ、三番目が489,800円となる。個々の組み合わせ例は表に譲るが、必ずしもハイエンドだけが求められているわけではなく、メモリなど必須の部分には投資しながら、CPUやビデオカードは一段落とすという堅実な選択が売れ筋1位となっている。2位はローエンドに近い構成だが、メモリとHDDは一段上げて実用性を確保した組み合わせ。3位はハイエンドからモデムとMicrosoft Officeを落とした構成だ。予算によって仕様の差こそあるものの、冷静に選択を行なっているようすが伺える。
なお、最近の大きな話題である個人向けPCのリサイクル関連では、ソニースタイルでカスタマイズされたモデルも含むバイオの下取りサービスの開始が10月22日より開始される。 また、PC関連以外でも、欧州市場向けHDDレコーダーの国内販売、凸版印刷と提携したPDAオンラインコンテンツ販売の拡大などの話題がある。 低価格とポイント還元を武器に、インターネット通販でも勢力を伸ばしているヨドバシカメラをはじめとするカメラ系量販店や、買い取りや中古販売と、手持ち商品の管理などパーソナライズで先行するソフマップらの競合サイトに対して、ソニースタイルがどのように戦っていくのか興味深いところだ。 □ソニースタイル (2003年10月3日) [Reported by date@impress.co.jp]
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