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COMDEX Fall 2002展示会場レポート

IEEE 802.11g関連製品が多数展示

会期:11月18日~22日(現地時間)

会場:Las Vegas Convention Center



古川享副社長の案内で展示ホール内を視察する米Microsoftのビル・ゲイツ会長兼CSA(最高ソフトウェア開発責任者)。東芝が出品した次世代の液晶3Dディスプレイに見入る

 COMDEX Fallの展示ホールは18日午前(現地時間)からオープンしている。前日レポートでお伝えしたように、展示にはLas Vegas Convention Centerの北ホールと中央ホールが使われていて、そのうち中央ホールにはMicrosoftをはじめ、HPやPalm Computingそして東芝などが比較的大きなスペースを使った展示を行なっている。北ホールではNOKIAが目立つほか、USBやWi-Fiパビリオンなどテーマ別のエリアが散在する。中央、北側とも使用されている面積は全体のおよそ3分の2ほどだ。

 企業によっては直接“COMDEX”に出展するのではなく、市内の巨大ホテルに併設されているボールルームなどを独自に借りて、招待客や来場者に対応しているところも少なくない。もちろんCOMDEX目当てに世界中からやってくるIT関係者をターゲットにしているのだが、このやり方では主催者であるKey3Media側に出展料が入るわけではないので、Key3Mediaが現在のような厳しい状況に追い込まれてしまった理由のひとつと言えないこともない。もとはと言えばCOMDEXの高めの出展料に出展企業側が嫌気をさしてという面もあるので、ある意味どっちもどっちということになるのだが……。

 本稿では、こうした広い意味での“COMDEX”で見つけることができた、注目される機器をピックアップして紹介する。

●IEEE 802.11g対応製品やIEEE 802.11a/b/g対応デュアルバンドモデル

 今回のCOMDEXで特に充実していたように感じたのが、無線LAN関連製品の展示だ。ネットワーク周辺機器メーカー大手のLINKSYSブースでは、IEEE 802.11g対応製品やIEEE 802.11a/b/g対応デュアルバンドモデル、USB 2.0対応の超小型無線LANアダプタなどが展示されていた。

 IEEE 802.11gは2.4GHzの周波数帯域を利用するため、IEEE 802.11bとの互換性を確保しながら54Mbpsという高速通信を実現している。しかも、同じ通信速度を実現するIEEE 802.11aよりも価格面で有利という特徴もある。事実LINKSYSブースに展示されていたIEEE 802.11g対応の製品は、ルータタイプの据え置きモデルが149ドル、PCカードモデルが79ドルと、IEEE 802.11b対応製品とほとんど変わらないほど安価な価格が設定されており、非常に魅力的な製品と言える。日本での発売に関してはまだ未定のようだが、早い時期での投入を期待したいところだ。

 また、USB接続タイプの超小型無線LANアダプタも展示されていた。同様の製品はすでに市場に出回っているが、これはUSB 2.0に対応したモデルだ。これなら速度面での不安は全くないと言っていいだろう。

LINKSYSブースに展示してあった、IEEE 802.11g対応の無線LANルータ。12月発売で価格は149ドルと非常に安価だ こちらはPCカードタイプのIEEE 802.11g対応無線LANカード。こちらも79ドルと、IEEE 802.11b対応カードとほとんど変わらない価格が設定されている USBコネクタに直接取り付けるタイプの超小型無線LANアダプタ。USB 2.0に対応しており、パフォーマンス面での不安はない。価格は79~89ドル程度になるそうだ

 無線LAN関連メーカーが多数集まった「Wi-Fi Pavilion」も、例年同様設置されていた。こちらでは、IEEE 802.11a/b/gの3種類の規格に対応する最新チップセットを採用する製品が多数展示されていた。また、IEEE 802.11bとBluetooth双方が利用でき、しかも双方を同時使用したとしても問題が起こらないとする製品もいくつか展示されていた。mobilianというメーカーのTrueRadioという製品は、出力される無線LANやBluetoothの電波を受信側にフィードバックし、受信した電波から出力される電波の成分をカットする、といった仕組みを採用しているそうだ。

 チップセットの価格も現在のIEEE 802.11bのチップセットとほとんど同じだそうで、価格面での競争力も高い。現時点では、無線LANとBluetoothを同時に利用するという状況はかなり限られているものの、今後はノートPCでもIEEE 802.11bとBluetoothの双方を搭載する製品が増えてくるかもしれない。

Wi-FiパビリオンのPRISMブースに展示されていた、IEEE 802.11a/b/g対応無線LANモジュール。mini-PCIやPCカード用モジュールなどが展示されていた mobilianブースに展示されていた、IEEE 802.11b/Bluetooth両対応のTrueRadio。チップセットのコストはIEEE 802.11bのものとほとんど変わらないため、今後普及が進む可能性も高そうだ TureRadioのデモの様子。キーボードとマウスがBluetoothで接続され、IEEE 802.11bによってネットワークに接続されている状態でネットワーク対戦ゲームをプレイしていた

●Athlon 64対応マザーボードやIntel E7205搭載マザーボードが展示される

 GIGABYTEやMSIといった台湾の主要マザーボードメーカーの多くは、COMDEXの会場となるLas Vegas Convention Centerにはブースを構えず、周辺ホテルのボールルームを利用して独自のミーティングルームを設置し、製品の展示や説明を行なっていた。

 こちらでは、正式名称が発表されたばかりであるAMD Athlon 64対応のマザーボードや、Intel製チップセットとして初めてAGP 8XやデュアルチャネルDDRなどをサポートするIntel E7205搭載マザーボードなどが展示されていた。これらマザーボード関連に関しては別途詳しく紹介するので、そちらを参照してもらいたい。

GIGABYTEのIntel E7205搭載マザーボード「GA-8INXP」。AGP 8XやデュアルチャネルDDRをサポートし、Serial ATA RAIDコントローラとUltra ATA/133対応のRAIDコントローラを搭載するなど、非常に高機能なマザーボードだ GA-8INXPではチップセットだけでなくレギュレータにも空冷ファンが取り付けられた「Dual Cooling」を採用。写真ではわかりにくいが、レギュレータの空冷ファンは青く光るようになっている こちらは、Athlon 64対応チップセット「AMD 8151」を搭載するマザーボード「GA-K800A」。市場に登場するのは、Athlon 64が出荷される2003年第2四半期頃だ
MSIでは、デュアルチャネルDDR333をサポートするPentium4対応チップセットSiS655を搭載した「655 Max(MS-6730)」が展示されていた。こちらも出荷時期は2003年第2四半期頃を予定しているそうだ こちらは、VIA TechnologiesのAthlon 64対応チップセットK8T400Mを搭載するMicro-ATX仕様マザーボード「K8TM(MS-6707)」だ ECSでは、Athlon 64対応マザーが3種類展示されていた。これはその中の1つで、チップセットにSiS755を搭載する「K8S5A」だ
東芝が参考出展した次世代の3D視ができる液晶ディスプレイ。15型サイズでUXGAの解像度。冒頭の写真でビル・ゲイツ氏が視察しているのがこの製品だ LINKSYSが出展したUSB 2.0に対応する100Base-TX対応Ethernetアダプタ。USB 1.1でも利用できるが、100Base-TXの機能を生かすにはUSB 2.0での接続が必要 Netocが出展したUSB端子付きのCFカード。ミニサイズの端子を利用してCFとしても、USBストレージとしても接続できる

□COMDEXのホームページ
http://www.comdex.com/fall/

(2002年11月21日)

[Reported by 矢作晃/平澤寿康]


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