NEW PRODUCTS TESTREPORT |
東芝 | ||
TransCube 10 | ||
有線、無線LAN接続が可能なHDD内蔵ビデオレコーダ | ||
TEXT:天野 司 Tsukasa Amano |
東芝が発売した「TransCube 10」は、TVチューナーとHDDを搭載、単体でも動作可能なHDDビデオレコーダだ。無線LANアクセスポイントやブロードバンドルーター機能なども備えており、家電とPC周辺機器との機能を合わせた製品となっている。
単体動作可能なTV録画機器というと、NECのSmartVision Pro HD40やアイ・オー・データ機器のRec-Onなどが思い浮かぶが、それらと比較してTransCubeの外見は、前面パネルにミラーフェースデザインを採用するなどAV機器的な印象が強く感じられる。
本体背面にS-VIDEO/VIDEO入出力、前面にS-VIDEO/VIDEO入力をそれぞれ1系統ずつ備えている |
ルーター機能はWebブラウザ上から設定する。その設定項目も単体のブロードバンドルーターと同等だ |
本機の動作は、通常のビデオ機器のように赤外線リモコンで操作する「リモコンビデオモード」、PCとLAN経由で接続してPCから操作する「PCビデオモード」、それにTVチューナーやレコーダ機能を使わずルーター機能だけを利用する「ルータモード」の3種類のモードにわけられる。PCユーザーにとってこのうちメインとなるのは、専用ソフトをインストールしてTransCubeを操作するPCビデオモードだろう。と言うのは、リモコンビデオモードでもTV視聴やスリップ再生などは可能ではあるが、予約録画など、一部の機能を利用できないないからだ。なおPCビデオモードでも予約内容はTransCubeに転送されるので、実際の録画時にPCが動作している必要はない。
TV視聴ソフトLIVE MEDIA TV。付属の赤外線リモコンだけでなく、このソフトを使ってタイムスリップ再生などの操作を行なうことができる |
PC上で録画内容をストリーミング再生するには、専用ソフト「LIVE MEDIA for TransCube」を使用する。有線LANで接続されている場合には、録画時と同じビットレートで再生可能だが、無線LANで接続する場合には帯域の関係で長時間モード相当に再エンコードされての転送となる。この際は2Mbpsのビットレートとなるが、VBRが効くためか、数字から想像されるほどの画質低下はない。ただ再エンコードにハードウェアエンコーダが利用されるため、無線LANからの視聴は1台からのみ可能で、さらにほかの番組の録画中などには利用できなくなる点には注意が必要だ。
このように、TransCubeの仕様は非常にユニークなものだ。やや高価ではあるが、使い勝手もよく考えられている。その豊富な機能を活かして、さまざまな場面で楽しみたい製品である。
・製品名:TransCube 10
・標準価格:オープン(実売130,000円前後)
・問い合わせ先:株式会社東芝
・TEL:0570-00-3100(東芝PCダイヤル)
・URL:http://www.toshiba.co.jp/
・映像記録方式:MPEG-2
・HDD容量:80GB
▼インターフェイス
・本体前面部:S-VIDEO IN×1、VIDEO IN×1、LINE IN×1
・本体背面部:S-VIDEO IN×1、S-VIDEO OUT×1、VIDEO IN×1、VIDEO OUT×1、LINE IN×1、LINE OUT×1、10BASE-T/100BASE-TX(RJ-45、WAN用)×1、10BASE-T/100BASE-TX(RJ-45、LAN用)×1、アンテナ入力(F型コネクタ)×1
・その他:IEEE 802.11b
・受信チャンネル:VHF1~12ch、UHF13~62ch、CATV C13~C63ch
・本体サイズ(W×D×H):104×319×259mm
・重量:約3.1kg
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□東芝のホームページ
http://www.toshiba.co.jp/
□製品情報
http://www.dynabook.com/pc/catalog/whms/020520t1/
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~無線LAN内蔵Pentium III-M 1GHzノートも同時発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0520/toshiba.htm
(2002年7月9日)