NEW PRODUCTS TESTREPORT |
コンピュータ・アソシエイツ | ||
eTrust InoculateIT 6.0日本語版 | ||
強力な管理機能を備えたウイルス対策ソフト | ||
TEXT:清水理史 Masashi Shimizu |
コンピュータ・アソシエイツから最新版のウイルス対策ソフト、「eTrust InoculateIT 6.0」が発売された。今回発売されるバージョンからは、従来の「InoculateIT 4.53」から製品名も変更されている。
基本的にはネットワークに対応したウイルス対策ソフトであるが、従来のバージョンから大きく3つの点が変更されている。まずは、マルチスキャンエンジンの搭載だ。InoculateIT 6.0には標準で複数のスキャンエンジンが搭載されており、用途によってこれらを使い分けることが可能となっている。従来のバージョンでは、ウイルスの検出率を高めるために複数の製品を併用する必要があったが、今回のバージョンでは、これが不要になったことになる。
2つ目は、リアルタイム検出と自動駆除機能のサポートだ。スキャンエンジンによって常にウイルスの検出が行なわれるようになり、万が一感染ファイルを発見した場合は、即座にこれを駆除できるようになった。これにより、従来のバージョンのように手動での駆除作業や特別な駆除ツールを使用する必要がなくなった。
3つ目の変更点は、シグネチャと呼ばれるウイルス定義ファイルの配布をするときに、差分のみの配布が可能となり、しかもそれを即座に反映させることが可能となった点だ。差分のみの配布が可能となれば、シグネチャをLAN経由でクライアントPCに配布する際など、ネットワークの負荷を低く抑えることができる。たくさんのクライアントPCが存在する大企業などでは、ありがたい機能だろう。また、ウイルスのスキャンも、CPUの負荷などを考慮して実行される設計になっているため、PC自体への負荷も軽減することができる。
ローカルスキャンを実行すればHDDなどのスキャンも可能。CPU負荷なども考慮されるため、動作は軽快だ | リアルタイムモニタにより、ネットワーク上のデータもリアルタイムにスキャンされる。細かい設定も可能 |
これにより、クライアントPCごとや作成した論理グループごとに、サーバーから細かな設定を適用することが可能だ。たとえば、シグネチャのダウンロード頻度や方法、ローカルのスキャンを実行する頻度、リアルタイムスキャナの設定などを細かく行なえる。
しかも、ネットワーク上のクライアントPCへInoculateIT 6.0をリモートインストールすることも可能となっており、管理画面からクライアントPCを選択し、インストールを実行すれば、そのクライアントPCに強制的、かつ自動的にInoculateIT 6.0をインストールできる。
この辺りの管理機能は非常に強力で、管理者の手間をかなり削減することができる。コンシューマ向けのウイルス対策ソフトを大量導入することでも、確かに企業ネットワークのウイルス対策はできるだろう。しかし、導入後の管理や運用までを考えるのであれば、このような管理機能を備えた製品を選ぶほうが効率的だ。
管理画面ではネットワーク上のサーバーやクライアントを一元管理可能。スケジュールなどを細かく指定できる | クライアントへのリモートインストールもできる。一覧からPCを選択し、インストールを実行するだけだ |
・製品名:eTrust InoculateIT 6.0 for Windows 日本語版
・標準価格:30,000円~
・問い合わせ先:コンピュータ・アソシエイツ株式会社
・TEL:0120-702-600(CAジャパン・ダイレクト)
・URL:http://www.caj.co.jp/
・対応OS:Windows 2000 SP1以上/NT 4.0 SP4以上
▼動作環境
・CPU:Pentium II 300MHz以上
・メモリ:128MB以上(256MB以上を推奨)
・HDD:25MB以上の空き容量
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□コンピュータ・アソシエイツのホームページ
http://www.caj.co.jp/
□製品情報
http://www.caj.co.jp/etrust/inoculateit/
□関連記事
【4月9日】コンピュータ・アソシエイツ、ウイルス対策ソフトの新バージョン(Broadband)
http://www.watch.impress.co.jp/broadband/news/2002/04/09/cajav.htm
(2002年6月17日)